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神龍剣
堕天使の黙示録-アポカリプス- 61話
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ルゥヴィーン「神龍剣だ。持って行け」
クレイド「ありがとう。まさか、連絡が行っていたとはな…」
リティア「ゼルシェード様…仕事が早すぎるよ;;;」
事の次第を軽く話したら、神龍剣をスムーズに渡してもらってしまい、
話を聞くとゼルシェードが格神竜に伝達したとの事だ。
やっぱり神(に纏わる者)同士、コンタクトはどこからでも取れるのだろうか。
エレシー「……さてと、後は、私が話さないとね。
私とトランスの…ううん、この世界、エディレスにおける悪魔の過去を」
私とトランスは昔から、悪魔という種族で生まれた。
他にも大勢仲間がいたけど…私達は何か悪事をする事なんて無かった。
いつからか、悪魔は誰かの魂を喰らわないと生きられない…と言われた。
もちろん、食べようと思えば食べられる。でも死ぬなんてありえない。
私達は、他者に対してそんな事を思った事はなかった。
だけど、恐れた人々は私達を封印したり、殺したりし始めた。
精霊の力まで借りて。
それまで普通に接してくれてたはずなのに……
トランスと私はトランスが創造した魔界に身を隠して生き延びた。
その間に悪魔は伝承となり、存在したのかも曖昧になった。
トランスの憎悪はその間ずっと膨れ続けて…今、こうなっている。
魔界に隠れたばかりの頃、私達は原因を探した。
そしたらエデンがおかしくなり始めている事を突きとめた。
…色々魔界には調べる術があったの。説明すると長くなりすぎるから省くね。
エデンがおかしい。原因がエデンの一部の者のせいなら、
仲間が殺された事は赦せないけど、今の人々に関係はない。当たるのはお門違い。
そう思った…だけど、トランスはそう思わなかった。
狂ったやつらも、それを正せないエデンも、
心が弱いゆえに変えられた運命に抗えなかった人も…みんな壊すと考え始めた。
そのうち、セイヴェールの企みに気付き、
私はトランスからフィルを殺してセイヴェールの企みを阻止しろと
邪命を受けた。
私は邪命を受けて、みんなと会う前…
ライヴ島に行って過ごしてた。
悪魔の…仲間の居城にしていた地があった場所だったから。
私が紹介した精霊たち。あの子達は私の仲間が殺された時にもいた。
だけど、その子達は心が強かったのね。
当時から、悪魔殺しには参加していなかったの。
私を悪魔だと知っても…
フワリン『はにゃ~! あの時、弟君と逃げてくれた子!』
ピーチャ『無事だったノ!』
メララ『すまないのぅ…あの時何もできなくて…』
思い出してくれた。あの時助けられなくてごめんと、謝られた。
そして私の正体は村の人に隠し続けてくれたわ。
あの子達は、エデンの歪みに対抗した子達。
アージェ達や、セラフ達と同じ…運命に抗える子。
運命や思考をエデンが塗り替えても、自己を保った存在。
神竜様…サフィオ様は私の正体をすぐに見抜いたわ。
でも、お咎めなしだった。
今思えば、この世界の異変にとっくに気付いていたのね。
そして、堕天使を殺して解決しようという短絡的な解決法を取ろうとするフェザレイと、
殺神復活をもくろむセイヴェール、どちらにもつかずに中立の立場で、
色々調べていたわ。
そこへあの日、みんなが来たの。
それからはみんなも知っての通りよ。
ルゥヴィーン「魔力が違う事と、悪属性を使った事で察しはついたが…
やはり、昔の悪魔の種だったか…我の名を知っているのも納得だ」
クレイド「やっぱり、エデンを放っては置けないな。
悪魔への急な態度変化を考えると、ダークエルフも似た感じだ」
リティア「全部…人の思考とその種の運命が捻じ曲げられたからなのね…」
そしてそれはかなり昔から始まっていたと見える。
みんなよく分からないが、ダークエルフや悪魔に対して迫害意識を持ったり、
原因は分からないが、フェザレイはセイヴェールが、セイヴェールはフェザレイが憎くなった。
ルゥヴィーン「…もうひとつ、良いだろうか。
堕天使と天使という役職についてだ。
昔は…なかったよな?」
………え?
エレシー「ええ、無かったわ。
出て来たのは、ゼフィルが堕ちて、騎士になる少し前…それが妥当かしら。
あの役職も、殺神復活の件も、争いがどこかで終わってしまわないように
エデンにいる一部の馬鹿が、ゼフィルが生み出した理よ」
何してくれてるんだ…そのせいでアシュレイ王女もフィルも危険に晒されてるって言うのか。
リティア「ねえ…エレシー…色々調べてたなら…知らない?
その…ベイゼア王の病気について…」
エレシー「ごめん、そこまでは…でも……
もしかしたら、ゼルシェード様が何か知ってるかも…戻ったら聞いてみましょ」
神様なんだよな…人の運命も見た事があるかもしれない。
捻じ曲げられてからの運命は、もはやどこでどう変わるか分からない。
正気でいる自分達の動き次第で変わるれかもしれないから。
だが、それ以前の運命なら、聞いてみる価値はあるかもしれない。
ベイゼア王は、本当に、今、病気で動けなくなる運命だったのか。
もしそうでないなら…ベイゼア王の病は、エデンの歪みで意図的に仕組まれた事になる。
クレイド「…戻るか? あんまりのんびりしてるわけにもいかない気がしてきたぞ」
リティア「うん…急ごう。ゼルシェード様やアージェ達の調べも終わってるかも」
他の神龍殿の場所を調べてもらってたな。
エレシー「じゃあ、ルゥヴィーン様…私達は行きます」
ルゥヴィーン「気を付けろ…何だか嫌な予感がする…
くれぐれもフィルを…護ってやってくれ…」
その言葉に頷いて、クレイド達はゼルシェードのいる異空間へ引き返していった。
クレイド「ありがとう。まさか、連絡が行っていたとはな…」
リティア「ゼルシェード様…仕事が早すぎるよ;;;」
事の次第を軽く話したら、神龍剣をスムーズに渡してもらってしまい、
話を聞くとゼルシェードが格神竜に伝達したとの事だ。
やっぱり神(に纏わる者)同士、コンタクトはどこからでも取れるのだろうか。
エレシー「……さてと、後は、私が話さないとね。
私とトランスの…ううん、この世界、エディレスにおける悪魔の過去を」
私とトランスは昔から、悪魔という種族で生まれた。
他にも大勢仲間がいたけど…私達は何か悪事をする事なんて無かった。
いつからか、悪魔は誰かの魂を喰らわないと生きられない…と言われた。
もちろん、食べようと思えば食べられる。でも死ぬなんてありえない。
私達は、他者に対してそんな事を思った事はなかった。
だけど、恐れた人々は私達を封印したり、殺したりし始めた。
精霊の力まで借りて。
それまで普通に接してくれてたはずなのに……
トランスと私はトランスが創造した魔界に身を隠して生き延びた。
その間に悪魔は伝承となり、存在したのかも曖昧になった。
トランスの憎悪はその間ずっと膨れ続けて…今、こうなっている。
魔界に隠れたばかりの頃、私達は原因を探した。
そしたらエデンがおかしくなり始めている事を突きとめた。
…色々魔界には調べる術があったの。説明すると長くなりすぎるから省くね。
エデンがおかしい。原因がエデンの一部の者のせいなら、
仲間が殺された事は赦せないけど、今の人々に関係はない。当たるのはお門違い。
そう思った…だけど、トランスはそう思わなかった。
狂ったやつらも、それを正せないエデンも、
心が弱いゆえに変えられた運命に抗えなかった人も…みんな壊すと考え始めた。
そのうち、セイヴェールの企みに気付き、
私はトランスからフィルを殺してセイヴェールの企みを阻止しろと
邪命を受けた。
私は邪命を受けて、みんなと会う前…
ライヴ島に行って過ごしてた。
悪魔の…仲間の居城にしていた地があった場所だったから。
私が紹介した精霊たち。あの子達は私の仲間が殺された時にもいた。
だけど、その子達は心が強かったのね。
当時から、悪魔殺しには参加していなかったの。
私を悪魔だと知っても…
フワリン『はにゃ~! あの時、弟君と逃げてくれた子!』
ピーチャ『無事だったノ!』
メララ『すまないのぅ…あの時何もできなくて…』
思い出してくれた。あの時助けられなくてごめんと、謝られた。
そして私の正体は村の人に隠し続けてくれたわ。
あの子達は、エデンの歪みに対抗した子達。
アージェ達や、セラフ達と同じ…運命に抗える子。
運命や思考をエデンが塗り替えても、自己を保った存在。
神竜様…サフィオ様は私の正体をすぐに見抜いたわ。
でも、お咎めなしだった。
今思えば、この世界の異変にとっくに気付いていたのね。
そして、堕天使を殺して解決しようという短絡的な解決法を取ろうとするフェザレイと、
殺神復活をもくろむセイヴェール、どちらにもつかずに中立の立場で、
色々調べていたわ。
そこへあの日、みんなが来たの。
それからはみんなも知っての通りよ。
ルゥヴィーン「魔力が違う事と、悪属性を使った事で察しはついたが…
やはり、昔の悪魔の種だったか…我の名を知っているのも納得だ」
クレイド「やっぱり、エデンを放っては置けないな。
悪魔への急な態度変化を考えると、ダークエルフも似た感じだ」
リティア「全部…人の思考とその種の運命が捻じ曲げられたからなのね…」
そしてそれはかなり昔から始まっていたと見える。
みんなよく分からないが、ダークエルフや悪魔に対して迫害意識を持ったり、
原因は分からないが、フェザレイはセイヴェールが、セイヴェールはフェザレイが憎くなった。
ルゥヴィーン「…もうひとつ、良いだろうか。
堕天使と天使という役職についてだ。
昔は…なかったよな?」
………え?
エレシー「ええ、無かったわ。
出て来たのは、ゼフィルが堕ちて、騎士になる少し前…それが妥当かしら。
あの役職も、殺神復活の件も、争いがどこかで終わってしまわないように
エデンにいる一部の馬鹿が、ゼフィルが生み出した理よ」
何してくれてるんだ…そのせいでアシュレイ王女もフィルも危険に晒されてるって言うのか。
リティア「ねえ…エレシー…色々調べてたなら…知らない?
その…ベイゼア王の病気について…」
エレシー「ごめん、そこまでは…でも……
もしかしたら、ゼルシェード様が何か知ってるかも…戻ったら聞いてみましょ」
神様なんだよな…人の運命も見た事があるかもしれない。
捻じ曲げられてからの運命は、もはやどこでどう変わるか分からない。
正気でいる自分達の動き次第で変わるれかもしれないから。
だが、それ以前の運命なら、聞いてみる価値はあるかもしれない。
ベイゼア王は、本当に、今、病気で動けなくなる運命だったのか。
もしそうでないなら…ベイゼア王の病は、エデンの歪みで意図的に仕組まれた事になる。
クレイド「…戻るか? あんまりのんびりしてるわけにもいかない気がしてきたぞ」
リティア「うん…急ごう。ゼルシェード様やアージェ達の調べも終わってるかも」
他の神龍殿の場所を調べてもらってたな。
エレシー「じゃあ、ルゥヴィーン様…私達は行きます」
ルゥヴィーン「気を付けろ…何だか嫌な予感がする…
くれぐれもフィルを…護ってやってくれ…」
その言葉に頷いて、クレイド達はゼルシェードのいる異空間へ引き返していった。
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