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過去と現在は手を取り合って
月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ 89話
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開けた場所に出た。
先ほど廊下の窓から見た庭園だ。
そこでテーブル用意に椅子に座って紅茶を飲んでる人が一人。
セピアだ。
ソレイユ「ええ…セピア…」
パリス「のんびりですね…」
こちらの声に気付いて立ち上がる。
セピア「…皆さん、いらっしゃってしまったのですね。とうとう」
サルファー「…来ると気付いていたのでは?」
セピア「サルファー…いつもでしたら会えて嬉しいのですが、
今回ばかりは逆ですわ…世界を変えるまで、大人しくしてほしかった…」
まだ、諦めていなかったのか…
ビオレ「悪いけど、足止め喰らってる場合じゃないの。
さっさと突破させてもらうわよ?」
エルブ「セピアさん……」
エルブからしたらセピアは礼儀作法等々教えてくれた人だ。
怖かったらしいが…。
セピア「…結局、あの日以来私達の所に戻りませんでしたわね…」
エルブ「…陛下を止めると決めました。だから戦います」
ゼルシェード「お前達こそ、止まる気は無いだろう?」
答えは分かっている。
セピア「ええ、……本音を言えば、陛下を犠牲にしてまで国などいりませんわ…」
パリス「だったら、どうして…」
セピア「…陛下の…ゼッ君の望みだから…」
ぜ、ゼッくん……???
セピア「……陛下の望みをワタクシ達は果たすだけ…
……本当に、憎いですわ…クレセディアを滅ぼし、陛下を苦しませたこの三大陸が!
……陛下に反論できないワタクシ自身も憎い…!」
セピア……。
セピア「血の舞台! 」
真っ赤な空間が展開される。
セピア「最初から今回は本気で行きますわ。
ヴァンピル・グラーキ!」
あの時使った奴……!
一瞬翼が映り、次の瞬間には、あの時の狂気の令嬢。
セピア「オホホホホホホホホホホホ!!!
さア! 血ニ染まリなさイ!!」
ゼルシェード「くっ、オーブを使って狂ったか!」
サルファー「淑女の面影もないですね…!」
もうそれは満たされるまで殺しの限りを尽くす史上最悪の吸血鬼!
セピア「貴方方の血ヲ、ワタクシに下さいマセ!?
一滴残ラズ!!!」
ソレイユ「……みんな、行くよ!」
怖がってなんていられない。
セピア「ブラッドバーン!」
サルファー「ぐっ!」
体内の血液を爆発させる技…最初に見た時にえげつないと思ったな。
パリス「サルファー! 癒せ…エードヒール!
……っ! 飲み込め…タイダルウェーブ!」
サルファーを回復させて即反撃に移る。
セピア「無駄ですわ! ブラッドプロテクト!!」
血属性で作った盾にパリスの魔法が防がれる。
盾……バリアの部類か。
エルブ「一定時間たてば勝手に切れるでしょうが、
僕がやります! 捉える刃!」
エルブが能力を使うと、血の盾は即破壊。
セピア「っ!?」
ソレイユ「ナイスエルブ! 火炎輪!」
セピア「デーモンビュア!」
今の技は…!?
血属性じゃない。
セピア「この状態のワタクシは二ツ属性を持ッてイマスノ!!
これは魔属性…血属性と同じ特殊属性ですワァ!!」
サルファー「厄介な…っ、水月矢!」
ビオレ「魂を喰らえ…ソウルイーター!」
サルファーの技は耐性こそないが、弱点でもない感じ。
ビオレのは明らか不利そう。
セピア「ノワールペイン!」
パリス「視界を閉ざせ…フラッシュスクリーン!」
咄嗟にパリスが動いた。
エルブ「パリス……っ! 氷刃・一刀!」
ソレイユ「連煌斬舞!!」
視界を閉ざされ、セピアの技が外れたすきに、二人で畳みかけた。
セピア「なっ!?」
セピア『どうして私まで…』
『エルブ、何か言いまして?』
『しっかりしろ。あれが、最善だったのは分かってるはず』
………
セピア「……フフ……
オホホホホホホホホホホホ!!!
この程度で、まだ…終わレませんワァァァァ!!」
まだ立ち上がってくる…しかも叫ぶ元気まで…。
セピア「ブラッドロストエデン!!」
セピアの奥義…!
ゼルシェード「不味い、避けろ!」
避けろったって…間に合わない!
サルファー「皆さんせめて伏せて!」
ビオレ「もしくは防御!!」
そんな中、パリスは前に立った。
エルブ「パリス!?」
パリス「涙の意味よ…光よ貫け…ライトティアーレイ!!」
パリスが奥義を放って、セピアに真っ向から立ち向かった。
パリス「っ!!」
パリスもダメージを受けたが、
防いでくれたおかげで全体的に大事には至っていない。
ソレイユ「パリス!! もう! 光よ癒せ…エーテルキュア!」
慌ててソレイユが回復する。
セピア「…凌…イダ?」
パリス「…セピア…まだやりますか…
なら、ここからは私が相手になります……」
いつものパリスからは想像つかないが、睨みつけている。
ゼルシェード「…人の変化というのは、早いな…」
ソレイユ「う、うん…」
パリス「……貴方は、私が止めます…!
同じ貴族として…大事な人がいる者同士として…!
…自分の気持ちに、これ以上嘘をつかせないために!!」
パリスは…ずっと自分の気持ちに嘘をついて生きてきた。
それを克服した。いろいろな人の助けもあって。
だからこそ、そんなパリスだからこそ、この言葉に重みがかかる。
サルファー「……下がりましょう。」
ビオレ「ええ、私達の出る幕はないわね」
エルブ「……パリス、気を付けて」
全員後ろに下がる。
セピア「貴方一人デ、ワタクシに刃向うト?
身の程を知リナサイ!!」
パリス「貴方を、解放します…これ以上自分に嘘はつかせない!」
先ほど廊下の窓から見た庭園だ。
そこでテーブル用意に椅子に座って紅茶を飲んでる人が一人。
セピアだ。
ソレイユ「ええ…セピア…」
パリス「のんびりですね…」
こちらの声に気付いて立ち上がる。
セピア「…皆さん、いらっしゃってしまったのですね。とうとう」
サルファー「…来ると気付いていたのでは?」
セピア「サルファー…いつもでしたら会えて嬉しいのですが、
今回ばかりは逆ですわ…世界を変えるまで、大人しくしてほしかった…」
まだ、諦めていなかったのか…
ビオレ「悪いけど、足止め喰らってる場合じゃないの。
さっさと突破させてもらうわよ?」
エルブ「セピアさん……」
エルブからしたらセピアは礼儀作法等々教えてくれた人だ。
怖かったらしいが…。
セピア「…結局、あの日以来私達の所に戻りませんでしたわね…」
エルブ「…陛下を止めると決めました。だから戦います」
ゼルシェード「お前達こそ、止まる気は無いだろう?」
答えは分かっている。
セピア「ええ、……本音を言えば、陛下を犠牲にしてまで国などいりませんわ…」
パリス「だったら、どうして…」
セピア「…陛下の…ゼッ君の望みだから…」
ぜ、ゼッくん……???
セピア「……陛下の望みをワタクシ達は果たすだけ…
……本当に、憎いですわ…クレセディアを滅ぼし、陛下を苦しませたこの三大陸が!
……陛下に反論できないワタクシ自身も憎い…!」
セピア……。
セピア「血の舞台! 」
真っ赤な空間が展開される。
セピア「最初から今回は本気で行きますわ。
ヴァンピル・グラーキ!」
あの時使った奴……!
一瞬翼が映り、次の瞬間には、あの時の狂気の令嬢。
セピア「オホホホホホホホホホホホ!!!
さア! 血ニ染まリなさイ!!」
ゼルシェード「くっ、オーブを使って狂ったか!」
サルファー「淑女の面影もないですね…!」
もうそれは満たされるまで殺しの限りを尽くす史上最悪の吸血鬼!
セピア「貴方方の血ヲ、ワタクシに下さいマセ!?
一滴残ラズ!!!」
ソレイユ「……みんな、行くよ!」
怖がってなんていられない。
セピア「ブラッドバーン!」
サルファー「ぐっ!」
体内の血液を爆発させる技…最初に見た時にえげつないと思ったな。
パリス「サルファー! 癒せ…エードヒール!
……っ! 飲み込め…タイダルウェーブ!」
サルファーを回復させて即反撃に移る。
セピア「無駄ですわ! ブラッドプロテクト!!」
血属性で作った盾にパリスの魔法が防がれる。
盾……バリアの部類か。
エルブ「一定時間たてば勝手に切れるでしょうが、
僕がやります! 捉える刃!」
エルブが能力を使うと、血の盾は即破壊。
セピア「っ!?」
ソレイユ「ナイスエルブ! 火炎輪!」
セピア「デーモンビュア!」
今の技は…!?
血属性じゃない。
セピア「この状態のワタクシは二ツ属性を持ッてイマスノ!!
これは魔属性…血属性と同じ特殊属性ですワァ!!」
サルファー「厄介な…っ、水月矢!」
ビオレ「魂を喰らえ…ソウルイーター!」
サルファーの技は耐性こそないが、弱点でもない感じ。
ビオレのは明らか不利そう。
セピア「ノワールペイン!」
パリス「視界を閉ざせ…フラッシュスクリーン!」
咄嗟にパリスが動いた。
エルブ「パリス……っ! 氷刃・一刀!」
ソレイユ「連煌斬舞!!」
視界を閉ざされ、セピアの技が外れたすきに、二人で畳みかけた。
セピア「なっ!?」
セピア『どうして私まで…』
『エルブ、何か言いまして?』
『しっかりしろ。あれが、最善だったのは分かってるはず』
………
セピア「……フフ……
オホホホホホホホホホホホ!!!
この程度で、まだ…終わレませんワァァァァ!!」
まだ立ち上がってくる…しかも叫ぶ元気まで…。
セピア「ブラッドロストエデン!!」
セピアの奥義…!
ゼルシェード「不味い、避けろ!」
避けろったって…間に合わない!
サルファー「皆さんせめて伏せて!」
ビオレ「もしくは防御!!」
そんな中、パリスは前に立った。
エルブ「パリス!?」
パリス「涙の意味よ…光よ貫け…ライトティアーレイ!!」
パリスが奥義を放って、セピアに真っ向から立ち向かった。
パリス「っ!!」
パリスもダメージを受けたが、
防いでくれたおかげで全体的に大事には至っていない。
ソレイユ「パリス!! もう! 光よ癒せ…エーテルキュア!」
慌ててソレイユが回復する。
セピア「…凌…イダ?」
パリス「…セピア…まだやりますか…
なら、ここからは私が相手になります……」
いつものパリスからは想像つかないが、睨みつけている。
ゼルシェード「…人の変化というのは、早いな…」
ソレイユ「う、うん…」
パリス「……貴方は、私が止めます…!
同じ貴族として…大事な人がいる者同士として…!
…自分の気持ちに、これ以上嘘をつかせないために!!」
パリスは…ずっと自分の気持ちに嘘をついて生きてきた。
それを克服した。いろいろな人の助けもあって。
だからこそ、そんなパリスだからこそ、この言葉に重みがかかる。
サルファー「……下がりましょう。」
ビオレ「ええ、私達の出る幕はないわね」
エルブ「……パリス、気を付けて」
全員後ろに下がる。
セピア「貴方一人デ、ワタクシに刃向うト?
身の程を知リナサイ!!」
パリス「貴方を、解放します…これ以上自分に嘘はつかせない!」
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