57 / 100
二魂の心は相違して
月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ 57話
しおりを挟む
ビオレ「誰?」
出て来た黄色い龍に聞く。
トニートゥラ「私はトニートゥラ。プリムローズ様の武器から生み出された龍」
ゼルシェード(こんなことまでできるようになったのか……)
サルファー「さしずめ、ここの門番という事ですか?」
トニートゥラ「そう。ゼニス以外は殺せと。
捕虜を逃がさせるわけにもいかないので」
「駄目…勝ち目がないですよ…!」
心配して声を上げる人達。でも、退けない。
ゼニス「ソレイユ」
ソレイユ「わかった! 守護せよ…バリアフィールド!」
ソレイユの魔法で牢の人達に結界が張られる。
これで彼らに攻撃が飛んでも危険はない。
ゼニス「どうか安心してください」
パリス「不思議な見た目してますね…メデューサみたい…」
龍を目の前に雑談開始。
肝が据わったというか、怖いもの知らずというか…
トニートゥラ「お喋りとは余裕な…私をなめている?」
ビオレ「そうかもね。あんたは目標の一つでしかないのよ。
邪魔よ。プリムローズに辿り着くために、ここで討たせてもらうわ!」
ゼニス「いくよ!!」
ゼルシェード「プリムローズの武器から生み出されたなら、
あいつの属性は雷だ!」
という事は、弱点は土属性……!
サルファー「ゼニスの能力が鍵ですね!」
ソレイユ「水属性持ちの人は気を付けて!
攻撃も、水属性は使わない方がいいかも!」
なんというか、土属性がこのメンバーだと不在だ。
……戦力が何とかならないか…。
ゼルシェード「ゼニス、今のお前ならできるかもしれん。
属性変換・共鳴を使ってみろ!」
ゼニス「何それ!?」
ゼルシェード「ゼファがこの剣を使っていた頃にやった力だ。
全員に属性変換で纏った属性を一時的に追加させられる!」
元の能力通り、その属性で使えるのは魔法剣・魔法弾・魔法矢など、そういう系だが、
戦力には確実になる。
ゼニス「やってみる。属性変換・共鳴!」
ゼニスに土属性がつくのと同時に、仲間にもついたようだ。
エルブ「さすがです、ゼニス師匠!!」
パリス「これなら何とか…!」
トニートゥラ「弱点を突けるようになったぐらいで、私が倒せると…!?」
威勢は良いが、明らかに動揺した。
ソレイユ「勝てるよ!」
サルファー「私達は、四零士に勝ちに行こうとしているのですから!」
開幕からサンダーブレスが飛んで来る。
パリス「っ! 裂土・魔法弾!」
ビオレ「風刃華!」
パリスが弱点を突いたところへ、自身の得意属性を打ち込む。
この形だと、耐性が無い限りは結構ダメージが通るようだ。
トニートゥラ「雷翼旋!!」
ビオレ「っ!! なに、これ!?」
ビオレの右腕が動かない。
サルファー「麻痺!? パリス、治療を!
裂土・魔法矢!!」
ゼニス「僕も…五連斬!!」
二人が気をそらしている間に、パリスは麻痺の治療。
パリス「邪を払え…リキュペレイト!」
パリスのこの魔法は、もろもろのステータス低下も含め、状態異常の治療が可能だ。
ビオレ「あ、ありがとう…」
ソレイユ「今、何で麻痺が??」
パリス「多分、あの翼です…あれに当たった腕が麻痺したから…」
いつの間にか接近戦にエルブも加わっている。
ソレイユ「ああもう! 危なっかしいな!
燃え盛れ…イフリティア!!」
遠距離援護はパリスとサルファー以外は弱点が突けないが仕方ない。
トニートゥラ「うっ…!?」
エルブ「ソレイユさん…! 土裂・魔法剣!!」
それをトニートゥラはかわして告げる。
トニートゥラ「エルブ様。ゼファ様。どうして貴方方はそちらに?
プリムローズ様の話だと、貴方方はこちら側のはず」
どこまで話しているんだ…
エルブ「僕は、彼らを止めるつもりで、こっちにつきました!」
ゼニス「僕は…彼らにつくつもりはない」
……
トニートゥラ「エルブ様は殺しても構わないと言われています…
ゼファ様には、お戻りいただきます。クレセディアへ…」
サルファー「エルブ! ゼニス!」
ビオレ「二人とも!」
駆け出そうとしたビオレの前にパリスが立った。
ソレイユ「パリス?」
パリス「ビオレさんは、プリムローズと一騎打ちするのがあります。
今、力を使い切るわけにはいきません!」
メイスを前に構えて前意識を集中させる。
トニートゥラ「ヴォルトウィンディア!!」
ゼルシェード「エルブ、ゼニス避けろ!?」
でも…
パリス「涙の意味を…光よ貫け! ライトティアーレイ!!」
後ろからパリスの奥義が、ゼニスとエルブの頭の上を通過。
トニートゥラ「なっ!?」
それは見事にトニートゥラに直撃。その場に崩れ落ちる。
ゼニス「……トニートゥラ……」
トニートゥラ「あなたは…どうして…
……ゼファ様……。
彼らが話すには…貴方の意識が戻っていてしかるべきなはず…」
………
ゼニス「……僕はゼニスだ。ゼファとして彼らに協力する気は無い。
……けど、殺す事はしないつもりだ。」
それに、トニートゥラが顔を上げる。
ゼニス「生かして、罪を償わせる…処刑なんてさせないし、僕らだって殺さない。」
トニートゥラ「…やはり、聞いていた通りの方だと、思う…。
……プリムローズ様を、お願いします……」
それを最後に消滅した。
エルブ「ゼニス師匠……」
ゼニス「……大丈夫だよ。
ゼファもトニートゥラとは面識はないみたいだし…それより…」
後ろにいるみんなに向き直る。
ゼニス「援護、ありがとう。特にパリス。」
パリス「いえ、私にできる事を…役に立ちたかっただけです!」
ビオレ「…頼りになるようになっちゃって…助けられちゃったわね」
サルファーが駆け寄ってくる。
サルファー「ビオレは怪我は大丈夫ですか?」
ビオレ「平気平気。パリスが治してくれたから」
それを見ていた人々は…
「すごい…倒した…」
「彼らだけが希望か……」
「ゼファって?」
色々感想はあるようだ。
…律零王の名前を知っている人はいなさそうだな。
サルファー「私達はこれから、プリムローズと戦ってきます。
貴方方はギルドへ避難を。」
他国はまだ侵攻されているから、帰すわけにはいかない。
一度ギルドでマスター達にかくまってもらう事に。
腕の立つ貴族もいたので、護衛は彼らに任せ、自分達は先へ急ぐことに。
ゼルシェード「もう行けるか?」
ゼニス「うん、急いだ方がいいと思うし」
各国解放しないと、国として機能しない。
民の不安も強くなって、負が余計溜まってしまう。
ビオレ「……プリムローズ…」
ソレイユ「ねえ、どうしてプリムローズと決着つけたいの?」
疑問だった。とりわけ因縁は…
ビオレ「火山で戦ったのもあるけど、嫌いなのよ。
人を殺す事に、躊躇いが無いような人。…私が止めてやるわ」
ゼニス「……ごめん」
つい謝罪してしまった。生かす方向で決めてしまったから。
ビオレ「良いの。言ったでしょ。別に構わないって。
死んだほうが楽よ、きっとね。だから、私も生かしてやるわ」
……
パリス「……私も…」
エルブ「パリス??」
ううん、と慌てて首を振る。
サルファー「では行きましょう。さっきの分岐を真っ直ぐですね」
次は、プリムローズと決着だ。
出て来た黄色い龍に聞く。
トニートゥラ「私はトニートゥラ。プリムローズ様の武器から生み出された龍」
ゼルシェード(こんなことまでできるようになったのか……)
サルファー「さしずめ、ここの門番という事ですか?」
トニートゥラ「そう。ゼニス以外は殺せと。
捕虜を逃がさせるわけにもいかないので」
「駄目…勝ち目がないですよ…!」
心配して声を上げる人達。でも、退けない。
ゼニス「ソレイユ」
ソレイユ「わかった! 守護せよ…バリアフィールド!」
ソレイユの魔法で牢の人達に結界が張られる。
これで彼らに攻撃が飛んでも危険はない。
ゼニス「どうか安心してください」
パリス「不思議な見た目してますね…メデューサみたい…」
龍を目の前に雑談開始。
肝が据わったというか、怖いもの知らずというか…
トニートゥラ「お喋りとは余裕な…私をなめている?」
ビオレ「そうかもね。あんたは目標の一つでしかないのよ。
邪魔よ。プリムローズに辿り着くために、ここで討たせてもらうわ!」
ゼニス「いくよ!!」
ゼルシェード「プリムローズの武器から生み出されたなら、
あいつの属性は雷だ!」
という事は、弱点は土属性……!
サルファー「ゼニスの能力が鍵ですね!」
ソレイユ「水属性持ちの人は気を付けて!
攻撃も、水属性は使わない方がいいかも!」
なんというか、土属性がこのメンバーだと不在だ。
……戦力が何とかならないか…。
ゼルシェード「ゼニス、今のお前ならできるかもしれん。
属性変換・共鳴を使ってみろ!」
ゼニス「何それ!?」
ゼルシェード「ゼファがこの剣を使っていた頃にやった力だ。
全員に属性変換で纏った属性を一時的に追加させられる!」
元の能力通り、その属性で使えるのは魔法剣・魔法弾・魔法矢など、そういう系だが、
戦力には確実になる。
ゼニス「やってみる。属性変換・共鳴!」
ゼニスに土属性がつくのと同時に、仲間にもついたようだ。
エルブ「さすがです、ゼニス師匠!!」
パリス「これなら何とか…!」
トニートゥラ「弱点を突けるようになったぐらいで、私が倒せると…!?」
威勢は良いが、明らかに動揺した。
ソレイユ「勝てるよ!」
サルファー「私達は、四零士に勝ちに行こうとしているのですから!」
開幕からサンダーブレスが飛んで来る。
パリス「っ! 裂土・魔法弾!」
ビオレ「風刃華!」
パリスが弱点を突いたところへ、自身の得意属性を打ち込む。
この形だと、耐性が無い限りは結構ダメージが通るようだ。
トニートゥラ「雷翼旋!!」
ビオレ「っ!! なに、これ!?」
ビオレの右腕が動かない。
サルファー「麻痺!? パリス、治療を!
裂土・魔法矢!!」
ゼニス「僕も…五連斬!!」
二人が気をそらしている間に、パリスは麻痺の治療。
パリス「邪を払え…リキュペレイト!」
パリスのこの魔法は、もろもろのステータス低下も含め、状態異常の治療が可能だ。
ビオレ「あ、ありがとう…」
ソレイユ「今、何で麻痺が??」
パリス「多分、あの翼です…あれに当たった腕が麻痺したから…」
いつの間にか接近戦にエルブも加わっている。
ソレイユ「ああもう! 危なっかしいな!
燃え盛れ…イフリティア!!」
遠距離援護はパリスとサルファー以外は弱点が突けないが仕方ない。
トニートゥラ「うっ…!?」
エルブ「ソレイユさん…! 土裂・魔法剣!!」
それをトニートゥラはかわして告げる。
トニートゥラ「エルブ様。ゼファ様。どうして貴方方はそちらに?
プリムローズ様の話だと、貴方方はこちら側のはず」
どこまで話しているんだ…
エルブ「僕は、彼らを止めるつもりで、こっちにつきました!」
ゼニス「僕は…彼らにつくつもりはない」
……
トニートゥラ「エルブ様は殺しても構わないと言われています…
ゼファ様には、お戻りいただきます。クレセディアへ…」
サルファー「エルブ! ゼニス!」
ビオレ「二人とも!」
駆け出そうとしたビオレの前にパリスが立った。
ソレイユ「パリス?」
パリス「ビオレさんは、プリムローズと一騎打ちするのがあります。
今、力を使い切るわけにはいきません!」
メイスを前に構えて前意識を集中させる。
トニートゥラ「ヴォルトウィンディア!!」
ゼルシェード「エルブ、ゼニス避けろ!?」
でも…
パリス「涙の意味を…光よ貫け! ライトティアーレイ!!」
後ろからパリスの奥義が、ゼニスとエルブの頭の上を通過。
トニートゥラ「なっ!?」
それは見事にトニートゥラに直撃。その場に崩れ落ちる。
ゼニス「……トニートゥラ……」
トニートゥラ「あなたは…どうして…
……ゼファ様……。
彼らが話すには…貴方の意識が戻っていてしかるべきなはず…」
………
ゼニス「……僕はゼニスだ。ゼファとして彼らに協力する気は無い。
……けど、殺す事はしないつもりだ。」
それに、トニートゥラが顔を上げる。
ゼニス「生かして、罪を償わせる…処刑なんてさせないし、僕らだって殺さない。」
トニートゥラ「…やはり、聞いていた通りの方だと、思う…。
……プリムローズ様を、お願いします……」
それを最後に消滅した。
エルブ「ゼニス師匠……」
ゼニス「……大丈夫だよ。
ゼファもトニートゥラとは面識はないみたいだし…それより…」
後ろにいるみんなに向き直る。
ゼニス「援護、ありがとう。特にパリス。」
パリス「いえ、私にできる事を…役に立ちたかっただけです!」
ビオレ「…頼りになるようになっちゃって…助けられちゃったわね」
サルファーが駆け寄ってくる。
サルファー「ビオレは怪我は大丈夫ですか?」
ビオレ「平気平気。パリスが治してくれたから」
それを見ていた人々は…
「すごい…倒した…」
「彼らだけが希望か……」
「ゼファって?」
色々感想はあるようだ。
…律零王の名前を知っている人はいなさそうだな。
サルファー「私達はこれから、プリムローズと戦ってきます。
貴方方はギルドへ避難を。」
他国はまだ侵攻されているから、帰すわけにはいかない。
一度ギルドでマスター達にかくまってもらう事に。
腕の立つ貴族もいたので、護衛は彼らに任せ、自分達は先へ急ぐことに。
ゼルシェード「もう行けるか?」
ゼニス「うん、急いだ方がいいと思うし」
各国解放しないと、国として機能しない。
民の不安も強くなって、負が余計溜まってしまう。
ビオレ「……プリムローズ…」
ソレイユ「ねえ、どうしてプリムローズと決着つけたいの?」
疑問だった。とりわけ因縁は…
ビオレ「火山で戦ったのもあるけど、嫌いなのよ。
人を殺す事に、躊躇いが無いような人。…私が止めてやるわ」
ゼニス「……ごめん」
つい謝罪してしまった。生かす方向で決めてしまったから。
ビオレ「良いの。言ったでしょ。別に構わないって。
死んだほうが楽よ、きっとね。だから、私も生かしてやるわ」
……
パリス「……私も…」
エルブ「パリス??」
ううん、と慌てて首を振る。
サルファー「では行きましょう。さっきの分岐を真っ直ぐですね」
次は、プリムローズと決着だ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
堕天使の黙示録-アポカリプス-
瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜
ファンタジー
記憶を取り戻すための旅。
記憶は、あった方がいいのか、それとも戻らない方がいいのか…。
見たくない過去なら? 辛い運命なら?
記憶の無い者達が導かれ、めぐり逢い、旅をしていく物語。
真実を見た先に、彼らの出す答えは…。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……


推しと行く魔法士学園入学旅行~日本で手に入れた辞典は、異世界の最強アイテムでした~
ことのはおり
ファンタジー
渡会 霧(わたらい きり)。36歳。オタク。親ガチャハズレの悲惨な生い立ち。
幸薄き彼女が手にした、一冊の辞典。
それは異世界への、特別招待状。
それは推しと一緒にいられる、ミラクルな魔法アイテム。
それは世界を救済する力を秘めた、最強の武器。
本棚を抜けた先は、物語の中の世界――そこからすべてが、始まる。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる