月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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過去は絶望を率いて

月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ 50話

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レクイエム「弾け飛べ! ヴォルトウェーブ!!」

狭い空間で何とか回避する。

そのせいで、周りの機材や装置などがすべて破壊された。

アスター「…命中率なんて気にしてないな…!」

ソレイユ「正気を失ってるせいで、当たりにくいって事!?」

レクイエム「溶け壊れろ! アビスフレイム!!」

またも、ゼニス達には全く命中していない。

フクシア「威力の高い魔法のコントロールがうまくいってないのかも!」

サルファー「それなら勝機は十分にあります! 終わらせましょう!」


一気に攻撃に転じる。

ゼニス「十字閃!!」

ソレイユ「連煌斬舞!!」

レクイエム「やああ!!!」

ゼニスとソレイユの攻撃をくらいながらも、攻撃を仕掛けて来る。

ゼニス「ぐっ…さすがに、まともに喰らうと威力が低いやつでも痛いな…」

サルファー「なら、魔法封じたらこっちのものです! シールアロー」

パリス「視界を閉ざせ…フラッシュスクリーン!」

サルファーが魔法を封じ、パリスが物理の命中率を下げる。

ビオレ「闇毒牙!!」

エルブ「凍り闇へ…ブラックアイス!」

ビオレがレクイエムを毒にさせる。

エルブは能力を封じられたからか、詠唱して魔法を撃つ形になったようだ。

レクイエム「ああああああああ!! 全部っ! ゼンブ…! 邪魔!!!」

アスター「動揺してる…! 何仕出かすか分からない!

悪魔奥義・サファリングソロウ!」

フクシア「天使奥義・オーバーリーンカネーション!」


アスターとフクシアの奥義が炸裂した。物凄い衝撃音が確かにした。

けど……

レクイエム「…ァ…ゥ…で、何で…

お姉ちゃんが…エレジェフィアがいたから…いるから…

私はエレジェフィアとして生まれる認められる事もできなかった…!

深淵に還れ…メギド!!」

アスター「まずい!」

エレジェフィアを庇いに向かおうとしたアスターとフクシアの方に先にメギドの炎が向かう。

フクシア「っ!?」

まともに喰らって、二人とも壁に打ち付けられる。

ゼニス「エレジェフィア様!!」

ゼニスが向かおうとするより先に、エルブがエレジェフィアの間に入り込んだ。


ドーンという轟音の後、刀を盾にして防いだエルブがその場に膝をつく。

エレジェフィア「!! どうして…」

エルブ「ゼニス師匠なら、こうする気がしたから…先にやらせてもらいました…!」

見抜かれている。つまり、ゼニスに無理をさせないために。

エルブ「ビオレさん!」

エルブがビオレに告げた。一番レクイエムに近い位置にいたからだ。

呼んだ意図をビオレはすぐに理解した。

ビオレ「風刃華!!」

エルブ「氷の刃…アイシクル!」

ビオレが刃を投げると、エルブが魔法を撃つ。

氷漬けになったビオレのクナイはレクイエムに刺さり…

ビオレ・エルブ「「砕けろ! アイスナイフスラッシュ!」

レクイエムに刺さった氷漬けのナイフ。その氷だけが内部で砕け散る。

レクイエム「…がっ!?」


パパに愛されたかった。お姉ちゃんがいた。

その名前はエレジェフィア。私はその人から生まれたみたい。

死んだんだって。でもね、私は「エレジェフィア」って呼ばれないの。

「レクイエム」って呼ぶの。

私の名の由来は、「エレジェフィアへの鎮魂歌」って意味で。

でも、パパは「エレジェフィア」のことを、もう忘れてしまったみたい。

じゃあ、私とエレジェフィアを同一視したくないわけじゃないよね?

何で、呼んでくれないの…娘が、希望してるのに。

もういないんだよ、エレジェフィアは…あの子は…。


あの子がいなくなれば、私は生まれられる認められると思ってた。

でも、居ても居なくても、パパは私を「エレジェフィア」と呼ばない。

あの子のクローンとして生まれなければ…

最初からエレジェフィアとしてパパから生まれていれば…

呼んでもらえた……?

こいつの代わりに私が生まれていれば…

アンタがいたから…私は生まれる認められることすらできないの!!


パパが死んだ。エレジェフィアを思い出した。

私を忘れた。

酷い、嫌い、パパはお姉ちゃんに殺された。もういない。

いらない、お姉ちゃんなんて…エレジェフィアなんて…

ウウン…モうゼんぶ……消エテ亡クナレ………!!!


ガクッと、レクイエムがその場に倒れる。

エレジェフィア「レクイエム……」

レクイエム「イ、イタ、イヨ…お姉チャン…助ケ…」

これは…正直もう助からない。助かったところで正気の保証がない。

ビオレ「エレジェフィア様。これ」

渡したのは自分のクナイ。

ビオレ「…トドメ刺すなら、使って。エレジェフィアがやるつもりだったんでしょ」

エレジェフィア「………ええ。このままじゃ、もう…」

エレジェフィアはビオレからクナイを受け取る。

パリス「い、いいんですか!? エレジェフィア様も…ビオレさんも!」

ビオレ「いいのよ。私はこのクナイが人の血を吸う事を覚悟しているから」

エレジェフィア「私も平気よ…レクイエム…お父さんの仇よ…

別の形で会えていたら…いい姉妹になれていたかしら…」

そう言って、レクイエムにとどめを刺した。


エレジェフィア「さようなら…レクイエム」


ゼニス「……大丈夫ですか?」

エレジェフィア「…ええ。それよりも…あなたたちが…」

パリス「癒せ…エードヒール!」

パリスの回復魔法がエルブとゼニスとソレイユを治す。

ソレイユ「ありがとう、パリス」

こっちは平気。問題は…

パリス「アスターさん! フクシアさん!」

ずっと座り込んでこちらを見ていた二人の怪我も結構酷い。

アスター「大丈夫だ。もう戦えないがな…」

フクシア「私の回復魔法ならすぐに治せる…

けど、代償に今だけ魔力が尽きるから、どのみちもう戦えないけど…」

それでもいい。もう戦いは無いし…と、

そう思っていた矢先…

死して倒れているカイムから声が。

???「あーあ、もう…この器も終わりね。次、使える科学者探さないと…」

エレジェフィア「! この声は…!」

ソレイユ「何!? カイムの体から…煙みたいなものが…!」


ゼルシェード「…こいつは!!」

ゼニス「知ってるのか、ゼルシェード!?」

ゼルシェード「……っ」

ゼニス「ゼルシェード!!!」


そこから姿を現したのは、翼の生えた、女性…。



???「もう、よくもやってくれたわね。人の争う様、憎む様…見物だったのに…」

エレジェフィア「ベレイザ!!!」

ゼニス「ベレイザ…こいつが!?」

ベレイザ「フッ…久しぶりね、エレジェフィア」
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