月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

文字の大きさ
上 下
62 / 100
二魂の心は相違して

月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ 62話

しおりを挟む
アークアムを倒して、少しその場で休んでから

再度奥へと進む。

牢はそこからもう遠くなく、すぐに辿り着いた。

ゼニス「皆さん!! ご無事で…あっ!?」

リナリア「ゼニス!? みんなも!!」

シスル「…やっぱりお前らなら辿り着けるか…」

リナリアとシスル…

フクシア「無事で良かった…」

ソレイユ「フクシア!! アスターも!」

彼らも捕まっていたのか…やっぱりあの能力を止められないと、勝ち目は…

サルファー「私達は各国解放に向かっているところなんです。」

アスター「今、状況は?」

ゼニス達は取りあえずゼルク大陸に捕まっていた人達を解放し、

プリムローズを倒し、ギルドで見張っている、と告げる。

アスター「…平気なのか?」

ゼニス「僕はゼニスだよ。だから分からない事もまだ多い。

でも、確かにゼファとしての、彼らと過ごした記憶もある。

…このまま殺すものか」

ビオレ「罪は償わせる。死ではなく、一生をかけて」

牢の奥を見ると、他にも何人も。

「リナリア…この者達は…」

リナリア「私達を助けてくれた友達よ。

あ、みんな、この二人は私のお父様と、お世話係の…」

「…まさか、結婚式から逃げ出して、乗り込んだもの物と駆け落ちして旅していたなんて…」

「…今はそんな事を話している場合じゃないだろう…」

複雑な事情がありそうだな…。

それでも、リナリアは助けようと思って、この大陸に戻って来たのか。

???「シス。お前にとっても友達か?」

奥からメッシュのかかった男性が声をかけてくる。

シスル「友達…じゃなくて、ていうか、一、二度共闘しただけだ」

パリス「シスルさん…そちらの方は?」

ジニア「俺はジニア。シスルの兄貴分で友人だ!

シスの友達になってくれてありがとな!」

シスル「だから違……」

何だか一気に緊張の糸が緩んでしまう。

そんな場合ではないのだが。

エルブ「…というか、番人はいませんね…グラファイトさんか…もしくは…」

フクシア「だ、だめ、ここには…!!」


フクシアがそこまで言うと、一人子声転移…いや、移動してきた。一瞬で。

エルブ「兄さん!!」

エピナールだ。

ソレイユ「アークアムが言ってた危ない奴って…エピナールの事!!」

エピナール「おやおや、アークアムがそんな事を?

失礼ですね…まったく…私は紳士ですよ」

人を一瞬で殺せるだけの殺傷力を持っておいて何を言う。

シスル「こいつ、俺達が全員でかかっても一撃も入らなかった!」

ゼニス「当然だよ。エピナールには真正面からやったら絶対勝てない」

今ならば、ゼニスの流れを向けるスキル・リムーバル

エピナールの消滅する時間テンプス・ラクタックは解除できるが…。

エルブ「皆さんは先へ! 僕が食い止めます!」

ビオレ「ちょっと! エルブだけじゃ…もう能力もないから対抗手段ないでしょ!」

エピナール「勇気と無謀は、はき違えない方がいいですよ?」

……エルブ一人じゃ当たらない…けど、グラファイトの能力を止めるのだって…

ソレイユ「ゼニス! ゼニスはここに残って!」

ゼニス「えっ…でもグラファイトは!?」

パリス「あっちは状態異常! 

私とソレイユさんの魔法で、お二人が戻るまで持ち堪えてみせます!」

……自分は話にならない、こっちで決着をつけて来い、と…。

確かに、それが妥当だ。

ゼルシェード「……ゼニス、あいつらを信じろ」

エピナール「!?」

今、一瞬エピナールが反応したな。ゼルシェードの声に…。

ゼニス「…任せていい?」

サルファー「ええ、必ず追い付いてくださいね!」

そう言って、ソレイユたちは先へ駆けていく。

エルブ「凍り闇へ…ブラックアイス!!」

エルブが牢に氷で壁を作る。これなら、牢の人達には被害はいかない。


エピナール「分断して良かったんですか?」

エルブ「今は一刻を争うんです。国が機能しなければしないほど…

国民の不安は高まる。負が集まる」

負が集まり切れば、律零王が浮上し、指輪が奪われればこの世界は終わりだ。

もちろん、律零王に意識を明け渡す気はさらさらないが、万が一の事もある。

エピナール「…ところで、ゼルシェード様…生きていらっしゃったんですね…嬉しいです」

ゼルシェード「もう力はほぼ無いがな。…ゼニス達に託すのが限界だ」

エピナール「なぜ…なんてことはやめておきましょう。

理由は分かっています。この作戦に反対なのでしょう?」

ゼニス「僕も、ゼニスとして、この世界の人達を犠牲にさせる気は無い」

エピナール「…でしょうね。ですが、私達はもう止まれません。

ゼニスさんを連れて行き、ゼファに戻ってもらう。

ソレイユさんの指輪を奪う。それだけです」

退けないのはこちらも同じ事。

エルブ「兄さんとセピアさんは陛下の許可なくオーブは使えません。

僕と違い根殺戮衝動に駆られてしまうので、

この三大陸内で使うことは禁じられています」

ゼニス「だったら、まだ勝ち目はあるはず…!」

エピナール「そうですね…ですが、それ以外は出し尽くしますので」

エピナールが仕込み杖を構える。

それと同時にゼニスとエルブも武器を構えた。


エピナール「氷閣忌・絶!!」

エルブ「ぐっ!」

エピナールの攻撃をエルブが受け止めた間にゼニスが行動を起こす。

ゼニス「流れを向けるスキル・リムーバル!」

これで今、エピナールにかかっていた瞬間移動は不可能だ。

ゼニス「これで、前のような瞬間移動は使えない! 対抗策はある!」

エピナール「そうですね…私だってしょっちゅう使えるわけじゃないです。

ですが、能力を封じたところで私には勝てません」

先ほどエピナールの攻撃を防いだエルブが再度体勢を立て直す。

エルブ「彼を誰だと思ってるんですか!

僕らの陛下の力を持っていて、さらに僕の師匠ですよ!」

ゼニス「エルブ……」

エルブの答えにエピナールが少し顔を伏せて呟く。

エピナール「失礼しました。そんな相手に油断はできませんね」

それはゼニス達も同じ事。瞬間移動を止めただけで、

エピナールの俊敏さはただでさえ高い。

先手必勝…!

ゼニス「時双波!!」

エピナール「当たりませんよ…! フローズナイフ!」

エルブ「氷の刃…アイシクル!」

エピナールが躱した先から撃ち出した魔法にエルブが魔法を放つ。

同じ氷魔法…相殺される。

ゼニス「はああっ!」

エピナール「っ! 相殺された光に紛れて斬り込みですか…!」

受け止められているが、今動きを捉えることができた。

ゼニス「く…っ!!」

一旦剣を離して距離を置く。

ゼニス「五連刃!!」

エルブ「桜花氷夢!」

二人の攻撃にエピナールも真っ向から迎え撃つ。

エピナール「華桜氷閃!」

剣同士がぶつかる音が二度鳴る。

ひとつはゼニスとエピナールの剣戟、もうひとつはエルブとエピナールの剣戟。

二人のを二度受け止めた事になる。けど…

ゼニス「っ!」

エピナール「くっ…」

飛びのいた時、両者とも傷を負っている。浅い傷を。

エピナール「はあ…なかなかやりますね…いいでしょう。

そろそろ舞台に招待しましょう…! 消滅する時間テンプス・ラクタック!」


いつものだ。青い舞台。

ゼルシェード「相手は必ず先手を取る。できるだけ当たるな!」

エルブ「そんなこと言ったって…!?」

この空間の恐ろしさはエルブが一番知っているのだろう。

自分も持っていたのだから。それを忌み嫌い、使わなかった。

ゼニス「僕達はエピナールの引き立て役じゃない。

この舞台に収まらないぐらい、暴れればいい!」

ゼルシェード(……ゼファの面影も混ざって来たな;;; …懐かしいが、喜んでいいものか…)

そう思っている間に、エピナールの攻撃が。

エピナール「っ、氷閣忌・絶!」

エルブ「あっと!? え、今見えなかった…!?」

ゼニス(この舞台を展開した時に、また瞬間移動が付与された…!!)

流れを向けるスキル・リムーバル!」

舞台を消すのは不可能だ。だが、瞬間移動だけは解除しなければ始まらない。

ゼルシェード「こうなっても先手は取られる。気を付けろ!」

エピナール「ゼルシェード様がいると厄介ですね!

ですが……アイスダーク!!」

ゼニス「っ! 無故の全能…インペリアレイ!」

慌てて詠唱し、その魔法に間に合わせる。

エルブ「裂氷・魔法剣!!」

魔法剣を魔法のどさくさに紛れてエピナールに向ける。

エピナール「なっ! くっ…!」

一撃喰らわせる。さすがは兄弟か。

エルブはエピナールがどう動くか、何となく分かるのだろう。

エピナールはゼニスに気を取られていたから、読み切れなかった。

エピナール「魔法剣……」

エルブ「ゼニス師匠から教わったものです…!」

魔法剣は通常技より威力が劣る。

相手の弱点を突く以外で使うなら、あまり効果的ではない。

でもエルブの魔法剣は、明らかに同じ属性を持った対象にさえ威力を発揮していた。

エピナール「……強くなった…ゼニスさんの教え方が良かったのでしょうか…

その点については感謝します。」

少し訪れる、静寂。

ゼニス「エピナール……」

エピナール「……ですがやるべき事があるんですよ。

氷裂円舞!!」

静寂で油断した。

エピナールが今狙ったのはゼニス。

ゼニス「グッ、かはっ!」

エルブ「ゼニス師匠!?」

深く喰らったわけではないが、当たりどころが悪かったらしい。

思わず、キッとエルブがエピナールを睨む。

エルブ「…兄さん……」

ゼニスの前にエルブが立った。

ゼニス「エルブ…駄目だ…よ…僕ならまだ平気だから…」

エルブ「僕は、ゼニス師匠の弟子ですよ! これぐらいできます!!」

そう言って、武器を構える。

エピナール「…手合わせした時は、いつもエルブが負けていましたね…

……わかりました。受けましょう…! 消忌絶氷閣!!!」

エピナールの奥義。やはり先手を取られている。

ゼニス「エ、ルブ…!」

エルブ「今日は勝ちます…! 必ず…! 桜舞え…凍れ…この一閃に…祈桜氷一閃!!!」

火花の散る音がする。奥義同士がぶつかった影響だ。

エルブ「…っ…ぐ…はあああああ!!!」


ひときわ大きい閃光が走って…それが晴れる。

ゼニス「う…はっ…エルブ!?」

両者ともに立っているが、驚いた表情をしているエピナールを見るに、

攻撃が破られたのはエピナールの方だったのだろう。

エルブ「はあ…はあ…勝負、あり…です…!」

そう告げた途端、青い舞台の空間が壊れる。

エピナール「…さすがですね、お二人は…

個性が強すぎて舞台で留まりませんでしたか…」

ゼニス「エピナール…っ、まだ、やる、か!?」

エピナール「……ここは退かせていただきます。

どうやらオーブを使用しないと勝てないようですので…」

オーブはゼファがいないと使えないんじゃ……

ゼルシェード「……ゼニスは必ずそっちに連れて行く、という意味か?」

エピナール「ええ。…それでは。

エルブ。次は容赦しませんよ」

能力スキルで消えた。

今だって十分容赦してなかっただろう…。


ゼニス「……エルブ、ごめん。大分任せたかな…」

エルブ「そんな。何度も隙を作ってくれたおかげで多めに叩き込めました」

ふと、ゼニスの怪我に気付く。

ゼニス「ああ、これぐらい平気だよ。

ソレイユとパリスと合流すればすぐに治る。」

事実、ここで休んでいる場合じゃない。早く行かないと…

ゼニス「その前に、皆さんを解放しますね。

断ち切る絶望アブシディレ・ディスペル!」

牢を破壊する。

シスル「おい、俺達も…」

ゼルシェード「全員帰れ。精神的な疲弊は身を滅ぼす。

こっちは平気だ。戻って大陸を立て直せ。」

「…すまない…」

リナリアの父親が謝ってくる。

フクシア「あ、ならせめて…エンジェルヒール」

ゼニスとエルブの傷が癒えた。

ゼニス「フクシア…」

アスター「…頑張ってくれ。」

リナリア「応援してるね。そうだ、ゼニス。

……無理しないでね」

………!

ゼニス「うん、ありがとう」


道中はシスル達が何とかしてくれるとの事で、

その場で別れた。

エルブ「急ぎましょうか、ゼニス師匠」

ゼニス「そうだね。行こう!」

急いでその奥へ。みんながグラファイトと戦っているであろう方へ走っていく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま
ファンタジー
 前世で搾取されまくりだった私。  魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。  とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。  これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。  取り敢えず、明日は退職届けを出そう。  目指せ、快適異世界生活。  ぽちぽち更新します。  作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。  脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

俺の娘、チョロインじゃん!

ちゃんこ
ファンタジー
俺、そこそこイケてる男爵(32) 可愛い俺の娘はヒロイン……あれ? 乙女ゲーム? 悪役令嬢? ざまぁ? 何、この情報……? 男爵令嬢が王太子と婚約なんて、あり得なくね?  アホな俺の娘が高位貴族令息たちと仲良しこよしなんて、あり得なくね? ざまぁされること必至じゃね? でも、学園入学は来年だ。まだ間に合う。そうだ、隣国に移住しよう……問題ないな、うん! 「おのれぇぇ! 公爵令嬢たる我が娘を断罪するとは! 許さぬぞーっ!」 余裕ぶっこいてたら、おヒゲが素敵な公爵(41)が突進してきた! え? え? 公爵もゲーム情報キャッチしたの? ぎゃぁぁぁ! 【ヒロインの父親】vs.【悪役令嬢の父親】の戦いが始まる?

異世界楽々通販サバイバル

shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。 近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。 そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。 そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。 しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。 「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」

処理中です...