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俺らの敵は
しおりを挟む「はいはい、全員注目!」
レイブンが2回ほど手を叩いて、全員に注意を呼びかける。
全員がレイブンの方を向いたところで、彼は話を続けた。
「俺らの共通の敵は、3つ!」
レイブンが楽しそうにニヤリと笑う。
「九曜、七曜、キングだ!」
レイブンは全員と一度以上目を合わせて言葉を続ける。
「皆、何かあと報告することは?」
「あ」
リーフフィアが、一つ思い出す。
神様が言っていた大切なことを忘れているところだった。
「はい」
あ、と声を上げた時点で全員の注目が集まり、話すように視線を向けられていたのだが、何となく手を挙げる。
「うん、リーちゃん。何故手を上げた?」
話して良いんだよ、と言わんばかりの温かい視線を向けていたレイブンが問いかける。
「挙手制なのかな、と思いまして」
「あ、はい。どうぞ、報告をお願いします」
レイブンが、何かに納得したようで素直に引き下がる。
「神様が言ってて、もしかしたら私だけなのかもしれないけど、昼間に出歩くのは危険らしい、です」
神様からの忠告その1がこれだった気がする。
「昼間は、七曜の領域?権限?が強いらしい、です」
逆に夜は神様の力が強いんだとか。
神様の話のあとから色々ありすぎて、正直話の内容を忘れかけている。
「あと、八十八座の元に行けとも。きっと力になってくれるからって」
八十八座の元に行かないといけないのは私だけじゃないはずだ。
きっと、皆もそれぞれ行った方がいいに違いない。
「八十八座は夜空に住んでいることだけは教えてもらったから、少しずつにはなると思うけど」
隠れているらしいから、見つけるのは大変だと思って良い。
でも、私たちはその点有利だ。
「私の魔法で、夜にできるから、その間に探してもいいと思う」
ここからは私の予想だが、彼らは誰にでも力を貸すわけではないと思う。
力を貸すのは、私たちみたいに、彼らの仲間である神様の指輪を持っているプレイヤーだけ。
「ん~」
カイトが頭を捻っているのを疑問に思う。
「どうかしたのか、カイト」
レイブンも気になったのだろう。カイトに悩んでいる理由を尋ねていた。
「本当に夜の中にいるのかな、と。もしかしたら、彼らがいる階層と僕らがいる階層、もしくは世界が違うとかないのかなって」
「つまり、別の階層にいるってことか?」
レイブンが簡単にまとめた。
「そう。もしくは神様に2度目に遭った時みたいに別の場所にいるっていう感じなのかもしれないと思って」
カイトが簡単に説明しているが、本当にそういうことがあり得るのかと言われると分からないらしい。
「まあ、怪しいな~っていうぐらいだから、気にしなくても良いと思うよ」
カイトはごめんね、と言わんばかりに言葉を付け足す。
「いえ、私も八十八座のいる場所は〈夜空〉だとしか聞いてないんです。確証のない話をすみません」
夜空であれば、無数に存在する。
1階層で陽が沈んだ後の夜空かもしれないし、どこかの階層が夜空の階層なのかもしれない。
「それに、私が夜にできる範囲も限られてますから」
リーフフィアが【昼夜反転】できる範囲は、リーフフィアを中心として、森がすっぽり入るくらいの大きさしかない。
その中狭い中で、八十八座が見つかるかと聞かれれば、少し怪しかった。
「じゃあ、八十八座は探して行くって感じでいいな」
レイブンがリーフフィアとカイトの話をまとめて終わる。
そうして、次のことへと移る。
「それから、外に出るときは2人1組が必須だから」
さらりと言った後、リーフフィアの方をじっと見る。
「取り敢えず、リーちゃん、どうする?」
「何がですか?」
リーフフィアはなぜ疑問視されているのか分からなかった。
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