堕天使の黙示録-アポカリプス-

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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交す約束、果たす約束

堕天使の黙示録-アポカリプス- 43話

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水の精霊、ピーチャ…の助けで海の中に潜っていたセラフ達。

やはり鍵のおかげかリティアも平気みたいだ。

海の中だから方向も分かりにくいし、その上広いが、

間違った方に行こうとするとエレシーが止めてくれるから安心できる。

エレシー「あっ、見えた! あれよ!」

エレシーが指さした先に建物が見えた。

フィル「あれがカエルラ神龍殿?」

セラフ「海の中にあるのに、綺麗なままだな」

エレシー「神竜様の加護ってやつかな。

苔の一つもついてないよ」

そういえば、と思い上を見上げると、鳥居が見えた。

クレイド「あの鳥居、海面に浮いてるのか?」

底に伸びていない。

レイド「あれも、神竜の加護か…」


神殿内部は魔物こそいたものの、セラフとフィルが雷魔法でいけるので、

さして苦労はしなかった。

から、ちょっと雑談しながら進んでいた。

リティア「どうして神龍殿の場所、分かるようにしてるの…?」

エレシー「年に一回、果物のお供えに行くのよ。

水の神竜。サフィロは、果物が好きみたいで…

この島にはピーチャがいるから、海底にも行けるしね」

神竜が果物好き??? なんか可愛げあるのか???

……サフィロ??

セラフ「サフィロって言うのか?」

エレシー「え? まあ、サファイアドラゴンって呼ばれ方もあるけど、

みんな名前はあるから、それで呼ぶかな。

君達もそうでしょ?」

…ルビードラゴンとか、パールドラゴンとしか名乗られてないよな…

どこで知ったんだ?

フィル「ちなみに、ルビードラゴンとパールドラゴンは何ていうの?」

エレシー「あ…!」

エレシーがなにか焦った。

エレシー「え、えっとね、ルゥヴィーンと、ペルラだよ。

…もしかして、外界だと、知ってる人少ない??」

・・・・・・

クレイド「思い出した! 俺が昔調べてた時に出てきた奴!

悪魔のいたとされる時代では、そう呼ばれていたはず」

それって相当昔では

レイド「よく知ってるな、そんなこと」

エレシー「え、えっと、ほら、ここってイーディルの塔みたいに、

悪魔が根城にしていた塔があったりしてるでしょ?

その頃の名残が多くて…それで神竜様の名前が書いてある書籍もあったりとか…」

フィル「クレイドが調べてた書籍みたいなのが、ここにもあったのかもね」

クレイド「エレシー! ここから戻ったら、その書籍見せてくれないか?」

自分が過去に読んだ物なら、何か思い出すかもしれない、か。


クレイドの場合、記憶に封印がされてるわけでもないし、

記憶の痕跡が比較的城外にあるから、思い出しやすいかもしれない。

クレイドの知識は今の自分達に必要だ。可能性があるなら賭けた方がいい。

エレシー「…分かった。あとで見せてあげる」


そんな話をしながらしばらく進んでいると、

なにか扉が出て来た。

エレシー「ここから先はちょっと仕掛けが多いかも。

普段は開いてるんだけど……」

操られた際に閉めたか……

セラフ「ここの仕掛けはどういう感じなんだ」

エレシー「…四つの燭台に火をつける…系だったと思う。

フィル、そっちの二つお願いできる?」

フィル「あ、うん! 来たれ炎…ブレイズピラー!」

エレシー「フレイムロンド!」

フィルの火属性魔法とエレシーの…特技か。

それで四方の燭台に火が点いた。

すると目の前の扉から鍵のはずれたような音がした。

レイド「開いたな」

リティア「海の中なのに、火が灯るっていうのもどういう理屈なんだろう;;;」

神竜のおかげか? 火の魔法もここの中なら使えるしな。

セラフ「…まだ仕掛けあるんだよな?」

エレシー「うん、閉まっちゃってるならね」

自分達で解除できるものだけなら良いが…


セラフ「そういえば、どうして魔物が…?」

エレシー「魔物は本来居ないはず。

いるって事は、やっぱり誰かが放ったんだろうね」

クレイド「操ってる奴の正体、ここなら教えてくれるか?」

……あ、ディアルトにそれも聞いておけば良かった…

フィル「…多分…ルーリエって人だと思う…」

リティア「そうなの?」

レイド「ルーリエか……あいつは嫌な奴だぞ。

あまり表に出てこない分、脅しとかの強引な手段をものともしない」

……女の人の方が怖いとは言うが…

レイド「ゼフィルが肉体拷問タイプなら、ルーリエは精神拷問タイプだ。

相手の弱みに付け込んで、従わせる」

本当に嫌なタイプだな…

セラフ「極力関わりたくないな…

っと、また仕掛けか。」

次の仕掛けは何かの入力装置…?

リティア「えっと…神竜の名を全て答えよ。だって」

フィル「クレイド、覚えてる?」

クレイド「ごめん。さっき話してた

ルゥヴィーンと、ペルラ、サフィオしか分からない」

記憶喪失勢にこれはきつい。

そこへ魔物も来てしまった。

エレシー「私が解除しておくから、みんなは魔物の相手お願い!」

レイド「雑魚だし、俺達でも行けるな」

セラフ「さっさと終わらせるぞ」

数は多いがどうでも良い。

セラフ「落ち狂え…ケラブノスキャッセ!!」

フィル「煌け雷閃華…フロウヴォルト!!」

セラフとフィルが魔法で大体蹴散らす。

クレイド「地連砲破!!」

リティア「双弓!!」

レイド「沈め…ダークヘイル!!」

残りの数体は三人が一斉攻撃で倒した。

エレシー「よしっ、解除完了!」

どうやら奥へ進む魔法陣が現れたようだ。

セラフ「全員覚えてるんだな。」

エレシー「まあ、ね」

レイド「意外と、神竜がその名で呼ばれていた

悪魔が存在していたとされる時代。その時代に生きていたんじゃないか?」

ピクッとエレシーが一瞬反応した気がした。

リティア「まさか、さすがに生きてられないよ」

セラフ「そうだな…」

そうは返したが、クレイドの方を見ると、アイコンタクトしてきた。

フィルが見たエレシーの魔力。人間のものじゃない。

遥か昔に生きていた可能性はゼロじゃないんだ。

クレイド「ま、これで先に進めるし、行こう」

フィル「偵察班の人達助けて、神竜様も解放しないとね」

今は目の前の事に集中しよう。

断言できないうちは、決めつけるのは良くない。
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