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緊急招集
しおりを挟むリーフフィアが仕事を猛スピードで終わらせ、ゲームに顔を出すために冥界に向かうとそこには全員揃って気合を入れていた。
「……こんにちは。緊急招集かかってびっくりしたんですけど、何かあったんですか?」
その気合の入れようがちょっと怖かったため、後ろに下がりながら尋ねた。
「お、リーちゃん、いらっしゃい。今から2層に皆で行こうと思うんだけど、一緒に行かない?」
レイブンが気楽に手をあげて尋ねてくる。
「因みに、俺とカイトで攻略&観光済み」
「付き合わされた」
リーフフィアがペアであるカイトの姿を探すと、カイトがげっそりとした顔をして、机にへばっていた。
「重要ポイントとギルド認証アイテム、ギルドの拠点は回収済みだぜ」
「仕事が早いですね」
レイブンの仕事が早くて驚く。
レイブンは当然、と言わんばかりに笑っていた。
「一昨日から2層に通じるダンジョン前に張って、メンテ終わってすぐに攻略したから」
「暇ですか?」
「わざわざ、カイトにも無理矢理休み取らせて、俺も休みとった」
ふっふっふ、とそこの悪そうな笑みで笑っている。
「コレー姉さんとねこまは知ってたの?」
「いいえ、全く。お陰で、デートをすっぽかされましたけど。まあ、2層でデートするからいいとするわ」
コレーはちょっと拗ねていたが、現実ではなく2層でデートすると約束したらしく、機嫌が治っている。
その様子を見て、レイブンがだいぶ安心していた。
「ねこまも、知らない。ただ、兄様、食事だけは、してた」
食事をしてなかったら、今すぐログアウトさせて口に詰め込んでもらわないといけなかった。
「長時間入って大丈夫なんですか?」
「大丈夫。前も長い間やってたし」
カイトと比べると、レイブンは超元気だ。
カイトからエネルギーを吸い取っているんじゃないかと疑えるくらいに元気である。
リーフフィアはカイトの近くに行き、顔を覗き込んだ。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃない、って言いたいけど、リーフィの顔見たら元気出た気がする」
言葉とは裏腹に、顔はげっそりしたままなので、無理はしてほしくない。
「無理しないでくださいね」
「そこら辺は大丈夫」
がばっと起き上がったカイトはぱちんと頬を軽く叩いていた。
「よし。で、リーフィはどうする?ユニーク武器が欲しんだったら、1人攻略かな。多分、まだ誰も1人で攻略してないはずだよ」
カイトの言葉を聞いて、リーフフィアは即答した。
「一緒に行きます」
「ユニーク武器は大丈夫?」
「持ってますから」
神様からもらったユニーク武器よりも性能がいいのであれば考えるが、絶対神様の物の方が性能がいいに決まってる。
「これよりも凄かったら考えます」
「それはない」
レイブンに断言されてしまう。
「そんな物がホイホイ出されたら困る」
「ですよね」
リーフフィアもレイブンの意見に賛成だった。
こんなアホ性能のものがポンポン出てきたら困る。
「じゃあ、行くか」
改めてパーティーを組み直し、6人体制での戦いとなる。
「前衛欲しいな~」
「見つけに行くしかないっすね」
レイブンが無いものねだりをするが、ネズに一蹴されて終わる。
「アイテム使いましょうか?」
「だな、コレー、瞬間移動できるようなアイテムないか?」
「言うと思って、新しく作ったわ。はい」
「サンキュ」
コレーはレイブンに渡したのは、
「お札?」
札だった。
しかし、ただの札ではなさそうで、陰陽道とか悪霊を封じ込めるときに使う札に似ていた。
「転移の札だよ。行ったことがある場所に1度だけ転移できる有能な札。レイブンよりも役に立つかもね」
「いや、絶対俺の方が役に立つから」
初めて見て、どんなアイテムか分からないリーフフィアにカイトが教えてくれる。
「皆準備は?」
レイブンの掛け声に、全員で頷く。
その様子を見たレイブンが、転移の札を使った。
ダンジョンでボスを倒した時のように、魔法陣が床に広がる。
「皆、乗った乗った」
6人が急いで魔法陣の上に立つと、一段と眩しくなってリーフフィアは目を閉じた。
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