月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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少年との出会い

月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ 35話

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ビオレの後を付いて行くと、大きな建物の前まで来た。

ひたすら真っ直ぐ来ただけだが、入り口から考えると結構歩いた気もする。

ゼニス「…やっぱり、長のいる所だから、か?」

ビオレ「まあね。入り口付近じゃ危険だし。

でも、まあ…姉様の実力なら問題ないと思うんだけどね…」

お姉さん、強いのかな?

ソレイユ「この建物って何なの?」

ビオレ「神社よ。神様を祀る場所。

シオン達に手を貸した神でも、人体実験に関わった神でもないけど」

サルファー「なんていう神なのですか?」

神社の隣の石碑を指さして

ビオレ「ゲンレイ様よ。男性の神様って話だけど…でも…姿は見た事ないわ」

ゼニス「ねえ、ゼルシェード。君なら分かる?

色々知ってるし」

ゼルシェード「知らん。」

ああ、そう。たまにそっけないんだよな。

喋る時は喋るのに。

ビオレ「ほら、立ち話してないで、入るわよ。…それと、一つ約束。」

全員がビオレの方を向く。

ビオレ「この中で、何があっても、みんなは止めようとか、割って入ろうとか、しないで」

何のことかわからなかったが、ビオレがそれっきり口を開かないから、

相当重要な事だろう、と納得させた。


神社の中に入り、ビオレが告げる。

ビオレ「姉様。話は通ってるでしょ。話に応じて」

そう言って誰かのシルエットが映る前に座った。

ゼニス達も次いで座る。

すると、静かにシルエットが動き、その姿を見せる。

髪は降ろしていて、ビオレと同じ瞳の色に、似た色の髪。



この人が、ビオレの…

ビオレ「久しぶり。リラ姉様」

リラ「ビオレ…貴方が任された、科学者の始末はどうなったのですか?」

ビオレ「今やっているところです。彼らと共に」

反射的に背筋が伸びて表情が硬くなってしまう。

リラ「外界の者と…?」

ビオレ「見張りにも言いましたが、

ここの事も向こうの事も異界のような呼び方はやめてください」

はぁ…と深いため息をついたが、どうやらそれ以上は追及しないようだった。

リラ「…それで、何の御用ですか? 任の途中で戻り、ここに来る。

何か理由があるのでしょう?」

姉妹なのか、と思うほど堅苦しい会話。

冷気が走っているような感じがする。

ビオレ「ここの魔物の討伐をしに戻って来た」

リラ「…それだけ? 私なんかに会わなくても勝手にやったらどうです?」

そう、本当は魔物の討伐に許可などいらなかった。

勝手にやって、勝手に死ぬというのだから、という理由だ。

もちろん、勝ってくれるならそれに越した事はない。

だから、これはもう一つの頼みごとをするついでに報告したまでだ。

ビオレ「魔物は私達が必ず倒します。

あなたに許可いただきたいのは…外界と繋がりを持つ事です」

そこまで告げて、一気に辺りが凍り付いた気がした。

この状況で口がまだ動かせるビオレがすごいと思う。

ゼニス達は口をはさむ事ができない。いや、できてもするなと言われるだろうが。

リラ「外と…? 私達は外から嫌われている。

同胞を危険に晒すつもりですか?」

ビオレ「隠れ続ける限り、恐れられ、嫌われます。

全てを隠し、手の内を明かさず、いつか自分達の世界を壊し支配するつもりだろうと思われる。

それに、この件は、魔物の討伐と無関係というわけでもありません」

明らかに「何だと?」とでも言いたげに無言でリラがビオレを見る。

ビオレ「この魔物の討伐により、手に入る事になるルナドロップ。

私達がそいつを倒したいのはそれが理由です。

そしてそのルナドロップを、向こうの王に。病に倒れた王に与えるためです」

リラ「向こうの王に!? …それで何になるというのですか!?」

ビオレ「この里の為です。忍びの者が一人でも、王のために力を尽くしたとなれば、

同胞への味方も変わるでしょう。向こうでの任務もやりやすくなる。」

ゼニス(ビオレ……)

リラは沈黙している。

ビオレ「保証がないからですか? 

王を助けて、この里に、同胞に、危害が及ばない保証がないからですか?」

リラ「そうです。好転する保証はない。」

ビオレ「このまま何もしないなら、良くも悪くもならない!

現状維持はできても、進めない!!」

冷静を保つリラと反対に、とうとうビオレが声を張り上げた。

ビオレ「私もその王に酷い事を言われました! 

けれど、それを悔いてから、病に伏せったと聞いています!」

リラ「信じる材料は?」

ビオレが後ろを振り返る。

ビオレ「私は、彼らを、そしてその話をしていたゼニスを信じてます。

…ゼニスが仕えていた王様です。ゼニスを信じるなら、十分すぎる信頼材料」

ゼニス「………ぁっ!?」

ソレイユ「ビオレ…っ」

後ろを振り向いている間に立ち上がったリラが、ビオレに近付いていた。

刀を構えた状態で。

ビオレ「……」

リラ「駄目だった場合、この里の同胞の命はどうする。死なせたらどうする?」

ビオレ「私が全員の命、預かりましょう。

もしもの場合、私の命をくれてやる事で皆を見逃すようにしましょう」

そう言うと、リラが刀を首の側面に当てた。

リラ「今、ここで首をはねられろと言われて、あなたはそれを受け入れられるか?

それだけの覚悟はあるか?」

ビオレ「ありますよ」

リラ「言葉だけならどうとでも。そうね…昔、言ったわよね」


リラ『ビオレ。もし私がお母様とお父様の後を継いで、

あなたと意見を違える事があったら…』

ビオレ『もう、その話何回目? その時は、一撃。

同時の斬り込みでもって、勝った方が意志を貫け。』

リラ『わかってる? それは、相手を殺す事よ?』

ビオレ『舐めないでよ。私が自分の意志を曲げない時は、お姉様が圧倒的に間違ってる時だけ。

その時、ためらうほど、私は弱くない』

リラ『今からこれなら平気かしらね。まだお父様とお母様が死ぬまではかなりあるはず。

その頃には、今よりも強固な意志になっているのかしら』

ビオレ『お姉様もじゃない?』

リラ『え?』

ビオレ『私が圧倒的に間違っているなら、意志を貫きたいのなら、

私を殺してでもその座を守り抜いてよ?』

リラ『はいはい。』


ビオレが武器を抜く。

ビオレ「一撃。同時の斬り込みでもって、勝った方が意志を貫け。」

リラ「いいのね」

互いに武器を構えた。え、何を…まさか…

ビオレ「よく見てろ! これまでの言葉に嘘があったかどうか!

どれだけ仲間を「信じている」か! その覚悟を!!」

ビオレが踏み出して…

ソレイユ「!」

サルファー「ビオレ…!?」

パリス「あ…っ!」

ゼニス「……っ!」

(…そうか…)


思わず目を伏せたせいで、何が起きたか分からなかった。のは、

ソレイユ、パリス、サルファー。

どうしてこうなっているのか分からなかったのは、リラとビオレ。

何がどうなって、どうしてこうなったのか、分かっていたのはゼニスだけ。

ゼニス「ぐっ…!!」

リラの刀がゼニスの右腕に軽く食い込み、ビオレのクナイがゼニスの左肩を貫いている。

リラの刀がかがんだビオレの首を、ビオレのクナイがリラの心臓を狙った。

その間に入り込んだのだ。

リラはベテランだったのが幸いして、腕を跳ね飛ばすまで行かずに止まっていたのだ。

ビオレ「……ゼニス!!??」

リラ「待って。抜かないで。回復魔法が使える者は?」

パリスとソレイユが挙手する。

リラ「回復魔法を唱えながら抜いて。じゃないと出血が酷くなるし、痛みが馬鹿じゃない」

リラに言われたとおりにしながら、クナイを抜く。

傷のついた左肩もついでに手当て。

ゼニス「あ、ありがとう二人とも…」

ソレイユ「な、なに、何を…何してるのゼニスーー!!」

パリス「び、びっくりしましたよ…何で…」

サルファー「ゼニス…」

口々に心配しながら話しかけてくる。

ビオレ「そうよ! 馬鹿じゃ…」

ゼニス「「信じている」って、言っただろ…

…「姉を殺そうとした自分を止めた上で、殺されないように助けてくれる」って、

信じてたんだ…と思ったんだけど…?」

図星を突かれたのか、ビオレが無言になる。でもすぐに口を開いて

ビオレ「そう、だけど…私を止めて、突き飛ばすか何かして助けてくれる、か…

声を張り上げて止めてくれるもの、だと…こんな、こんな……」

自分と姉の間に滑り込んで両者の刃をその身で受けるなんて…

とでも言いたそうな顔をしている。


ゼルシェード「俺もそう思っていたから止めなかったんだぞ…」

ゼニス「止めてても僕は行ったよ」

頭の中に語り掛けてくる。


ゼニス「…姉妹が殺し合うなんて、駄目だ…」

それだけ言って、手当し始めてから無言だったリラに向き直る。

すると…少し前まで険しい冷たい表情をしていたリラが、微笑んだ。

リラ「ふ、ふふふっ。こんなに根性のある人が、この里以外にもいるなんて…っ」

笑い出した。その様子にビオレまでもあっけにとられている。

ビオレ「姉…様…?」

リラ「…里総出で応援しようじゃないですか。

ここまでしてくれるような人がいるなんて思わなかった…

ごめんなさい、大丈夫? ゼニスさん」

ゼニス「は、はい…え??」

わけが分からない。けど、取りあえず、認めてくれている、のか?

リラ「変に緊張させてしまいましたね…いえ、本気だったんですけど…」

怖い怖い怖い怖い。この里ってどうなっているんだ。

リラ「皆さん。この里の魔物の討伐、お願いします。

里の者の仇でもあるので。…そして、あなた方の王を助けてあげてくださいな」

ビオレ「姉様!!」

ビオレが思い切りリラに飛びついた。ああ、これだよ。これが姉妹の姿だよ。

リラ「ビオレ。この里の未来は貴方にかかってます。

そして、科学者の件も、忘れずにお願いしますね」

ビオレ「もちろんよ!」

ソレイユ「良かったね、ビオレ」

ビオレが離れると、神社の奥からリラが何やら持ってきた。

リラ「これを渡しておきますね。」

渡されたのは、桃色の石。二、四、五個ある。

サルファー「これは?」

リラ「その魔物は石化の恐れがあるので…この石はそれを防止するためのものです。

持って行ってください。」

パリス「あ、ありがとう、ございます…」

リラ「ビオレ、皆さんを案内してあげて」

ビオレ「わかってる!」

ゼニス「それでは…また後で」

そう言って全員が神社を出た。


リラ「また後で…ちゃんと報告にも来るつもりですか…

それにしても…ふふっ、まったく、無茶をする人がいたものね。

…良かったわね。ビオレ。大切にするのよ。」
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