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君に、願いがあるんだ
しおりを挟む「話をしていいかな?」
女性陣が服の可愛さをとことん話し合っていたところに、カイトが咳払いをして視線を集めた。
「その指輪は、神の指輪だ。その指輪の数だけ神を倒したことになる」
「え?」
つまり、この階層に閉じ込められていた神は大量にいることになる。
「僕らの予想では、この階層に多くの神がいる予定なんだ」
カイトが自身がつけている指輪を見せながら言う。
「でも、本来救わないといけない神は各階層に一体だけだと思う」
本来救わないといけない神?
リーフフィアは分かったような分からないような微妙な感じとなる。
「君は神様から“七曜”の話を聞いた?」
「はい」
神様はリーフフィアに、気をつけるのは七曜だと言ったはずだ。
「僕らは、僕らの神から“七曜”と“九曜”の話を聞いた」
カイトは真剣な顔をして話を進める。
「九曜は七曜の下っ端。七曜の眷属が九曜だと思えばいい」
カイトは彼のインベントリから見覚えのある古い紙を取り出す。
「それ!」
「見覚えがあるみたいだね。でも、これは君が持っているものとは違う」
とんとんと紙を指で叩きながら言う。
「これは、ギリシア神話の登場人物。それらの居場所が書かれた紙。九曜に対抗できる神の居場所を示した物だ」
リーフフィアはインベントリから同じように古い紙を出して机の上に置く。
「じゃあ、これは七曜に対抗できる神について書かれた物?」
「そうなるね」
カイトは笑顔でリーフフィアの意見に肯定した。
「僕らは神に言われた。『七曜に会ったら絶対に逃げろ。お前達では無理だ』と。『七曜を倒せるのは、アイツらだけだ』って」
カイトが古びた紙を仕舞ったので、リーフフィアも同じようにインベントリの中へと仕舞う。
「今日会ったのは、七曜の分身のようなものだ。俺たちでは倒せないと分かっていた。そして、君だけに倒せることも」
申し訳なさそうな顔をしながら、カイトが笑う。
「君に、願いがあるんだ」
レイブン以外のメンバーが全員、カイトの後ろに真剣な顔をして立った。
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