月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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再び迫る影

月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ 7話

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サラテリと戦った後、しばらく谷で倒れこんでいた二人は

ギルドに戻った後、事の経緯を話した。

アクバール「……取りあえず、宝玉はありがとう。

まさか、向こう側が渡してくるなんてね…」

エーリカ「これは私の能力で触れる事ができないようにします。安心してください。

……けれど、貴方達は…どうするんですか…?」

サラテリが言った事。ここに乗り込む準備が進められている。

ゼニス「先ほど言ったとおり、ここを出ます。」

ソレイユ「私とゼニスはあいつらに狙われています。

ここに居たら他のギルド員も巻き込んでしまうので…」

沈黙が流れる。

アクバール「このギルドはね…ある一定の能力を持った者が入れないようにしているんだ。

その能力っていうのが、「戦鬼」「病苦」「飢餓」「勝率」「血塗」「消去」」

ゼニス「飢餓と勝率!?」

エーリカ「はい、貴方達が出会った四零士を名乗る二人です。

能力はともかく、誰が持っているのかまでは分からないので彼らの正体はやはり分かりません。」

ソレイユ「あの、その能力って…」

本当は知らなくてもいい内容なんだけど…とアクバールが話し始める。

アクバール「これらの能力はとりわけ危険と言われていてね…

並の人間ならまずその能力に太刀打ちできないと言われている。

だからギルドに危険が及ばないように、その能力持ちだけは弾くようにしてるんだ。

でも、そのうち二人が仲間だった。となると、他の能力者も同じ組織かもしれない。

そうだと、驚異他ならない。」

なら、なおさら自分達はここに居たら…

エーリカ「…出て行くのは、もう少し待ってください。

仮にも私達の家族です。少し、時間をください…」

ゼニス・ソレイユ「はい……」


受付で座っていると、ロココとバレヌがこっちに来た。

ロココ「ゼニス達ーどうしたの? 元気ないねー!」

バレヌ「ロココ、空気を読め。あの…大丈夫か?」

どうやら話を聞いてきたらしい。

ゼニス「うん、平気。出て行っても旅はできるし、このギルドの人達を危険に巻き込むぐらいなら。」

ソレイユ「そうそう。」

バレヌ「そうじゃない!」

バレヌが食い気味に声を上げる。

バレヌ「危険なら今さらだ。依頼でどれだけ修羅場をくぐってると思っている」

ロココ「何でもかんでも二人だけで背負おうとすんなし!」

二人の優しさが嬉しいと同時に辛い…この二人が死んだらと思うと気が気でない。


一方、ディーベス村。

小さな村だが、火の手が上がっていた。その様はソレイユの村の時と同じ感じだった。

人は死に、家は燃えて…

???「派手にやりましたわね。」

???「……そう? これじゃ足りない」

黒衣の無表情の女性と赤と黒のドレスを着た人が話している。

???「まあ、後はお任せしますわ。」

???「分かった…」

長く話さずにドレスの人は転移する。

???「負を撒き散らせ…三大陸よ…」


ギルド「天馬」。

エーリカ「皆さん、マスター室へ集まってください!

緊急の依頼です!」


エーリカに呼ばれ、マスター室にゼニスとソレイユ、ロココとバレヌが向かう。

ゼニス「緊急って!?」

エーリカ「こちらの方達からの依頼です。旅人らしいのですが、

通りかかった村が襲撃されていたらしいのですが…」

依頼主だと紹介された女性は黄緑のような黄色のような髪をしている。



リナリア「私はリナリア。クレイドル大陸から旅に出ていた者です。

道中、村が襲撃されているのを見て、犯人も見つけました。

それを追って私の仲間のシスルと戦ったのですが、歯が立たず…

シスルが応援を呼んでこい、と……」

それで緊急用の依頼晶に依頼を入れて、ここにエーリカさんが招いたのだろう。

エーリカ「お二人は以前にも旅をしていて、魔王を倒した人たちの仲間だという事です。

その人達でも勝てない相手。後は分かりますか?」

……

ソレイユ「あいつらかもしれない、って事…!」

そうなると戦える面子は限られる。いや、自分達でも勝てる保証は無いのだが。

バレヌ「どうする? 正面から全員で飛び込むか?」

ロココ「はあ!? そんな事して全員ぶっ飛ばされたらどうすんの!?」

よく考えろ、全線で耐えられるのは自分達だけだ。

魔術専門のバレヌは前に出ない方がいい。ロココは接近型だが、素早さ重視。

当たった場合の補償ができない。

ゼニス「……一ついいですか。リナリアさん。あと、バレヌとロココ。

みんなはここから補助魔法で援護してほしい。」

バレヌ「……いいのか? 俺達だけ安全で…」

ソレイユ「援護があると結構楽だよ? だから任せて!」

リナリア「…どうか、シスルをお願いします…」


リナリアから場所を聞いて、そこまで転移する。

ギルドと連絡が取れる道具で連携を取る。

エーリカ「ここを真っ直ぐ行けばいます」

ゼニス「…ソレイユ。危ないと思ったらシスルさんを連れて逃げて」

ソレイユ「私はゼニスと一緒に戦う」

言っても無駄か…

歩いて行くと、黒衣の人が二人戦っている。

手前で押されている背の高いのが恐らくシスルだろう。





ゼニス「……時双波!!」

攻撃しながら一気に相手との距離を詰める。

シスル「!?」

ソレイユ「貴方の仲間のリナリアさんから頼まれたの! 

貴方は下がってて!」

……

シスル「……リナリア」

ゼニス「お前は誰だ…フェズとサラテリの仲間か!?」

すると黒衣の女性は少し黙り込んだ後に黒衣を外す。

プリムローズ「そう。私はプリムローズ。…そう、貴方がゼニス…」



可愛い見た目とは裏腹にすごい殺気がある。武器は、何だ…?

シスル「こいつの武器は指輪だ! そこから出る魔力を腕に纏わせて切り刻んでくる!」

魔刃の類か…

プリムローズ「どうするの、貴方達が相手になるの?」

ゼニス「ああ、僕達二人だけでもやってやる!」

……

シスル「俺も戦う。まだいける…!」

ソレイユ「あーもう、分かったよ、ちょっと待って!」

回復魔法を唱えてシスルの怪我を回復させる。

シスル「……悪い」


ソレイユ「火炎輪!!」

火を纏った刃をプリムローズに向かって振りかぶる。

プリムローズ「っ! 無駄。」

酷く冷静な…いや、冷徹な口調で弾く。

ソレイユ「なっ、ただの攻撃が結構威力重かった!?」

プリローズ「この程度で重いと思ったなら無理」

ゼニス「無明剣!!」

二人がかりで両側から攻撃してもあっけなくあしらわれるし、

ゼニス「ぐ、っく!」

(重い! 本当に一撃が…憎しみ…!?)

なぜだろう、彼女から憎しみが伝わってきた。

というか、あれ、シスルはどこに行った?

シスル「殺気立って他の殺気に気付けてないんだ、お前…

こいつらに気をとられたな…! ダークエッジ!!」

いつの間にかプリムローズの背後に回っていたシスルが一撃入れる。

プリムローズ「くっ…小癪な……」

これが、魔王退治に加わっていた者の実力…

プリムローズ「………」

ゼニス「何で村を滅ぼした?」

プリムローズ「ラディル大陸、クレイドル大陸、ディレオン大陸、

否、この世全てが罪人。」

何言ってるんだ、こいつは……

プリムローズ「いい、もう、殺す。」

指輪を自身の前に構える。これはフェズとサラテリと同じ行動だ。

プリムローズ「私は戦鬼の能力を持つ黄零士…

殺戮の悪魔ベルム・ディアボリ……」

そう唱えると、プリムローズの周りをオーラが覆う。

シスル「まずい!! 俺達はこれにやられた!」

ゼニス「え…なっ!?」

急に攻撃が激しくなった。

ソレイユ「ど、すんの!? っていうか、援護は!?」

援護が来ない事を気にし始めた時、

エーリカ「今から補助魔法をかけます!」

バレヌ「回復魔法は任せろ!」

ロココ「素早さ上げてやるし! 追いつけ!」

リナリア「皆さん! シスル! 頑張って!」

援護が遅い…! 能力を使われるのを待っていたのか!?

プリムローズ「どうせ無駄。貴方達の剣は軽い…!

スパークゼロ!」

雷属性か。飛んできた魔法を両端にかわす。

シスル「っはあ!」

ソレイユ「やあああ!」

シスルとソレイユの連撃をかわしているおかげで相手に隙ができた。

ゼニス(よし、これならいける…!)

剣を構えた時、シスルとソレイユが吹っ飛ばされる。

ソレイユ「っ!?」

シスル「ぐっ…!!」

プリムローズ「うるさい…殺す!」

そこに向かって突っ込んでいく。

ゼニス「させるか…っ! 栄華…救世剣!!」

プリムローズ「!?」

やっぱり仲間が危ない時にかぎって発動される。

ゼニス「はあ、はあ……あれ、またできた…どうやってたっけ??」

プリムローズ「…な、んで…」

どうやら結構大きい一撃を当てられたようだ。

相手の強化も切れた。動けないのかその場に座り込む。

ゼニス「……シスルさん。けがは…」

シスル「俺は平気だ。そっちのやつ見てやれ……」

頷いてソレイユに駆け寄る。

ソレイユ「ゼニス…また、あの技…」

ゼニス「僕も分からない…またやり方覚えてなくて…」

そう話をしていると…

プリムローズ「う、…ぁ…らああああああ!!!」

シスル「避けろ!!」

ゼニスの背後からプリムローズが斬りかかってきた。

駄目だ、避けられない。


そう思ったが、どこも斬れていない。

ゼニス「え……」

目の前にいたのは黒いローブを深く被った奴。

プリムローズ「……理解。そうね、サラテリやフェズと仲間割れは避けたい。

……ゼニス。ソレイユ。このギルドは、いつか墜とす。必ず。」

それだけ告げて黒いローブの奴とプリムローズは転移していった。


リナリア「あの、ありがとうございました。おかげでシスルも助かりました!」

シスル「……ふん」

ツンデレ?

リナリア「もう、ごめんなさい……」

ゼニス「シスルがいないとやりにくかったです。

こちらとしてもすごく助かりましたよ」

リナリア「報酬は渡してあります。どこかでまた会う事ができたらいいですね」

シスル「…行くぞ、リナリア」


………

シスルとリナリアが帰った後。

バレヌ「……ゼニス、ソレイユ」

ゼニス「…ここまでギルドが巻き込まれているのを見てはいられません。

今回はシスルさんの助けとギルドからの援護があった。それに依頼だった。

でも、プリムローズは言い残しました。「このギルドはいつか墜とす」と。

それも僕達に」

ソレイユ「私達がここに居る限り、墜としてやるって意味だと思うんです」

もうその目に迷いはなかった。だから、アクバール達も止める事ができない。

アクバール「わかった。けどね。君達はここのギルド員だ。

…だから、連絡端末は持っていてほしい。」

エーリカ「それがあればここといつでも連絡が取れます。

帰りたい時は呼んでください。こちらも、もし今回のような依頼が来たらお願いしたいので…」

帰る場所はここ。いつでも戻って来ていい。

それがすごく嬉しかった。

ロココ「ゼニス、ソレイユ…あのさ」

いつもハッキリズバッと話してくるロココがどもっている。

ロココ「なんかあたしよりあんた達の方が強くてさ、先輩としては悔しいけど…

あたしの目標、あんた達だから、変な所でくたばんないでよ!?」

バレヌ「俺もだ。俺の目標もお前達だ」

……

ゼニス「僕の帰る場所が増えたな……ありがとう、二人とも。」

ソレイユ「マスター、エーリカさん、お世話になりました。

恋しくなったら乗り込みます!」

アクバール「…気を付けてね。厳しくなったらすぐに戻っておいで。

ギルドマスターとして、君達家族の事は必ず守ろう。仮に外にいたとしてもね」

長居するのも危険なので、部屋はそのままに二人は一番近い街に降ろしてもらった。

ここからは徒歩だ。ギルドと連絡しながら、宝玉集めも続けなければ。


某所。

サラテリ「プリムローズの時は使えたんだ、ゼニス君」

プリムローズ「うん、でも…あれ」

???「確証は無いですね…決めつけるのは早いです」

フェズ「俺の時は破れかぶれだったからな…ちっ、直接確かめてぇ!」

???「ところで、サラテリ。あのギルドに乗り込む準備の話…できてないだろ」

サラテリ「えへへ、ハッタリも大事だよ♪

そこにプリムローズの発言も加わって危機感が出た。

ってことで、ゼニス君達はあのギルドを降りたと思うよ♪」

???「一番の安全地帯から引きずり下ろすなんて、サラテリもたまに怖くなりますわね」

???「次、誰が行く? 僕でもいいけど」

???「いえいえ、あなたはもう少し待っていてください。

……私の弟に出てもらいますよ」
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