75 / 97
映し現せ
しおりを挟む「《咲け、玉の華》」
いつも通りに防御壁を張った後、神杖をクルクルと回して考える。
MPは無駄遣い出来るほど残っていないし、今使っている魔法を維持するのに2分の1取られていると考えていいので、効率的に使う必要がある。
「《咲け、玉の華》」
取り敢えず、今は作戦を考える時間である。
防御壁を張って自身を守るだけのMP消費は許可できる。
「カイトはどう動いたら戦いやすいか、だよね」
虎との戦闘はリーフフィアだけの戦闘ではない。カイトと連携した戦闘となる。
リーフフィアだけで倒す方法ではなく、カイトと共に虎を倒す作戦を立てなければならない。
「っと、あぶなっ」
考え事をしていたせいか、巨大虎が近くにいることに気が付かずにギリギリで回避することに成功する。
「ありがと」
リーフフィアの服に群がり、羽を揺らして蝶がリーフフィアを持ち上げて空を飛ぶことで何とか回避したのだった。
蝶に感謝し、上から魔法を当てる。
虎の魔法抵抗値は高くないようで、魔法攻撃でHPが削れるのは削れる。
ただ、そこまで削れるわけではない。微妙な感じだ。
「隙を作るしかない」
となると、目眩し用の魔法を使うしかないだろう。
「《星海》」
蝶達に地面に下ろしてもらう。
神杖を中心として黒い闇が広がっていく。
「《映せ、空の光を。映せ、星の輝きを》」
リーフフィアが紡ぎ出す言葉と共に、足元で広がる黒い闇に空で輝く星が映り出す。
リーフフィアが一歩足を進めると、水が波立てる音が聞こえた。
虎が大きく1度だけ鳴き、リーフフィアに向かって飛びかかる。
「《映し現せ》」
「リーフィ!」
リーフフィアに襲いかかった虎の牙に彼女はかかったと思われた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
15
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる