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ねこまの戦い方

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 会話をしていたリーフフィアに耳に飛び込んでくる音。

 その音を聞いたリーフフィアは、聞こえた音の様子から方向と距離を瞬時に頭で計算して駆け出した。

「リーフィ⁉︎」
「階層主、見つけました!」

 リーフフィアの報告を聞いた全員が頷いて、リーフフィアの後を追う。

「どこ?」
「このまま真っ直ぐ、あと5メートル」
「了解」

 リーフフィアに居場所を聞いたカイトは、木の上に上がってさっさと先に進んでいく。

「【アップスタート】」

 ねこまが呟くと、ねこまが持っていた槍は旗に代わり、胸元には様々な勲章をつけている。

「【インペリアルガード】」

 ネズが言うと、彼の持っていた短剣が長剣に変わる。

 そのまま木を抜けると、大きな虎と小型の虎、そしてそれらに群がる多くの蝶や蜻蛉がいた。

「【デットアーミー】」

 ねこまが言い、旗の石突きを地面につけると、そこから兵士がどんどん編み出されていく。

「小虎、片付け」

 ねこまが命じると、兵士たちは隊列を組み、虎を倒しにかかる。

「これが、ねこまの」

 初めてねこまの戦い方を見たので、驚く。

 そして、ねこまの戦い方を理解したリーフフィアはねこま達が戦いやすいようにいくつもの魔法を使う。

「【箱庭世界】《兵隊蟻》【月華草】《巨大化》」

 巨大化されても可愛らしい蟻がぞろぞろと出てくる。

 リーフフィアが魔法で編み出したモノは全て、強さは分からないが、外見はリーフフィアの想像通りに作れるらしい。

 よって、蟻が何というか、保育園児か小学生並みの可愛さで出てくるのである。

 可愛らしい蟻に比べて、美しい月華草は真っ直ぐ上へと、凛と誇るかのように、伸びる。

 月華草の効果によって、可愛らしい蟻が自由に動けなくなっていく。

 意識も理性も何もかもが、月華草に操られ、【箱庭世界】によってリーフフィアの指揮下に置かれてしまう。

 それを確認したリーフフィアは、にっこりと笑った。

「全軍に告ぐ。ねこまに従いなさい!」

 胸の前で右に手を振ったリーフフィアは、カイトの元へと走り出し、ねこまに叫んだ。

「あとは頼んだ!」
「了解」

 ねこまとすれ違い様に1度だけハイタッチをする。

「カイト!」
「リーフィ!」

 カイトに襲い掛かろうとしていた虎に、上から杖でぶっ叩く。

 虎は上からの攻撃を予測していなかったのか、まともに喰らい、地面に沈む。

 しかし、ダメージエフェクトは飛ぶことはない。

「チッ、阿保みたいに固い」

 誰にも気付かれないようにこっそりと舌打ちをする。

 攻撃を受けた虎は、標的をカイトからリーフフィアへと変える。

 リーフフィアに対して大きな雄叫びをあげた虎を見て、リーフフィアが一言だけ発した。

「いいよ、ボクが相手をしてあげる」

 交戦的な笑みを浮かべたリーフフィアは、とても楽しそうな声を響かせた。
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