堕天使の黙示録-アポカリプス-

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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未来を紡ぐため

堕天使の黙示録-アポカリプス- 137話

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結果……

核は無傷、それに加えて水晶のようなものが三つ現れていた。

それから砲撃が放たれ、セラフは弾き飛ばされていた。

クレイド「セラフ!?」

リティア「大丈夫!?」

セラフ「ぐっ……悪い、しくじった。

……迷った……」

あの核を壊す=アシュレイ王女の命を絶つこと。

覚悟はしたと言っても、迷わず行けるかと言われれば…それは…

エレシー「そもそも酷な話なのよ、これ!」

レイド「こいつの起動にアシュレイ王女が使われている…」

セラフ「く…もう一回…」

フィル「待って! 今向かったらまた砲撃される!」

先に三つの水晶か…壊してる間に砲撃されないとも限らないし、

無論、他の攻撃も来るだろうから参った…

アイギス「俺達もは軽傷は無理だな…覚悟しておけ」

その時……


?????「雷光穿て…ボルトレイン!」


クレイド「っ!?」

どこからか放たれた魔法が水晶の一つを破壊した。


?????「捕えろ…シャドウランス!」


レイド「……これは……」

また一つ、水晶を破壊した。


?????「堕翼技・暗雲失楽葬!!」


その声と同時に、殺神の頭上の水晶を貫いた。その姿は間違いなかった。

リティア「……ディアルト!!」

水晶を破壊すると同時に、セラフ達の後ろへ飛びのいた。

セラフ「ディアルト…お前…」

アイギス「生きてたのか…」

ディアルト「俺はまだ万全じゃない…後は任せるからな」

エレシー「そんな状態で来たわけ!?」

ラヴィア「でも、良かった…」

気が付いたら、核にまた膜が現れている。

ディアルト「……アシュレイ王女は何でお前らを逃がした!?

あいつを救うにはお前らが殺神を壊すしかない!

覚悟を決めろ! 俺が開いた道、無駄にするなよ! …行け! セラフ!」

そう言われてハッとした。

セラフ「ああ……! …みんな、殺神の完全消滅に関しては僕とフィルに考えがある」

フィル「何とか私達に繋げて!」

クレイド「策があるんだな?」

リティア「だったら、任せてっ」

レイド「俺達は後を考えずに全力で撃ち込む」

エレシー「後は頼んだからねっ」

アイギス「次に迷ったら承知しないぞ」

ラヴィア「私達でセラフさんとフィルさんに繋げます…!」

ディアルト「そう言う事なら、撃ち込んだ奴は俺の後ろに下がれ。

降りかかる攻撃からは守ってやる…」


さっきまでの攻撃で殺神自体はかなり弱っている。

核のせいで、あと一歩破壊に届かないだけだ。

ラヴィア「私は前に進みます…お兄ちゃんと一緒に、亡くなった方の分も!

皆さん、後はお願いします!

闇術飛翔・ミッドナイト・プレギエーラ!」

ラヴィアの強化。今の状態で最大奥義でいけば、何とか届く。

全魔力使ったのだろう。普段の強化より強くなれてる気がする。

これでまたしくじれば、次は無い。最後の一撃だ。

アイギス「嫉妬からどん底まで堕ちた俺だが、今、掛け替えのない仲間を得た!

この世界を滅ぼすというなら容赦はしない!

水術飛翔・ヴォーテックス・アサールト!」

ラズルシャーチ「! マダ…コンナニ…ドウシテ、抗ウ」

アイギス「抗わない理由がないだろう…!」

ラヴィア「セラフさん、フィルさん、アシュレイ王女をお願いします…っ」

殺神の攻撃は範囲が基本的に広い。が、ディアルトが守ってくれてるから、

動けない人も何とか無事だ。

エレシー「私はこの世界で生きていく。そうトランスと約束したから!

あの子の分も、私は未来を見る!

炎術飛翔・ボルカノン・エタンセル!」

レイド「世界には小さいながらも幸せがある。不幸の中にもな。

それを奪われたくないから、俺達はここに居る!

氷術飛翔・フリジット・ノチェブランカ!」

ラズルシャーチ「未来ナンテナイ…コノ世ニ救イナンテ絶対ニナイノニ…」

エレシー「あんたが世界を終わらせれば、それこそ救いがないわ!」

レイド「もう動けないな…後は任せたぞ、二人とも…っ」

セラフ「任された…!」

…かなり弱っては来てる。残りは四人。

最初の頃のメンバーだな。

ラズルシャーチ「滅ビハ、人類ガ望ンダ願イ…ソレガ救イニナルノニ…」

フィル「そんなことない! もちろん、全員が全員じゃないと思う!」

セラフ「だが、そのために生きたい奴らの未来まで奪っていい理由にはならない!」

リティア「私達はこの先を生きて、一人ひとりしっかり生きていくっ。

何より、愛する人と一緒に居たいから…!

風術飛翔・ミストラル・プリマベラール!」

クレイド「失った俺達の大事な人は、俺達の幸せを願ってるはずだ。

だから、俺達はここに居て、お前に立ち向かってる!

地術飛翔・グランド・カタストローフェ!」

ラズルシャーチ「人ニ何ノ価値ガアル? イツカ死スル存在ナノニ…」

クレイド「価値なんて、自分で決めるものだ。お前じゃない!」

リティア「単純に生きたい、ただそれだけ。セラフ、フィル、私達の願い、託したよ…!」

セラフ「託された…」

フィル「私達に任せて…!」

後は自分達の根性だ。降りかかってくる攻撃をフィルが堕天属性の力で振り払う。

核を守っていた膜は攻撃で消えた。今しかない。

フィル「私達が、本当の意味で世界を解放する!

光術飛翔・ルミエール・フォルトゥーナ!」

セラフ「あいつらが来世を、生きれる世界を残すためにも!

雷術飛翔・トルエノ・ガラクシアス!」

セラフとフィルの奥義が核に直撃した途端、強い光を放った。


アシュレイ『私から…天使の力が消えました…

世界を私の手で、滅ぼす事にならなくて、良かった…

やっと、お父様に会えます。

私はずっと、この日が来るのを、待っていたような気がします…

どうか皆さん、幸せになってください。

私は、今幸せですから…

ありがとう…………』


・・・・・・・

遠くから、誰かが近付いてくる気配がする。

そっちから駆けてきたのは、アシュレイだった。

まだ何も気負わずにいられた、一番明るかった、幼いころの。



アシュレイ「お父様、ただいま!」


ベイゼア『おかえり、アシュレイ』
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