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お前が行け
しおりを挟む「あれ?謎美少女ちゃんって“七曜”のこと、聞いてないの?」
鞘に入った双剣を背中に装備している男性が、あれ?という感じの、疑問しかないように聞いてくる。
が、取り敢えず、リーフフィアとしては突っ込みたいところ満載なのだが……
「謎美少女ちゃんって何ですか?」
色々あったが、まずはここからだと思う。
リーフフィア自身から見ると、自分の容姿はそれほど可愛くは見えない。
何処にでもいそうな平凡な感じの女子高生の顔でしかない。
「それは、あと!カイト、ちょっと攻撃頼むわ」
「え、やだ。お前が行け」
どさっと空中庭園から双剣の男性が落とされる。
そう、文字通り落とされたのだ。
弓を持った男性に背中を押されて、無様にも落ちていったのだ。
「え?え?大丈夫ですか⁉︎落下ダメージとかあると思うんですけど⁉︎」
「大丈夫だよ。あいつ、これくらいで死なないから」
空中庭園から弓を引き絞り、手を離す。
矢は、下に向かって真っ直ぐに飛んでいく。
「お、当たったね。図体がデカイと当てやすくて助かる」
矢が当たったかどうか、空中庭園からは小さすぎて見えないのに、男性は何故か当たったと言う。
「……加勢します!」
取り敢えず、話は後で、このよく分からない謎エネミーを倒す必要があった。
「あまり聞きたくないんですが、因みにアレってアレですか?」
リーフフィアはMPを使って落とされた男性と弓使いの男性に支援魔法をかけながら、矢を番えている男性に尋ねる。
「一般的な人が嫌いなヤツかな」
5本ほどの矢を一気に弓で引いて撃っている男性は、手を止めることなく答えてくれた。
「“G”がつくヤツですよね。テカテカしてる」
「そ」
簡潔な男性の返事を聞いて、リーフフィアはいくつの案を頭の中で叩き出す。
「案はいくつかありますが、一発で仕留めるのと地道にこつこつと殺るの、どちらがお好みですか?」
リーフフィアが叩き出した案の中で1番いいものと1番嫌なものを提示する。
「アレね、回復持ってるの。なかなか殺せなくて、今までは階層の端の方を犠牲にしてたんだよね。だから、僕だったら超高温で燃やす」
「分かりました。もう1人の男性と連絡取れますか?」
今のままリーフフィアが森を燃やしても良いのだが、そうしてしまうとリーフフィアの魔法で弓使いの男性に落とされた双剣の男性がkillされてしまう。
まあ、もしパーティーを組んだとしても、男性が避難しなければ、燃える森の炎で焼け死んでしまうのだが。
「ん~……承認して?」
「あ、はい」
リーフフィア個人のチャットにメッセージが届き、隣の男性と思われる人から、チャット上にパーティー承認の文字が現れる。
「承認しました」
「了解。あ」
「?どうかしました?」
いきなり、何かを思い出したような声を上げた男性を疑問に思う。
「どうやってレイブンをここまで引き揚げようかなと思って」
「あ」
2人とも何も考えていなかったので、乾いた笑みが空に響き渡った。
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