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手記
第22話
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久しぶりのライブ、ほとんど知り合いの居ない観客に酷く緊張した。
しかし、まみと長男の姿を見つけると、ずっとそっちだけを見て歌った。
なんとか無事に終え、地下鉄の駅までベビーカーを押して、2人を送った。
ほっとしたその時、携帯にメールが入った。
そういえば、メンバー募集のサイトでやけに音楽の好みが会う神奈川の女性が居て、メールをやりとりしていたのだ。
「ライブお疲れ様。カッコ良かったよ」
「わあ、観に来てくれたんですね、ありがとう」
「久しぶりに観たけど、変わったような、変わらないような。奥さんとお子さんも見たよ。奥さん、きれいなひとだね」
嫌な予感がした。
「文香だよ。はるちゃん全然気付かないんだもん。まあ、バレないようにしてたんだけど、それはそれで悲しかったな」
「わたしは年下の彼と別れて、ちょっと体調崩して薬飲んでる。はるちゃん頑張ってるの見たから、元気出たよ」
「悔しいけど、もう邪魔出来ないなって思っちゃった。浜松で寄り道して、うなぎでも食べてもっと元気出して、はるちゃんに負けないくらい幸せになってやる」
「さよなら。奥さん大事にね!」
晴天の霹靂。
なんで気付かなかったんだろう?
僕は、文香の執念が怖くなった。
ゆみかさん、と登録されていたそのメールアドレスを消去する時、その偽名にまた自分の無防備さが嫌になった。
そのバンドは、もう一回ライブをやり、解散してしまった。
僕以外ハードコア畑の人たちだったから、僕抜きでハードコアバンドを始めた様だった。
しかし、まみと長男の姿を見つけると、ずっとそっちだけを見て歌った。
なんとか無事に終え、地下鉄の駅までベビーカーを押して、2人を送った。
ほっとしたその時、携帯にメールが入った。
そういえば、メンバー募集のサイトでやけに音楽の好みが会う神奈川の女性が居て、メールをやりとりしていたのだ。
「ライブお疲れ様。カッコ良かったよ」
「わあ、観に来てくれたんですね、ありがとう」
「久しぶりに観たけど、変わったような、変わらないような。奥さんとお子さんも見たよ。奥さん、きれいなひとだね」
嫌な予感がした。
「文香だよ。はるちゃん全然気付かないんだもん。まあ、バレないようにしてたんだけど、それはそれで悲しかったな」
「わたしは年下の彼と別れて、ちょっと体調崩して薬飲んでる。はるちゃん頑張ってるの見たから、元気出たよ」
「悔しいけど、もう邪魔出来ないなって思っちゃった。浜松で寄り道して、うなぎでも食べてもっと元気出して、はるちゃんに負けないくらい幸せになってやる」
「さよなら。奥さん大事にね!」
晴天の霹靂。
なんで気付かなかったんだろう?
僕は、文香の執念が怖くなった。
ゆみかさん、と登録されていたそのメールアドレスを消去する時、その偽名にまた自分の無防備さが嫌になった。
そのバンドは、もう一回ライブをやり、解散してしまった。
僕以外ハードコア畑の人たちだったから、僕抜きでハードコアバンドを始めた様だった。
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