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うっわ、最悪。帰りたい

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 淡く光り輝く場所へ突入したリーフフィアは、にっこりと笑ってくるりと振り返り、元の道へ帰りたい気持ちでいっぱいになった。

 洞窟の奥は、別世界のような場所と繋がっていた。

 紫色の大きな月が空に浮かび、星があちこちで瞬いている。
 森が広がり、蝶や蜻蛉がふわふわと空を飛んでいる。
 それだけでなく、ユニコーンやペガサスなどの、幻獣が住んでいた。
 淡く光る丸い玉がふわふわと自由気ままに動いている。

 そこまではいいのだ。そこまでは。

 問題はその中心に存在するものだった。

「帰りたい」

 中心地には、如何にも封印されています感を存分に放出する者がいたのだ。

「近づいてみようか?」

 恐る恐る近寄っちゃいけないっぽい人の方へと近づいてみるが、周りの蝶や幻獣から攻撃されない。

 そっと近づき、封印されている者に話しかける。

「こんにちは」
『おや、初めまして。何年振りかの客人だね』

 その人型をしている何かは、男性か女性かわからない、中性的な声で返事をしてくれた。

 黒く、でもところどころ光り輝くドレスを着ていた。

 ドレスを着ているということは、女性なのだろうか?

 リーフフィアはどうやって会話を続ければいいのか分からなくて困る。

『ふふふ、可愛い人。私の話を聞いてくれるかい?』
「え、あ、はい」

 取り敢えず、よく分からないが、話を聞いてみることにした。
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