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過去は絶望を率いて
月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ 50話
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レクイエム「弾け飛べ! ヴォルトウェーブ!!」
狭い空間で何とか回避する。
そのせいで、周りの機材や装置などがすべて破壊された。
アスター「…命中率なんて気にしてないな…!」
ソレイユ「正気を失ってるせいで、当たりにくいって事!?」
レクイエム「溶け壊れろ! アビスフレイム!!」
またも、ゼニス達には全く命中していない。
フクシア「威力の高い魔法のコントロールがうまくいってないのかも!」
サルファー「それなら勝機は十分にあります! 終わらせましょう!」
一気に攻撃に転じる。
ゼニス「十字閃!!」
ソレイユ「連煌斬舞!!」
レクイエム「やああ!!!」
ゼニスとソレイユの攻撃をくらいながらも、攻撃を仕掛けて来る。
ゼニス「ぐっ…さすがに、まともに喰らうと威力が低いやつでも痛いな…」
サルファー「なら、魔法封じたらこっちのものです! シールアロー」
パリス「視界を閉ざせ…フラッシュスクリーン!」
サルファーが魔法を封じ、パリスが物理の命中率を下げる。
ビオレ「闇毒牙!!」
エルブ「凍り闇へ…ブラックアイス!」
ビオレがレクイエムを毒にさせる。
エルブは能力を封じられたからか、詠唱して魔法を撃つ形になったようだ。
レクイエム「ああああああああ!! 全部っ! ゼンブ…! 邪魔!!!」
アスター「動揺してる…! 何仕出かすか分からない!
悪魔奥義・サファリングソロウ!」
フクシア「天使奥義・オーバーリーンカネーション!」
アスターとフクシアの奥義が炸裂した。物凄い衝撃音が確かにした。
けど……
レクイエム「…ァ…ゥ…で、何で…
お姉ちゃんが…エレジェフィアがいたから…いるから…
私はエレジェフィアとして生まれる事もできなかった…!
深淵に還れ…メギド!!」
アスター「まずい!」
エレジェフィアを庇いに向かおうとしたアスターとフクシアの方に先にメギドの炎が向かう。
フクシア「っ!?」
まともに喰らって、二人とも壁に打ち付けられる。
ゼニス「エレジェフィア様!!」
ゼニスが向かおうとするより先に、エルブがエレジェフィアの間に入り込んだ。
ドーンという轟音の後、刀を盾にして防いだエルブがその場に膝をつく。
エレジェフィア「!! どうして…」
エルブ「ゼニス師匠なら、こうする気がしたから…先にやらせてもらいました…!」
見抜かれている。つまり、ゼニスに無理をさせないために。
エルブ「ビオレさん!」
エルブがビオレに告げた。一番レクイエムに近い位置にいたからだ。
呼んだ意図をビオレはすぐに理解した。
ビオレ「風刃華!!」
エルブ「氷の刃…アイシクル!」
ビオレが刃を投げると、エルブが魔法を撃つ。
氷漬けになったビオレのクナイはレクイエムに刺さり…
ビオレ・エルブ「「砕けろ! アイスナイフスラッシュ!」
レクイエムに刺さった氷漬けのナイフ。その氷だけが内部で砕け散る。
レクイエム「…がっ!?」
パパに愛されたかった。お姉ちゃんがいた。
その名前はエレジェフィア。私はその人から生まれたみたい。
死んだんだって。でもね、私は「エレジェフィア」って呼ばれないの。
「レクイエム」って呼ぶの。
私の名の由来は、「エレジェフィアへの鎮魂歌」って意味で。
でも、パパは「エレジェフィア」のことを、もう忘れてしまったみたい。
じゃあ、私とエレジェフィアを同一視したくないわけじゃないよね?
何で、呼んでくれないの…娘が、希望してるのに。
もういないんだよ、エレジェフィアは…あの子は…。
あの子がいなくなれば、私は生まれられると思ってた。
でも、居ても居なくても、パパは私を「エレジェフィア」と呼ばない。
あの子のクローンとして生まれなければ…
最初からエレジェフィアとしてパパから生まれていれば…
呼んでもらえた……?
こいつの代わりに私が生まれていれば…
アンタがいたから…私は生まれることすらできないの!!
パパが死んだ。エレジェフィアを思い出した。
私を忘れた。
酷い、嫌い、パパはお姉ちゃんに殺された。もういない。
いらない、お姉ちゃんなんて…エレジェフィアなんて…
ウウン…モうゼんぶ……消エテ亡クナレ………!!!
ガクッと、レクイエムがその場に倒れる。
エレジェフィア「レクイエム……」
レクイエム「イ、イタ、イヨ…お姉チャン…助ケ…」
これは…正直もう助からない。助かったところで正気の保証がない。
ビオレ「エレジェフィア様。これ」
渡したのは自分のクナイ。
ビオレ「…トドメ刺すなら、使って。エレジェフィアがやるつもりだったんでしょ」
エレジェフィア「………ええ。このままじゃ、もう…」
エレジェフィアはビオレからクナイを受け取る。
パリス「い、いいんですか!? エレジェフィア様も…ビオレさんも!」
ビオレ「いいのよ。私はこのクナイが人の血を吸う事を覚悟しているから」
エレジェフィア「私も平気よ…レクイエム…お父さんの仇よ…
別の形で会えていたら…いい姉妹になれていたかしら…」
そう言って、レクイエムにとどめを刺した。
エレジェフィア「さようなら…レクイエム」
ゼニス「……大丈夫ですか?」
エレジェフィア「…ええ。それよりも…あなたたちが…」
パリス「癒せ…エードヒール!」
パリスの回復魔法がエルブとゼニスとソレイユを治す。
ソレイユ「ありがとう、パリス」
こっちは平気。問題は…
パリス「アスターさん! フクシアさん!」
ずっと座り込んでこちらを見ていた二人の怪我も結構酷い。
アスター「大丈夫だ。もう戦えないがな…」
フクシア「私の回復魔法ならすぐに治せる…
けど、代償に今だけ魔力が尽きるから、どのみちもう戦えないけど…」
それでもいい。もう戦いは無いし…と、
そう思っていた矢先…
死して倒れているカイムから声が。
???「あーあ、もう…この器も終わりね。次、使える科学者探さないと…」
エレジェフィア「! この声は…!」
ソレイユ「何!? カイムの体から…煙みたいなものが…!」
ゼルシェード「…こいつは!!」
ゼニス「知ってるのか、ゼルシェード!?」
ゼルシェード「……っ」
ゼニス「ゼルシェード!!!」
そこから姿を現したのは、翼の生えた、女性…。
???「もう、よくもやってくれたわね。人の争う様、憎む様…見物だったのに…」
エレジェフィア「ベレイザ!!!」
ゼニス「ベレイザ…こいつが!?」
ベレイザ「フッ…久しぶりね、エレジェフィア」
狭い空間で何とか回避する。
そのせいで、周りの機材や装置などがすべて破壊された。
アスター「…命中率なんて気にしてないな…!」
ソレイユ「正気を失ってるせいで、当たりにくいって事!?」
レクイエム「溶け壊れろ! アビスフレイム!!」
またも、ゼニス達には全く命中していない。
フクシア「威力の高い魔法のコントロールがうまくいってないのかも!」
サルファー「それなら勝機は十分にあります! 終わらせましょう!」
一気に攻撃に転じる。
ゼニス「十字閃!!」
ソレイユ「連煌斬舞!!」
レクイエム「やああ!!!」
ゼニスとソレイユの攻撃をくらいながらも、攻撃を仕掛けて来る。
ゼニス「ぐっ…さすがに、まともに喰らうと威力が低いやつでも痛いな…」
サルファー「なら、魔法封じたらこっちのものです! シールアロー」
パリス「視界を閉ざせ…フラッシュスクリーン!」
サルファーが魔法を封じ、パリスが物理の命中率を下げる。
ビオレ「闇毒牙!!」
エルブ「凍り闇へ…ブラックアイス!」
ビオレがレクイエムを毒にさせる。
エルブは能力を封じられたからか、詠唱して魔法を撃つ形になったようだ。
レクイエム「ああああああああ!! 全部っ! ゼンブ…! 邪魔!!!」
アスター「動揺してる…! 何仕出かすか分からない!
悪魔奥義・サファリングソロウ!」
フクシア「天使奥義・オーバーリーンカネーション!」
アスターとフクシアの奥義が炸裂した。物凄い衝撃音が確かにした。
けど……
レクイエム「…ァ…ゥ…で、何で…
お姉ちゃんが…エレジェフィアがいたから…いるから…
私はエレジェフィアとして生まれる事もできなかった…!
深淵に還れ…メギド!!」
アスター「まずい!」
エレジェフィアを庇いに向かおうとしたアスターとフクシアの方に先にメギドの炎が向かう。
フクシア「っ!?」
まともに喰らって、二人とも壁に打ち付けられる。
ゼニス「エレジェフィア様!!」
ゼニスが向かおうとするより先に、エルブがエレジェフィアの間に入り込んだ。
ドーンという轟音の後、刀を盾にして防いだエルブがその場に膝をつく。
エレジェフィア「!! どうして…」
エルブ「ゼニス師匠なら、こうする気がしたから…先にやらせてもらいました…!」
見抜かれている。つまり、ゼニスに無理をさせないために。
エルブ「ビオレさん!」
エルブがビオレに告げた。一番レクイエムに近い位置にいたからだ。
呼んだ意図をビオレはすぐに理解した。
ビオレ「風刃華!!」
エルブ「氷の刃…アイシクル!」
ビオレが刃を投げると、エルブが魔法を撃つ。
氷漬けになったビオレのクナイはレクイエムに刺さり…
ビオレ・エルブ「「砕けろ! アイスナイフスラッシュ!」
レクイエムに刺さった氷漬けのナイフ。その氷だけが内部で砕け散る。
レクイエム「…がっ!?」
パパに愛されたかった。お姉ちゃんがいた。
その名前はエレジェフィア。私はその人から生まれたみたい。
死んだんだって。でもね、私は「エレジェフィア」って呼ばれないの。
「レクイエム」って呼ぶの。
私の名の由来は、「エレジェフィアへの鎮魂歌」って意味で。
でも、パパは「エレジェフィア」のことを、もう忘れてしまったみたい。
じゃあ、私とエレジェフィアを同一視したくないわけじゃないよね?
何で、呼んでくれないの…娘が、希望してるのに。
もういないんだよ、エレジェフィアは…あの子は…。
あの子がいなくなれば、私は生まれられると思ってた。
でも、居ても居なくても、パパは私を「エレジェフィア」と呼ばない。
あの子のクローンとして生まれなければ…
最初からエレジェフィアとしてパパから生まれていれば…
呼んでもらえた……?
こいつの代わりに私が生まれていれば…
アンタがいたから…私は生まれることすらできないの!!
パパが死んだ。エレジェフィアを思い出した。
私を忘れた。
酷い、嫌い、パパはお姉ちゃんに殺された。もういない。
いらない、お姉ちゃんなんて…エレジェフィアなんて…
ウウン…モうゼんぶ……消エテ亡クナレ………!!!
ガクッと、レクイエムがその場に倒れる。
エレジェフィア「レクイエム……」
レクイエム「イ、イタ、イヨ…お姉チャン…助ケ…」
これは…正直もう助からない。助かったところで正気の保証がない。
ビオレ「エレジェフィア様。これ」
渡したのは自分のクナイ。
ビオレ「…トドメ刺すなら、使って。エレジェフィアがやるつもりだったんでしょ」
エレジェフィア「………ええ。このままじゃ、もう…」
エレジェフィアはビオレからクナイを受け取る。
パリス「い、いいんですか!? エレジェフィア様も…ビオレさんも!」
ビオレ「いいのよ。私はこのクナイが人の血を吸う事を覚悟しているから」
エレジェフィア「私も平気よ…レクイエム…お父さんの仇よ…
別の形で会えていたら…いい姉妹になれていたかしら…」
そう言って、レクイエムにとどめを刺した。
エレジェフィア「さようなら…レクイエム」
ゼニス「……大丈夫ですか?」
エレジェフィア「…ええ。それよりも…あなたたちが…」
パリス「癒せ…エードヒール!」
パリスの回復魔法がエルブとゼニスとソレイユを治す。
ソレイユ「ありがとう、パリス」
こっちは平気。問題は…
パリス「アスターさん! フクシアさん!」
ずっと座り込んでこちらを見ていた二人の怪我も結構酷い。
アスター「大丈夫だ。もう戦えないがな…」
フクシア「私の回復魔法ならすぐに治せる…
けど、代償に今だけ魔力が尽きるから、どのみちもう戦えないけど…」
それでもいい。もう戦いは無いし…と、
そう思っていた矢先…
死して倒れているカイムから声が。
???「あーあ、もう…この器も終わりね。次、使える科学者探さないと…」
エレジェフィア「! この声は…!」
ソレイユ「何!? カイムの体から…煙みたいなものが…!」
ゼルシェード「…こいつは!!」
ゼニス「知ってるのか、ゼルシェード!?」
ゼルシェード「……っ」
ゼニス「ゼルシェード!!!」
そこから姿を現したのは、翼の生えた、女性…。
???「もう、よくもやってくれたわね。人の争う様、憎む様…見物だったのに…」
エレジェフィア「ベレイザ!!!」
ゼニス「ベレイザ…こいつが!?」
ベレイザ「フッ…久しぶりね、エレジェフィア」
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