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雨
しおりを挟む大粒の雨がふる午後二時
僕が君を手放した日もこんな天気だった
大切なものほど、大切にできなくて
すぐに投げ捨ててしまう
花のように儚いのだ
そのくせに、どーでもいいものほど新品のようにきれいで
君は、そんな僕を"素敵な人ね"と言ってくれた
好きだと言ってくれた
君は皆が認めるほどやさしくて、外見も中身もとてもきれいだった
そんな君が最初は嫌いだった
そんな君が僕にはキラキラして見えたから
きれいな目が表情が嫌だった
目が合うたび、ほほ笑みかけてくれる
みんなの輪に入れない僕を仲間に引き込んでくれる
僕はそんな君に不覚にも惹かれていった
ある日
そんな君は僕と恋人になってくれた
怖くて"何で?"とは聞けなかったけれど
君は僕のことを好きだと言ってくれた
口下手な僕はいつも君にきつい言葉を投げかけれてしまう
そんな日の夜はかならず後悔する
そんな僕に君は無邪気に笑いかけてくれた
ある日些細なことで喧嘩してしまった。
今、考えると子供だったなと思う
当時は今よりも子供だったが…。
その場の勢いで別れると言ってしまった僕
君は反論しなかったね
僕にかけてくれるような優しい笑顔で"うん"と言ってくれた
君は何も言わなかったけれど悲しい気持ちを隠しているように見えた
大荒れの雨の中、僕は傘もささず、家路につく
雨は二日ほどで晴れたが、
その日から僕の心は大雨だ
君にそんな顔をさせてしまった僕は後悔しかない
こんな僕が言える言葉じゃないけど。
好きだよ
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