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・リズ:転生悪役令嬢(上)
しおりを挟む従者×令嬢/乙女ゲーム/転生/脱悪役/愛され/ほのぼの
約15,700文字
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・リズリア・シャンティー
・シャンティー公爵家の長女
・5才の頃にひとつ下の弟ができる
・リズリアは母と一緒に弟を虐める
・婚約者は第2王子
・16歳の時に婚約破棄され、その3か月後に幽閉
・後に病死する
これがあたしの知っている、あたし・リズリアの設定だ。
え? 何を言っているのかわからない? それじゃあまず、あたしの友達について説明しよう。
あたしの友達は、なんというか……夢見がちだ。いつもフリフリの可愛らしいワンピースを着ていて、乱暴な言葉なんて使ったこともないと思う。いつか王子さまが迎えに来てくれる、なんてことは思っていないみたいだけど、王子さまに夢見てる。
そんな彼女がはまっているのが、恋愛小説。なかでも、異世界ファンタジーがすごいらしい。現代日本に生まれた主人公が、世界を救う神子として召喚されたり、イケメン達に求婚されたり。他にも、乙女ゲームや少女マンガの世界に生まれ変わって、未来を変えようと奮闘したりするらしい。
最近は、ウェブ小説とやらの勢いがすごいらしく、暇さえあればスマホ片手に読み漁っているみたい。確かその頃からかな? 彼女自身でも小説を書き始めたのは。
何でも、彼女が愛読している小説サイトは、小説を愛する人なら誰でも小説を投稿していいらしく、「小説をね、書いてるの」とハニカミながらも教えてくれた。内容はもちろんラブストーリー。貴族の主人公が、王子さまと恋に落ちる学園物だとか。
あたしはあまりそういったものに興味はないんだけど、彼女が書いたものなら読んでみたいかも。そう思ってサイトを教えてもらおうと思ったんだけど……。「は、恥ずかしいから、ダメ」と顔を真っ赤にしてうるうるお目目で言われたら、諦めるしかないよね。
小説は教えてもらえなかったけど、代わりにキャラを考えるのを手伝ってほしいと頼まれた。そのキャラは、主人公のライバルキャラで、主人公が王子さまと付き合うまでの間、ひたすら邪魔をするいわば悪女だ。
ほんわか平和思考の彼女には、これぞ悪女といった行動や言動が思い浮かばないようで、あたしは彼女のために全力で悪女を作り上げた。
その悪女の名前が、リズリア・シャンティー。つまり、今のあたしってこと。
え? 突然話が飛んだって? う~ん……。でもこのあとの事は聞いてて気分の良い内容じゃないしなぁ。
まぁ簡単に話すと、あたしは死んだ。彼女のストーカーの手によって。夜、彼女の家から帰る途中に、後ろからグサッと。何度も刺してくるストーカーに、あたしがただで殺られるはずもなく。催涙スプレーで目を潰して、警察に電話をかけてから重たいカバンで頭をぶん殴ってやった。
そのあとの記憶は途切れ途切れだ。救急車に乗せられて、なんだかたくさん話しかけられて、いつの間にか家族と彼女に囲まれて。泣いてるみんなに笑いかけて、あたしは死んだんだ。
で、次に目が覚めたらリズリア・シャンティーになっていたわけ。
いやぁ、最初はまっさかぁ……なんて思ったけど。現実でした。
父、ラルキア・シャンティー。シャンティー公爵家現当主。ハチミツ色の髪に、ダークブルーの瞳。涼しげな顔はにこりとも笑わず、通称・氷の公爵と影で囁かれている。
母、メイシィー・シャンティー。元侯爵令嬢。ダークブラウンの髪に、榛色の瞳。どちらかと言えば地味な容姿がコンプレックスで、癇癪もち。
そして、あたしの名前がリズリア・シャンティー。現在3才。透き通るような銀髪に、父譲りの瞳と母譲りのたれ目。
これ全部、あたしと彼女が考えた設定だ。間違えるはずがない。だってあの日、イラスト付きでリズリアとその家族の設定を完成させたんだもん。
「はぁ……」
まさかあたしがこんな体験をするなんて。これじゃあ彼女が好きな小説の主人公みたいじゃん。
あたしは豪華なベッドの中で、幼児には似合わない、重いため息を吐いた。あぁ、体が重い。そしてダルい。
ちなみにあたしは今、高熱を出してベッドで寝ています。3日前に突然ぶっ倒れて、今朝まで意識が戻らなかったそうで……。まぁ原因は、なんの前触れもなく思い出した前世の記憶に、この幼い体が耐えられなかったことだと思われる。
でもなんで、突然思い出したんだろう。思い出すようなきっかけなんて、なかったんだけどなぁ。
「はぁ……」
……まったく。突然情報が流れ込んできたせいで、目眩に襲われて階段から転がり落ちたし、3日間生死の境をさ迷ったし、熱で体はダルいし。
だけどお陰で、10代で死ぬ運命を阻止できそうだから良しとしよう。ん? もちろん阻止しますとも。だってこのままいったら16歳で死んじゃうんだよ? あり得ないでしょ。
まずは、情報の整理だな。あたし、リズリアの設定ならわかるけど、物語の内容はざっくりとしか知らないからなぁ。忘れないうちにしっかり整理して、地道に悪い芽を摘み取っていかないと。
えーっとまず、家族設定からいこう。家族仲は最悪。お父さんは仕事人間で滅多に家にいないくて、お母さんはそんなお父さんが自分を愛してくれてないんじゃないかって、日々癇癪を起こす。そんな2人が娘を構うわけもなく、リズリアは愛情に飢えて育つ。で、その結果5才の頃にできる弟を虐める、と。
だいたいこんな感じかな。我ながらひどい設定を考えたもんだよね。これじゃあ性格ひん曲がって、悪女になるのもしかたがないというか……。
だけどね、こんなことを考えたアタシが言えた義理じゃないんだけどね、現実はもっとひどいんだよね。だって、この3年間の記憶を探ったら、両親と会ったの誕生日の時だけなんだよ? つまり3回。
そりゃグレるよね。弟虐めるよね。同情するよほんと。
まぁ話を戻して。確か弟ができてしばらくしてから、リズリアに婚約者ができるはず。ここら辺は彼女が考えたからなぁ……。詳しい時期はわからないけど、たぶんそこら辺。相手は第2王子で、リズリアは一目惚れしちゃうんだって。
で、めでたく第2王子の婚約者になったことで調子にのったリズリアは、弟虐めがひどくなるわ、ワガママに磨きがかかるわ。今まで以上に手がつけられなくなって、関わりたくない令嬢としてその名を世間に轟かせるわけだ。
それから数年後。14歳になり、王立の学園に入学する。そこから物語が始まるんだよね。主人公を虐めて、虐めて、虐め倒して。立派な悪女を勤めあげたリズリアは、第2王子と主人公、そしてリズリアを憎む弟と、その他数名の手によって、公然の場で糾弾される。その結果、婚約破棄、身分剥奪、幽閉って流れになる。
その後リズリアは死んじゃうんだけど……理由はなんだったかな? 彼女が言ってた気がするんだけど。う~ん……忘れちゃった。
まぁ何にせよ、悪女にならなければそんな結果にはならないんだから、悪女にならないように頑張ればいいんだよね。
その為には、まず両親をどうにかしないと。両親の仲を取り持って、めちゃくちゃ愛されるようにもってって。そしたらあたしだってひねくれたりしないもんね。
あとは弟をめちゃくちゃ可愛がる? う~ん……。あたしお兄ちゃんしかいなかったからなぁ。年下の扱い方とかってまったくわからないんだよねぇ……。どうしよう。とりあえず、優しくしとけば問題ないかな?
うん、こんなもんかな。とりあえずしばらくはこんな感じで頑張ろう。
と、いうことで。早速行動開始かな。
あたしは重たい体を動かして、ベッドの中でくるりと丸くなった。そして……。
「っ……。ひっく…………ふぇ、っ……」
小さな手でシーツを握りしめて、幼い子には似合わない、圧し殺したような泣きかたをする。体が幼いせいか、それとも熱のせいか、涙は簡単に出てきた。あとはメイドさんが気づいてくれるまで泣き続けるだけ。
…………早く気づいてくれるといいな。いくら幼児でも、そんなに長時間は泣き続けられないと思うし。それに、そんなに泣いたら目がぼっこり腫れるし。
しくしく泣きながら、早く誰か来ないかなぁなんて考えていたら、小さなノック音が聞こえた。
「失礼しま……お嬢様?!」
驚いたような若い女性の声に、あたしは内心ほくそ笑む。そして駆け寄ってくる足音を聞きながら、今度は圧し殺さずに本気で泣く。傍に来たメイドさんが、掛け布団を捲ろうとするけど、そうはさせない。ぎゅっとシーツを握りしめて、丸くなる。
「お嬢様? 頭が痛いのですか? それとも、気持ちが悪いのですか?」
「うぇーん…………っく………うぁーん……」
「お嬢様。お顔を見せてくださいな」
「ふぇっ……。やー、なのっ…………うぁーん……」
意地でもシーツを離さないあたしに、メイドさんが困っているのが伝わってくる。メイドさんなら簡単に剥がせるだろうに、それをしないのはさすがだと思う。
「うぁーん」
「お嬢様。どうして泣いておられるのか、シュナに教えてはくれませんか?」
「うぇーん」
「お嬢様」
「……っおとーたま。ひっく……おかーたま」
掛け布団越しに、優しく撫でてくれるメイドさんに、あたしは小さな声で両親を呼んだ。ピタリと撫でる手が止まる。
「……旦那様と、奥様に、お会いしたいのですか?」
さっきまでとは少し違ったメイドさんの声色に、あたしはしゃくりあげながら、そろそろと顔を出した。涙でグショグショの顔が、外気にさらされて少しヒリヒリする。
メイドさんは、緊張と戸惑いと悲しみをない交ぜにしたような瞳で、あたしを見ていた。
「っふぇ……あえゆ、のっ?」
「っ……」
期待を滲ませた弱々しい声に、メイドさんは息を詰まらせた。だけどすぐに優し気な笑みを浮かべ、静かに口を開く。
「申し訳ありません、お嬢様。旦那様も、奥様も、大変お忙しいのです」
「ひっく……。おとーたま、っおかーたまぁ……」
「お嬢様……。元気になられましたら。元気になられましたら、旦那様と、奥様に、会いに行かれましょうね」
「ふぇーん」
再び泣き出すあたしに、メイドは目を潤ませ、優しく涙を拭ってくれた。
う~む。メイドさんの反応を見る限り、両親に会うのはなかなか難しそうだ。あたしが思ってるより、家族の溝は深いのかもしれない。でもまぁ弟が来るまであと2年? 死なないために、地道に頑張ります!
とりあえず、ほら。このメイドさんがあたしの可愛さにノックアウトされたのは、間違いないよね。うん、じゅんちょー、じゅんちょー。
あたしはしくしく泣きながら、上がってきた熱のせいで、ゆっくりと意識を手放した。
それから4日間。なかなか下がらない熱に浮かされながらも、隙あらばうるうるお目目で両親に会いたいと訴え続けた。その甲斐あって最初に会ったメイドさん、シュナを筆頭に、カロン、ジーナ、ヴィチカの計4人が味方になった。
そして今日。ようやく熱が下がったあたしは、ついさっきお医者さんから、ベッドから出る許可をもぎ取ることに成功しました!
この4日間、幼児の体にはきつい高熱と戦いながらも、専属メイドの4人を攻略したんだもん。次はいよいよお母さんだよね。ということで。
「ねー、ねー。しゅな」
あたしの銀髪を、優しく鋤いてくれているシュナを見上げる。
「あにょね、うんちょね、……リー、おかーたまに、あえゆ?」
うまく回らない舌でゆっくりとお願いするあたしに、シュナは一瞬動揺し、だけどすぐにふわりと笑った。
「では、お着替えをしなくてはいけませんね」
「あい!」
準備はあっという間だった。シュナが小さなベルを鳴らすと、隣の部屋からジーナとヴィチカが出てきて、ジーナはドレスを選びに、ヴィチカはシュナに何かを言われて部屋を出ていった。ちなみにカロンは今日、お休みだ。
本当にあっという間で、ヴィチカが戻ってきた頃には、桃色のふんわりしたドレスに身を包み、編み込みのハーフアップで可愛く仕上がったあたしが完成していた。
シュナに手を繋がれてたどり着いた場所は、四阿だった。
「……あら、本当に来たのね」
チラリとあたしを見て、興味なさそうに呟いたのは、ダークブラウンの髪をふんわりと上品にまとめあげた、少しふっくらした女性。あたしのお母様だ。
お母さんに会っての感想は、えっ若!だ。だってジーナより若い。ジーナは4人のメイドさんの中で一番若くて、たぶん20代前半。そんなジーナより若いって……。いや確かに設定したのはあたしだけど。あー、でも物語がスタートする約10年前だもんね。そりゃ若いよね。
ぽけーっと見上げるあたしに、興味が失せたのか、いや最初っから興味なんてなかったか。意識を向けられただけ、ましかな? 物憂げな表情で、お茶を飲んでいるお母さん。
なんだかまるっと存在を無視されてるけど、親子関係改善のために頑張ります!
「おかーたま、リーね、もーげんきよ」
「……そう」
「おねちゅ、ないのよ」
「……よかったわね」
「おかーたま、リーね、おかーたま、だいちゅきよ」
「……そう」
「おかーたまは?」
「……そうね」
「おかーたま、リーのこと、ちゅき?」
「……そうね」
「えへへ。おかーたま、だいちゅき!」
「……そう」
傍に寄って、ニコニコと満面の笑みで見上げるあたしを一切見ることなく、心ここにあらずな状態で生返事をしていたお母さんは、後ろに控えていたメイドさんに「部屋に戻るわ」と言って四阿を去った。
最後まで、あたしを視界に入れることなく。
「……」
黙りこくってお母さんが消えた方を見つめるあたしを、シュナが痛ましげに見ているのを背中に感じる。
なんというか……うん。普通の3才児だったら耐えられないよね。確実に泣いてる。というかあたしも、気持ちが幼児の体に引きずられて泣きそう。
こんなんで本当に仲良し家族になれるのかな。お母さんであれなんだもん。お父さんなんてもっと強敵でしょ。
だけど弟が来るまでのあと2年で、仲良し家族になってないと。愛情いっぱいの家族になって、お父さんには親バカになってもらわないと。そうすれば、第2王子の婚約者になんてならなくてすむかもしれないし。
頑張れあたし。負けるなあたし。大丈夫。戦いはまだ始まったばかりだから。焦らず、ゆっくり。
あたしはシュナにへにゃりと笑いかけると、手を繋いで部屋に戻った。
それから毎日、お母さんに会いに行った。お母さんはすぐに退出しちゃうから、1回の時間は少ないけど、少しずつ1日に会う回数を増やしていった。お昼ご飯を一緒にしたり、ティータイムに突撃したり、おやつの時間にお邪魔したり。
毎度しゃべっているのはあたしだけで、相変わらずお母さんは心ここにあらずだけど。それでも少しずつ、その瞳にあたしを映してくれるようになったのは、あたしの気のせいじゃないと思う。
そんな感じで約1ヶ月。いつものように、おやつの時間にやって来たあたしを、お母さんが初めて、しっかりと瞳に映した。
「おかーたま、きょうのおやちゅは」
「っで」
「へ?」
「なんであなたなのよ!」
いつもはぼんやりとした瞳に、めらめらと怒りを点してあたしを睨み付けるお母さん。
「おかーたま……?」
「なんで! なんで! なんであなたなのよ! どうしてその目でわたくしを見るの? あの人は見てくれないのに! どうしてあなたがわたくしを見るのよ!」
今まであたしの前では起こさなかった癇癪を起こすお母さん。メイドさんたちは青ざめ、カロンがあたしを部屋から連れ出そうとする。だけどあたしはその手を振りほどいて、恐る恐るといった様子でお母さんに近づいた。ギラギラとした瞳が、あたしだけを映す。
「おかーたま」
「どうして。あの人はわたくしを見てくれないのに。あの人はわたくしを愛してくれないのに! どうしてあなたがあの人と同じ目を持っているの? どうしてあなたがわたくしを見るの? どうしてあなたが!」
「おかーたま。リーはおかーたまが、だいちゅきよ」
「っ……」
「おかーたま、だいちゅきなのよ」
真っ直ぐと瞳を見つめ、ゆっくり語りかける。息を飲んだお母さんの目から、涙がこぼれた。
「だーじょぶよ。リーは、おかーたまが、だいちゅきなのよ」
何度も何度も、言い聞かせるように。
目を見開いて固まっていたお母さんが、ガクンとその場に崩れ落ちた。今まで少し離れた位置で様子を伺っていたメイドさんが、慌ててお母さんに駆け寄るも、お母さんは驚いたようにあたしを見つめ続ける。
やがて、震える唇を動かして、消え入りそうな声であたしの名を呼んだ。
「リズリア…………っ! リズリア。……わたくしの、わたくしの子ども。っリズ。……リズリア」
そしてメイドさんの手を振り払って、よろよろと近付いてくるお母さん。何度も、何度も、あたしの名前を呼びながら。
あたしの前まで来ると、膝をついて、恐る恐る両手を伸ばしてきた。あたしの顔色を伺いながら、そっと。あたしが拒まないとわかると、その両腕でそっとあたしを抱き締めた。
「リズ。リズリア。ごめんなさい。ごめんなさい、リズリア。わたくしのリズリア。ごめんなさい」
泣きながら謝るお母さんに、あたしはそっと抱き締め返した。一瞬お母さんの体が強張ったけど、すぐにさっきよりも強く抱き締め返された。泣き声もさっきよりひどくなる。
お母さんはたぶん、寂しかったんだと思う。若くして結婚して、旦那さんは仕事人間で、その上政略結婚で。自分は旦那さんを愛しているけど、旦那さんの気持ちは一切わからない。ただでさえ公爵家に嫁いだというプレッシャーが大きいのに、不安だらけの毎日。相談できる相手もいなくて、いっぱいいっぱいで。
そんな状態で、子育てなんてできるわけもなくて、自分のことだけで精一杯だったんだと思う。命を懸けて産んだあたしを忘れてしまうほどに。
それはけっして誉められることじゃないけど、たぶん、しょうがなかったんだと思う。んー、マリッジブルーが解決しないまま結婚式がすんじゃって、そのままマタニティーブルーまできちゃって、解決するどころかひどくなって、鬱になっちゃった、って感じ?
でもまぁとりあえず、お母さん攻略成功、かな?
「おかーたま」
「なぁに、リズ」
「おかーたまは、なんちゃい? リーはね、……さんちゃ!」
「そう……もう3才なのね」
「おかーたま?」
「いえ、なんでもないわ。わたくしは19歳よ」
その後落ち着いてからした会話に、あたしが衝撃を受けて気を失ったのはまた別のお話。
【(下)につづく】
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