月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

文字の大きさ
上 下
98 / 100
過去と現在は手を取り合って

月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ 98話

しおりを挟む
魔法が受け止められたと同時に、その衝撃故か物凄い光が視界を奪う。

ゼニス(……? なに…が…?)

???「こいつらの力が万等属性にあると思ったら大間違いだな」

光が晴れ、声とともにその場にゲンレイが現れた。

ベレイザ「なんで、ゲンレイが!?」

ゼニス「ゲンレイ……様?」

ゲンレイ「様はいらん。……それよりベレイザ、よく考えろ。

最初にお前を打ち負かした時、こいつらは万等属性を持っていたか?」

答えはノーだ。あの時は持っていない。

???「彼らの強さは能力じゃない。属性じゃない。

意志の強さ。仲間との絆。誰かを救いたいと思う気持ち」

つづいてエレジェフィアも姿を現す。

ソレイユ「…神様が三人……」

髪が三人この場にいるというなかなか見ない光景だ。

ベレイザ「エレジェフィア…!!」

エレジェフィア「見ていたでしょう。貴方も。

あなたが姑息な手を使って、三大陸を利用しなければ勝てなかったゼファに。

彼らは打ち勝った。」

ゲンレイ「大罪を乗っ取って力を増しているのかもしれんが、こいつらはその程度では折れん」

ベレイザ「ど、どうほざいたところで、もうこいつらは這いつくばって……!?」

再びベレイザがゼニス達に目を向けた時、ゼニス達は全員が限界の体で立ち上がっていた。

ベレイザ「…どうして、ここまで…」

エレジェフィア「そんなの簡単です。」

ゲンレイ「ゼルシェードが託した奴らだからだ」

ゼルシェード……。


ゼルシェード『寝ているな。起きろ。立ち上がれ。

未来を、歩くんだろう?』


ゼニス「……そうだ…ゼルシェードは今も見てるんだよね」

そう呟くと、ゼニス達の体に一瞬虹色の光が宿る。

サルファー「今のは?」

ゲンレイ「神の加護を与えた。戦えるだけの力は回復したはず。

お前らに干渉できるのはここまでだ。」

エレジェフィア「その代わり、外にいるベレイザの僕は一掃して来ます。

……どうか、お願いします」

パリス「…はいっ!」

ビオレ「やってやるわ…!」

エルブ「ここまで来たら…」

ソレイユ「ゼニス!」

ゼニス「……うん。ベレイザ、もう二度と、この世界に接触なんかさせない!」

ゼニス達の言葉を聞いて、ゲンレイとエレジェフィアは転移で消える。

ベレイザ「この…っ、思い上がりがああ! 人間が、神の力を、借り、るなぁぁぁ!」

ゼニス「そう思って、一万年前にも手を出したんだろう!?

ゼファ達は何も悪くないのに! 手を貸したのは、神の意志だ。

そしてその意志を、誰にも恨む権利なんてないんだ!」

………

ソレイユ「世界を衰退から救おうという意志と」

ビオレ「嫉妬から一国を滅ぼそうとする意志じゃ雲泥の差ね!」

サルファー「禍根の渦はここで止めます」

パリス「貴方に狂わされた時間を」

エルブ「今ここで元に戻してみせる!」

ゼニス「………行くよ、みんな。これが最後だ!」


ゼニスが声を上げたと同時にみんな行動に移る。

パリス「力を…フィジシスアップ!」

パリスが物攻を上げてくれた。

ビオレ「風殺剣!」

サルファー「アクアアロー!」

ベレイザ「っ! なっ…」

攻撃が通った。

ソレイユ「回火裂舞!!」

エルブ「桜花氷無!!」

ベレイザ「っ…神の加護を受けた程度で、私に攻撃が通るなんて…っ!

ファントムプロテクト!」

バリア…!?

ビオレ「セピアの模倣ね…! 二番煎じとか馬鹿じゃないの!?

貫く意志エクシィトゥム・ムールス!」

ビオレの能力が盾を貫き破壊する。

ベレイザ「ブラックインフィニット!」

ゼニス「グッ…高威力の技……っ」

ソレイユ「私がやる…! 癒しの詠歌ヴィータ・スピリトゥム!」

ソレイユの能力おかげで全回復。

神の加護も相まって、戦いに問題は何もない。

ベレイザ「っ…この…! シャドウホール!」

ベレイザの姿が見えなくなった。エピナールの模倣。けど…

エルブ「…ベレイザ……陛下を苦しめた元凶! 逃さない!

捉える刃ポーテスト・エヴァーデレ!」

エルブの能力で攻撃が当たり、相手にかかった姿消しの効果が切れる。

ベレイザ「なぜ、見破れたの!?」

ゼニス「……ははっ、最高のチームじゃないか、本当に…!」


その頃、城の外では…

世界の端と端にエレジェフィアとゲンレイは分かれ、

同時に地上に攻撃を開始。もちろん、人に害は与えない。

ターゲットはベレイザの僕のみ!

エレジェフィア「管理神の力を甘く見ない事ね…!」

ゲンレイ「ゼルシェードに言われた分はあいつらの力になろう…」

エレジェフィア・ゲンレイ「堕ちた神の思い通りに、この世界を破壊させはしない!」

そう告げると、世界中に光が降り注ぎ、

そうなるなりベレイザの僕は次々と消滅。もはや浄化。


シオン「……みんな」

アイリス「うん…この光、覚えがある」

ブローディア「私達があった人…ううん、神様!」

シュロ「エレジェフィア様…か」

レオノティス「…手を貸してくれたんだな」

アスター「…二度も助けられてしまったな」

フクシア「じゃあ、もう一つの神力は…」

シスル「もう一人、神がいるんだろうな」

リナリア「その人の協力?」


ローレル「は!? え、何!?」

ネメシア「一体何が……」

バジル「変な奴らが次々と…」

ガイラルディア「世界が浄化されているような…」


ラージャ「……ゼニス達…じゃねえよな?」

カテドラル「分からないが…これは…」


ミスト「この光は……」

ローズ「…あったかい……邪悪な感じがなくなっていく…」


ジューン「サルファー……まだ、戦ってるんですね。」


ロココ「え、え、光が…」

バレヌ「全ての罪が許される感じが…」

アクバール「エーリカちゃん、これは…」

エーリカ「この世界の、神の力でしょうか…」

フェズ「…マジか」

サラテリ「でも、ゼルシェード様じゃないよね、この感じ」

グラファイト「他の神の手助け、か」

プリムローズ「……! ねえ、姫様、そういえば…あの城は…」

フロスティ「…そうじゃ! …エーリカ、アクバール。相談がある。

……一つ、願いを聞いてはくれぬか?」


ベレイザ「私の僕が……消えて……この光はエレジェフィアとゲンレイ!?」

ゼニス「無明剣!!」

ゼニスがベレイザに一撃かます。それが、いつもと違う。

ベレイザ「!? 大罪の力が…一つ消えた!?」

…どういう事…。

ゼニス「これがだ。

人間には属性技としてしか使えないけど、神の加護がある今なら、可能だ!

お前の中にある大罪の力、お前の存在、全てを無に帰す!」

ソレイユ「ゼニス……」

リミットが外れたのだ。人間としての限界を今だけは超えられる。

ゼニス「時双波! 十字閃!」

ベレイザ「っぐ!」

ゼニス「連絶剣! 五連刃!」

……すごい。

ゼニス「はあああ! 月下裂破!! 円閃舞!!!」

今ので七つ。大罪全て無に帰した。

ベレイザ「こ、この…」

水晶の中にはまだ溜まっているだろうが、ベレイザが宿した分は消し切った。

ベレイザ「この…! オピタットオルビス!」

ベレイザが怒りに任せて一つ技を撃ってくる。

ゼニス「無故の全能…インペリアレイ!!!」

ゼニスが魔法を撃つと、そのベレイザの技はかき消された。

ベレイザ「なっ! まさか、今のも無に……」

帰したというのか。

…今だ。チャンス。

万等属性が使えないとしても、神の加護がある今なら平気だ。

一気に全員畳みかける。

ソレイユ「燃えろ切り裂け…火炎の精霊よ…フレアスピナーロア!」

ビオレ「燕は翔け…風に殺し葬る…風葬殺燕翔!」

サルファー「風と水に…裂けろ弾けよ…風裂水泡弓!」

パリス「涙の意味よ…光よ貫け…ライトティアーレイ!」

エルブ「桜舞え、凍れ…この一閃に…祈桜氷一閃!」

全員がかましたあとに、足掻いてベレイザが技を振りかぶる。

けど…

ゼファ「っ……世を救う…栄華の剣……栄華救世剣!」

ベレイザ「っ! 貴様!!」

ゼニス「ゼファ! 傷は!?」

ゼファ「あの神様二人の加護が、我にも適応したようでね…

少しは手助けできる…!

……こいつに世界全て壊されるぐらいなら…君達に賭けてみるのも、いいと思ったんだ…」

ゼファが隙を作ってくれた。

ゼニス「…よし、無に帰せ…流れを変えろ…無白流変斬!!!」

ベレイザ「っ! この…世界を知らず知らずのうちに滅ぼす、人間の癖に!!!」

そう叫んでその場に落ちる。

でも、まだ動きがある。

もう水晶の発動まで時間が無い。

ベレイザを倒してから壊すのでは間に合わない。

何とか同時に終わらせなければ……!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

堕天使の黙示録-アポカリプス-

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜
ファンタジー
記憶を取り戻すための旅。 記憶は、あった方がいいのか、それとも戻らない方がいいのか…。 見たくない過去なら? 辛い運命なら? 記憶の無い者達が導かれ、めぐり逢い、旅をしていく物語。 真実を見た先に、彼らの出す答えは…。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...