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え?

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ーギャァァァァァァァァァァ!ー

 鷲の声が煩すぎて、つい耳を塞いでしまう。

「ウィンドイーグルだ!気をつけろ!」

 パーティーを組んでエネミー討伐に来ていたのか、グループの中で大楯使い且つ1番年上っぽい人が声をあげる。

 鷲が飛びながら、風魔法を構成している。

「風魔法で攻撃してくるぞ!防御は任せろ!」

 盾の人の後ろに隠れたメンバーが、盾の人に向かってアイテムを使いまくる。

「っく、行け!1度攻撃したら準備がいるはずだ!」

 盾の人が防ぎ終わったところで、後ろに隠れていた剣士達が前に出て鷲を斬りつける。

 しかし、鷲は強いのか、鷲のHPゲージはほとんで削れていない。

「あの鷲、そんなに強いんですか?」

 3人がかりで挑んでいるが、なかなか削れていない。

「いや、そこまで硬くないはずだけど。魔法と物理攻撃カットを持ってるからかな?」

 カイトが首を捻っている。

「……攻撃力低下が掛けられてる」

 カイトの右目が虹色に変わる。

「え?カイトの目が壊れた?」

 リーフフィアはカイトの目が虹色に変わったのを見て絶句した。

 綺麗で優しそうな藍色の瞳がどうして虹色に変わったのだろうか?

 どうやったらあの藍色に戻るのだろう?

「壊れてないよ。それにしても」

 カイトは虹と藍色の目でリーフフィアを見た。

「怖くないの?」
「藍色の目の方が優しそうで好きです。虹色の方は綺麗だとは思いますが、目がチカチカしてそろそろ目が痛いです」

 瞳の色が変わったことに対して、目がチカチカして痛いと言うような人間はそうそういないだろうと思うが、普通に思った感想だった。

「瞳が変わったからと言って、カイトはカイトのままです……あれ?虹彩認証って瞳でしたっけ?虹色だと虹彩認証で認証されなくなりません?」

 リーフフィアの興味は、カイトの瞳の色が変わったことから、瞳の色が変わっても虹彩認証できるのかどうかに移っていた。

「っふ、ふふふ、あははは!」

 カイトが鷲にバレることも気にせずに大声で笑い出した。

「あはははっ!ふふっ」

 カイトの笑い声によって、鷲の注意がパーティーからリーフフィア達に移される。

「ちょっ、鷲、こっち来たんですけど⁉︎」
「あはははっ」

 リーフフィアがカイトの身体を揺すっても、カイトは笑い続けているだけ。

「死ぬ、死にますよ!来たぁ!」

 リーフフィアは、木の上からカイトを置いて飛び降りることもできないし、鷲は迫って来るしでほぼ涙目である。

「風魔法こっちに飛ばそうとしてるんですけど⁉︎」

 リーフフィアは絶体絶命のピンチだと思いながらも、自身が何とかするしかないと神杖を握りしめた。
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