月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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二魂の心は相違して

月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ 57話

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ビオレ「誰?」

出て来た黄色い龍に聞く。

トニートゥラ「私はトニートゥラ。プリムローズ様の武器から生み出された龍」

ゼルシェード(こんなことまでできるようになったのか……)

サルファー「さしずめ、ここの門番という事ですか?」

トニートゥラ「そう。ゼニス以外は殺せと。

捕虜を逃がさせるわけにもいかないので」

「駄目…勝ち目がないですよ…!」

心配して声を上げる人達。でも、退けない。

ゼニス「ソレイユ」

ソレイユ「わかった! 守護せよ…バリアフィールド!」

ソレイユの魔法で牢の人達に結界が張られる。

これで彼らに攻撃が飛んでも危険はない。

ゼニス「どうか安心してください」

パリス「不思議な見た目してますね…メデューサみたい…」

龍を目の前に雑談開始。

肝が据わったというか、怖いもの知らずというか…

トニートゥラ「お喋りとは余裕な…私をなめている?」

ビオレ「そうかもね。あんたは目標の一つでしかないのよ。

邪魔よ。プリムローズに辿り着くために、ここで討たせてもらうわ!」

ゼニス「いくよ!!」


ゼルシェード「プリムローズの武器から生み出されたなら、

あいつの属性は雷だ!」

という事は、弱点は土属性……!

サルファー「ゼニスの能力が鍵ですね!」

ソレイユ「水属性持ちの人は気を付けて!

攻撃も、水属性は使わない方がいいかも!」

なんというか、土属性がこのメンバーだと不在だ。

……戦力が何とかならないか…。

ゼルシェード「ゼニス、今のお前ならできるかもしれん。

属性変換・共鳴エレメント・クロス・リンクを使ってみろ!」

ゼニス「何それ!?」

ゼルシェード「ゼファがこの剣を使っていた頃にやった力だ。

全員に属性変換エレメント・クロスで纏った属性を一時的に追加させられる!」

元の能力通り、その属性で使えるのは魔法剣・魔法弾・魔法矢など、そういう系だが、

戦力には確実になる。

ゼニス「やってみる。属性変換・共鳴エレメント・クロス・リンク!」

ゼニスに土属性がつくのと同時に、仲間にもついたようだ。

エルブ「さすがです、ゼニス師匠!!」

パリス「これなら何とか…!」

トニートゥラ「弱点を突けるようになったぐらいで、私が倒せると…!?」

威勢は良いが、明らかに動揺した。

ソレイユ「勝てるよ!」

サルファー「私達は、四零士に勝ちに行こうとしているのですから!」


開幕からサンダーブレスが飛んで来る。

パリス「っ! 裂土・魔法弾!」

ビオレ「風刃華!」

パリスが弱点を突いたところへ、自身の得意属性を打ち込む。

この形だと、耐性が無い限りは結構ダメージが通るようだ。

トニートゥラ「雷翼旋!!」

ビオレ「っ!! なに、これ!?」

ビオレの右腕が動かない。

サルファー「麻痺!? パリス、治療を!

裂土・魔法矢!!」

ゼニス「僕も…五連斬!!」

二人が気をそらしている間に、パリスは麻痺の治療。

パリス「邪を払え…リキュペレイト!」

パリスのこの魔法は、もろもろのステータス低下も含め、状態異常の治療が可能だ。

ビオレ「あ、ありがとう…」

ソレイユ「今、何で麻痺が??」

パリス「多分、あの翼です…あれに当たった腕が麻痺したから…」

いつの間にか接近戦にエルブも加わっている。

ソレイユ「ああもう! 危なっかしいな!

燃え盛れ…イフリティア!!」

遠距離援護はパリスとサルファー以外は弱点が突けないが仕方ない。

トニートゥラ「うっ…!?」

エルブ「ソレイユさん…! 土裂・魔法剣!!」

それをトニートゥラはかわして告げる。

トニートゥラ「エルブ様。ゼファ様。どうして貴方方はそちらに?

プリムローズ様の話だと、貴方方はこちら側のはず」

どこまで話しているんだ…

エルブ「僕は、彼らを止めるつもりで、こっちにつきました!」

ゼニス「僕は…彼らにつくつもりはない」

……

トニートゥラ「エルブ様は殺しても構わないと言われています…

ゼファ様には、お戻りいただきます。クレセディアへ…」

サルファー「エルブ! ゼニス!」

ビオレ「二人とも!」

駆け出そうとしたビオレの前にパリスが立った。

ソレイユ「パリス?」

パリス「ビオレさんは、プリムローズと一騎打ちするのがあります。

今、力を使い切るわけにはいきません!」

メイスを前に構えて前意識を集中させる。

トニートゥラ「ヴォルトウィンディア!!」

ゼルシェード「エルブ、ゼニス避けろ!?」

でも…

パリス「涙の意味を…光よ貫け! ライトティアーレイ!!」

後ろからパリスの奥義が、ゼニスとエルブの頭の上を通過。

トニートゥラ「なっ!?」

それは見事にトニートゥラに直撃。その場に崩れ落ちる。

ゼニス「……トニートゥラ……」

トニートゥラ「あなたは…どうして…

……ゼファ様……。

彼らが話すには…貴方の意識が戻っていてしかるべきなはず…」

………

ゼニス「……僕はゼニスだ。ゼファとして彼らに協力する気は無い。

……けど、殺す事はしないつもりだ。」

それに、トニートゥラが顔を上げる。

ゼニス「生かして、罪を償わせる…処刑なんてさせないし、僕らだって殺さない。」

トニートゥラ「…やはり、聞いていた通りの方だと、思う…。

……プリムローズ様を、お願いします……」

それを最後に消滅した。


エルブ「ゼニス師匠……」

ゼニス「……大丈夫だよ。

ゼファもトニートゥラとは面識はないみたいだし…それより…」

後ろにいるみんなに向き直る。

ゼニス「援護、ありがとう。特にパリス。」

パリス「いえ、私にできる事を…役に立ちたかっただけです!」

ビオレ「…頼りになるようになっちゃって…助けられちゃったわね」

サルファーが駆け寄ってくる。

サルファー「ビオレは怪我は大丈夫ですか?」

ビオレ「平気平気。パリスが治してくれたから」

それを見ていた人々は…

「すごい…倒した…」

「彼らだけが希望か……」

「ゼファって?」

色々感想はあるようだ。

…律零王の名前を知っている人はいなさそうだな。

サルファー「私達はこれから、プリムローズと戦ってきます。

貴方方はギルドへ避難を。」

他国はまだ侵攻されているから、帰すわけにはいかない。

一度ギルドでマスター達にかくまってもらう事に。


腕の立つ貴族もいたので、護衛は彼らに任せ、自分達は先へ急ぐことに。

ゼルシェード「もう行けるか?」

ゼニス「うん、急いだ方がいいと思うし」

各国解放しないと、国として機能しない。

民の不安も強くなって、負が余計溜まってしまう。

ビオレ「……プリムローズ…」

ソレイユ「ねえ、どうしてプリムローズと決着つけたいの?」

疑問だった。とりわけ因縁は…

ビオレ「火山で戦ったのもあるけど、嫌いなのよ。

人を殺す事に、躊躇いが無いような人。…私が止めてやるわ」

ゼニス「……ごめん」

つい謝罪してしまった。生かす方向で決めてしまったから。

ビオレ「良いの。言ったでしょ。別に構わないって。

死んだほうが楽よ、きっとね。だから、私も生かしてやるわ」

……

パリス「……私も…」

エルブ「パリス??」

ううん、と慌てて首を振る。

サルファー「では行きましょう。さっきの分岐を真っ直ぐですね」

次は、プリムローズと決着だ。
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