ハズレっくじに大当たり

底なし

白い玉

　死んでしまうのではないか？

　勘違いのクソ夜をわざわざ繰り返し、気付いた時には遅かった。

　人生なんて、くじ引きみたいなもんだ。どんな親から産まれるか、親からしたってどんな子が産まれてくるのか。カタログで選んで発注できるわけじゃない。だから、だいたいみんな、ハズレを引く。
　それでもさ、たったひとつの金の玉なんて、誰も望んじゃいないんだ。赤やら青やり黄色にピンク。ガラガラまわして出てくる玉の色で、やれ３等だ、５等だとみんな謙虚に受け入れて、人生を始める。
　だけどもやっぱり多くは白い玉。ハズレなんだけど、それならばティッシュかなんか貰って、ああやっぱり、みんなと一緒だね、と受け入れて生きていく。

　僕もただの白い玉だった筈だ。

　母親は白い玉しか入ってない抽選機だったから。同じ父親から３人の子はみんな白い玉だった。父親の違ういちばん下の子だけが、今となっては色が付いた玉だったように思う。