ひとりごと アナザーストリー

Aim

文字の大きさ
上 下
2 / 2

しおりを挟む

大粒の雨がふる午後二時
僕が君を手放した日もこんな天気だった

大切なものほど、大切にできなくて
すぐに投げ捨ててしまう
花のように儚いのだ

そのくせに、どーでもいいものほど新品のようにきれいで


君は、そんな僕を"素敵な人ね"と言ってくれた
好きだと言ってくれた

君は皆が認めるほどやさしくて、外見も中身もとてもきれいだった
そんな君が最初は嫌いだった


そんな君が僕にはキラキラして見えたから
きれいな目が表情が嫌だった

目が合うたび、ほほ笑みかけてくれる
みんなの輪に入れない僕を仲間に引き込んでくれる


僕はそんな君に不覚にも惹かれていった


ある日
そんな君は僕と恋人になってくれた


怖くて"何で?"とは聞けなかったけれど
君は僕のことを好きだと言ってくれた


口下手な僕はいつも君にきつい言葉を投げかけれてしまう
そんな日の夜はかならず後悔する

そんな僕に君は無邪気に笑いかけてくれた

ある日些細なことで喧嘩してしまった。
今、考えると子供だったなと思う
当時は今よりも子供だったが…。


その場の勢いで別れると言ってしまった僕

君は反論しなかったね

僕にかけてくれるような優しい笑顔で"うん"と言ってくれた
君は何も言わなかったけれど悲しい気持ちを隠しているように見えた


大荒れの雨の中、僕は傘もささず、家路につく
雨は二日ほどで晴れたが、
その日から僕の心は大雨だ


君にそんな顔をさせてしまった僕は後悔しかない

こんな僕が言える言葉じゃないけど。

好きだよ
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。

ねんごろ
恋愛
 主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。  その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……  毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。 ※他サイトで連載していた作品です

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

恋人の水着は想像以上に刺激的だった

ヘロディア
恋愛
プールにデートに行くことになった主人公と恋人。 恋人の水着が刺激的すぎた主人公は…

放課後の生徒会室

志月さら
恋愛
春日知佳はある日の放課後、生徒会室で必死におしっこを我慢していた。幼馴染の三好司が書類の存在を忘れていて、生徒会長の楠木旭は殺気立っている。そんな状況でトイレに行きたいと言い出すことができない知佳は、ついに彼らの前でおもらしをしてしまい――。 ※この作品はpixiv、カクヨムにも掲載しています。

膝上の彼女

B
恋愛
極限状態で可愛い女の子に膝の上で…

義姉の不倫をバラしたら

ほったげな
恋愛
兄と結婚したのにも関わらず、兄の側近と不倫している義姉。彼らの不倫は王宮でも噂になっていた。だから、私は兄に義姉の不倫を告げた……。

処理中です...