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落日の序曲
18 最後の晩餐
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食堂に着くと、夕飯の準備をしていたエステル・マルムストレムが見慣れぬ二人の顔に気付いて声をかけてきた。
「あらリース、また仲間を増やすの?」
「んなわけあるか。仕事の依頼主だよ」
リースベットは濡れた髪を亜麻布で拭きながら答える。
「もう穴ぐらを根城に山賊やってられる規模じゃねえ、って話したばっかじゃねえか」
「そうよねえ。……どこかで見た気がするわね」
「正義の賞金稼ぎ、ラルフ・フェルディンだ。以後お見知りおきいただこう」
「ふーん」
エステルは全く興味がなさそうだ。
料理の味見をするエステルの特に胸部を、カールソンは血走った目を見開いて凝視している。その視線を遮るようにリースベットが前に出た。
「おいデカブツ、てめえも仕事仲間だ。よろしくな」
リースベットが珍しいほど満面の笑顔で右手を差し出す。カールソンがだらしないにやけ顔で握り返すと、その瞬間に手を取り合う二人の顔つきが豹変した。
リースベットは戦いのさなかに見せる加虐的な笑みに、カールソンの顔は苦痛に歪んでいる。
「いぎいいいええええ!」
「気持ち悪い目で見てんじゃねえ殺すぞ」
リースベットは万力のような力を込めてカールソンの右手を握り潰した。床に両膝をついてもなおカールソンの頭はリースベットより高いが、リーパーの力はその体格差を容易に覆している。
「てめえ、泊まってる間にちょっとでもおかしな真似をしてみろ、手足を斬り落としてイェネストレームに住んでる男色者の家の前に捨ててきてやる」
「わかっ……たから……放して……」
カールソンの涙ながらの訴えを、リースベットはしばらく間を置いてから聞き入れた。
「マントの旦那、節制は俺からもお願いしとくぜ。あの姐さんがいねえとティーサンリード山賊団は、発酵キャベツと塩漬けニシンだけを食って暮らすことになるんだ」
「うむ、気をつけさせよう……それにしても良い匂いがするな」
食堂にはトマトの香りが漂っているが、それは昼間のものとはやや趣が異なっていた。
黒コショウや月桂樹の葉、ニンニクなどが加えられて味と香りに厚みが増し、ジャガイモと小麦粉に魚肉を混ぜ合わせた団子が一緒に煮込まれている。
そのトマトシチューと、スライスしたパンにタマネギとキノコの炒めものを挟んだサンドイッチが今日の夕食だった。
「とことん運がいい野郎だな。今日の夕飯は手が込んでる」
「ふだんの料理が手抜きだって言うのかい」
「そうは言ってねえだろ……あーはいはい、いつもありがとうございますエステルお姉さま」
「お礼ついでに、食事の準備担当をもうひとり増やしてもらおうかね」
「何だよ、まだ足りねえのか」
「その場しのぎに子ども達に任せて済まそうとするんじゃないよ」
ティーサンリード山賊団の人数はすでに百人を超えている。それだけの胃袋を満たす食事の準備という労働は、いよいよエステルほか数人程度では不可能になりつつあったのだ。
「分かったよ、具体的な人選はバックマンに聞け」
「……人の倍以上も食べておいてからに」
「チッ、このデカパイ女が」
「何か言ったかい?」
リースベットは悪態をつきながら大鍋を覗き込み、自分でトレイにシチューの大皿とパンを乗せた。
「おいアホマント、うちには給仕なんてものはいねえ。自分で用意して、食い終わったら食器はあそこに片付けろ」
「わ、わかりました」
フェルディンは言われた通り、カールソンを伴って料理をよそった。
食堂を訪れた山賊たちはその姿を奇異の目で見ていたが、リースベットが黙認していることから察して口出しはしてこなかった。
「うめえ! 何だこりゃ!」
シチューを口にしたカールソンが驚きの声を上げた。
「これは驚いたな……いろいろな街で食事をしたが、これほどのものは食べたことがない」
「だろ。こんだけの料理、街の安酒場じゃ1000クローナ積んだって食えねえぜ」
「この味といい香りといい、何か決定的に違うものがある」
「おそらく違いはハーブだな。……そもそもが、異国のハーブを山積みにした貢物をかっぱらった時だったか」
「ああ。……あたしらが適当に売っ払おうとしてたところに、これの価値が分かるやつは少ねえから金にするのは難しい、こういうモンは保存が利くんだから自分らで使おう、ってあいつが言い出したんだ」
リースベットはエステルを顎で示しながら、片目を瞬かせバックマンに合図した。エステルは離れた席で子ども達と一緒に食事をしている。
このハーブの逸話には前段があるのだが、リースベットはフェルディンたちの手前、それを省いて話したのだった。
「あらリース、また仲間を増やすの?」
「んなわけあるか。仕事の依頼主だよ」
リースベットは濡れた髪を亜麻布で拭きながら答える。
「もう穴ぐらを根城に山賊やってられる規模じゃねえ、って話したばっかじゃねえか」
「そうよねえ。……どこかで見た気がするわね」
「正義の賞金稼ぎ、ラルフ・フェルディンだ。以後お見知りおきいただこう」
「ふーん」
エステルは全く興味がなさそうだ。
料理の味見をするエステルの特に胸部を、カールソンは血走った目を見開いて凝視している。その視線を遮るようにリースベットが前に出た。
「おいデカブツ、てめえも仕事仲間だ。よろしくな」
リースベットが珍しいほど満面の笑顔で右手を差し出す。カールソンがだらしないにやけ顔で握り返すと、その瞬間に手を取り合う二人の顔つきが豹変した。
リースベットは戦いのさなかに見せる加虐的な笑みに、カールソンの顔は苦痛に歪んでいる。
「いぎいいいええええ!」
「気持ち悪い目で見てんじゃねえ殺すぞ」
リースベットは万力のような力を込めてカールソンの右手を握り潰した。床に両膝をついてもなおカールソンの頭はリースベットより高いが、リーパーの力はその体格差を容易に覆している。
「てめえ、泊まってる間にちょっとでもおかしな真似をしてみろ、手足を斬り落としてイェネストレームに住んでる男色者の家の前に捨ててきてやる」
「わかっ……たから……放して……」
カールソンの涙ながらの訴えを、リースベットはしばらく間を置いてから聞き入れた。
「マントの旦那、節制は俺からもお願いしとくぜ。あの姐さんがいねえとティーサンリード山賊団は、発酵キャベツと塩漬けニシンだけを食って暮らすことになるんだ」
「うむ、気をつけさせよう……それにしても良い匂いがするな」
食堂にはトマトの香りが漂っているが、それは昼間のものとはやや趣が異なっていた。
黒コショウや月桂樹の葉、ニンニクなどが加えられて味と香りに厚みが増し、ジャガイモと小麦粉に魚肉を混ぜ合わせた団子が一緒に煮込まれている。
そのトマトシチューと、スライスしたパンにタマネギとキノコの炒めものを挟んだサンドイッチが今日の夕食だった。
「とことん運がいい野郎だな。今日の夕飯は手が込んでる」
「ふだんの料理が手抜きだって言うのかい」
「そうは言ってねえだろ……あーはいはい、いつもありがとうございますエステルお姉さま」
「お礼ついでに、食事の準備担当をもうひとり増やしてもらおうかね」
「何だよ、まだ足りねえのか」
「その場しのぎに子ども達に任せて済まそうとするんじゃないよ」
ティーサンリード山賊団の人数はすでに百人を超えている。それだけの胃袋を満たす食事の準備という労働は、いよいよエステルほか数人程度では不可能になりつつあったのだ。
「分かったよ、具体的な人選はバックマンに聞け」
「……人の倍以上も食べておいてからに」
「チッ、このデカパイ女が」
「何か言ったかい?」
リースベットは悪態をつきながら大鍋を覗き込み、自分でトレイにシチューの大皿とパンを乗せた。
「おいアホマント、うちには給仕なんてものはいねえ。自分で用意して、食い終わったら食器はあそこに片付けろ」
「わ、わかりました」
フェルディンは言われた通り、カールソンを伴って料理をよそった。
食堂を訪れた山賊たちはその姿を奇異の目で見ていたが、リースベットが黙認していることから察して口出しはしてこなかった。
「うめえ! 何だこりゃ!」
シチューを口にしたカールソンが驚きの声を上げた。
「これは驚いたな……いろいろな街で食事をしたが、これほどのものは食べたことがない」
「だろ。こんだけの料理、街の安酒場じゃ1000クローナ積んだって食えねえぜ」
「この味といい香りといい、何か決定的に違うものがある」
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「ああ。……あたしらが適当に売っ払おうとしてたところに、これの価値が分かるやつは少ねえから金にするのは難しい、こういうモンは保存が利くんだから自分らで使おう、ってあいつが言い出したんだ」
リースベットはエステルを顎で示しながら、片目を瞬かせバックマンに合図した。エステルは離れた席で子ども達と一緒に食事をしている。
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