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これから忙しくなりそうだ
しおりを挟む目を覚ましたリーフフィアがいた場所は、洞窟の最奥部、行き止まりの部屋だった。
「カイト!」
「ここにいる」
ばっと上体を起こしたリーフフィアの隣で優しげなカイトの声が聞こえる。
カイトの声を聞いたリーフフィアは安心して、一息ついた。
カイトとはぐれたらどうしようか、と思ったのだ。
「伝えないといけない事が」
「分かってる。体の自由はなかったけど、話は聞いたからね。皆にはチャット済み」
リーフフィアよりも先に起きたカイトは、リーフフィアが行わないといけなかった色々なことをやっておいてくれたらしい。
「ありがとう」
「大丈夫」
カイトはリーフフィアの前に立ち、手を差し伸べる。
リーフフィアはカイトの手を取って立ち上がった。
「詳しい話は終わらせたから、本格的な話し合いはイベント後に」
「うん」
カイトの提案に賛成し、頷いたリーフフィアはカイトからそろそろログアウトするように言われる。
「疲れているだろうから、もう止めた方がいいよ。僕ら以外の皆はもうログアウトしたみたいだし」
「うん、分かった。ありがとう」
リーフフィアはカイトの勧めに従ってログアウトするためにパネルを開く。
「またね」
「また」
リーフフィアの姿は、エフェクトと共に消えた。
それを手を振って見送っていたカイトは、完全に消えたことを確認して、大きく息を吐いて呟いた。
「これから忙しくなりそうだ」
ふっと楽しそうな笑みを浮かべて、洞窟の出口へと向かった。
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