月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

文字の大きさ
上 下
5 / 100
再び迫る影

月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ 5話

しおりを挟む
朝。適当に朝食を取って準備するとバレヌと鉢合わせた。

バレヌ「ああ、お前達か。」

ゼニス「ああ、おはよう、バレヌ。今日は依頼?」

バレヌ「ああ……これからロココをたたき起こしに行く所だ」

朝に弱いんだろうか。バレヌも弱そう…ああ、弱いけど頑張ってる感じか。

ソレイユ「私達はこれから遺跡行ってくるんだ!」

遺跡? とバレヌが聞き返してくる。

ソレイユ「ここここ! ファーム遺跡!」

バレヌ「ここか…1万年ほど前からあった遺跡らしいぞ。

不思議な事に、原形をとどめているらしい」

世界樹みたいに長く残り続けているのか……

バレヌ「まあ、気を付けて行って来てくれ」

そう言ってロココの部屋に入る。

ゼニス「僕達も行こうか…」

ソレイユ「うんっ! 楽しみー!」

と、廊下を歩き始めた時…

ドゴーーーンと大きな物音がロココの部屋から。

ロココ「魔法で起こす奴がある!?」

バレヌ「俺も朝は苦手なんだ! のんきに寝ていられたらムカつくだろう!?」

やれやれ…朝からやっている。

ゼニス「そういえば、エーリカさんに遺跡に行くことは…」

ソレイユ「ばっちり! 伝えてあるよ。だから転移魔法陣も出してもらってるはず!」

ソレイユが言ったとおり、転移エリアに魔法陣が設置されている。

ゼニス「よし、じゃあ行くか」


魔法陣に乗れば、そこは遺跡の目の前。

ソレイユ「わぁー! すごいっ、ほとんど壊れてないよ!」

ゼニス「…これが、一万年前の遺跡なのか? 綺麗すぎる…」

ソレイユからもらった本を見た限り、

一万年前から手入れをされたり造り変えられた事実はないようだ。

ゼニス(…何か加護でもあるのか……?)

ソレイユ「ゼニス! ここ入れるみたいだよ!」

言いながらさっさと遺跡の中に入っていってしまう。

さすがに危なくないか…魔物でもいたら…観光客だっていないし。

ゼニス「待ってソレイユ! 僕も行く!」

慌ててその後を追いかける。


内部も結構綺麗だった。

崩れて通れない道も無いし、奥に進むのに困りはしなさそうだ。

ソレイユ「仕掛けとかないのかな!?」

ゼニス「はは…さすがに仕掛けとかは停止してそうだけど…」

にしたって、本当に一万年経っているとは思えない。

それはソレイユも思っていたようで…

ソレイユ「…本当に、手入れされてないんだよね?

何かいるのかな……」

ゼニス「……あれ、これ…」

仕掛けがあった。これはレバー式の仕掛けだ。

ゼニス「ソレイユ、遺跡の本見せて」

ソレイユから本を受け取って、内部構造のページを開く。

ゼニス「…やっぱり…」

作動させられている。本来上がっているはずのレバーが下ろされている。

ソレイユ「私達の他に誰かいるって事?」

ゼニス「…慎重に先に進もう」


残りの仕掛けも全部作動させられていたため、誰かが最奥にいるかもと思ったが、

結局行き止まりまで進んでも誰もいなかった。

ソレイユ「…おかしい…誰もいないなんて…もう出て行ったのかな?」

ゼニス「…これ見て、ソレイユ。」

ゼニスが指さしたところに古代文字と何かが嵌まっていたような丸いくぼみがある。

ソレイユ「…読めない」

ゼニス「ちょっと待って。

僕の師匠のブライトさんに古代文字は教えてもらったから、多分読めるよ」

ブライトは結構な遺跡好きで、古代文字に詳しかった。

特訓ついでによく教えられていたのだ。

ゼニス「…えーと…」


『七つの秘宝。

それは願いを叶えし、神秘の魂。

それが集い、力を取り戻し時ーー

それが集い、彼の世の者に共鳴し時ーー

時の…は……る…』


ゼニス「…ごめん。ここまでだし、途中読めない。」

ソレイユ「何の事??? 一万年前の事だからよく分かんないかなぁ…」

もしかして七つの秘宝の一つは、ここに嵌っていた物なのか?

一万年前になくなっていたのなら良いが、誰かが最近取って行ったなんて事は…。

突如、酷い地震が起きる。

ソレイユ「何!?」

ゼニス「地震!? 不味い崩れる! ソレイユ出よう!」

急いでもと来た道を通る。

さっきまで頑丈で壊れそうでなかった遺跡がなぜ突然…


何とか崩れる前に脱出した二人。

ゼニス「はあ、はあ…間一髪…ソレイユ、平気か?」

ソレイユ「はぁっ、うん…大丈夫」

跡形もないな…と、崩れた遺跡の方を見る。

そこで、ソレイユに声をかけられた。

ソレイユ「ゼニス、誰かいる……」

ゼニス「え?」

慌てて飛び出してきた人だろうか。

ゼニス「……え…」

目の前に背を向いて立っている黒衣の男。

???「おーおー、無事だったか良かったなぁ?

中に人がいるなんて聞いてないぜ」

ゆっくりと振り返って言葉を発したその男。

その声に聞き覚えがあった。

ゼニスとソレイユ、二人とも。


???「お前の持ってるその指輪が目的だ。だから、それを渡してくれれば命は助けてやる」


???「……今ギルドに乗り込んだ女に用がある奴っていえばいいかぁ?

優柔不断な騎士様よぉ…」


ゼニス「あの時城を襲撃した奴か!」

ソレイユ「ぁ…あ…の時、村に来た…」

少し考えこんだ後、思い出したかのように反応する。

???「あーよく見たら優柔不断な騎士様と指輪の持ち主の女じゃねぇか!」

ゼニス「お前、誰だ! こっちの質問に全く答えないで!」

そう叫ぶと、黒衣を外した。

赤い装束に赤い髪をしたやつだ。



フェズ「俺はフェズ。四零士よんれいしって呼ばれてる。」

四零士…聞いた事が無い。いや、あるような気がするんだけど…

あれ、思い出せない。

ゼニス(記憶喪失だからな…知らないか…)

ソレイユ「ゼニス…四零士って…この世界の絵本に出て来る人だよ…」

ゼニス「は!? 絵本!?」

いや、落ち着け、絵本の中の登場人物を名乗っているだけかも…

フェズ「無視して話進めてんなよ…」

ゼニス「…ここに何をしに来た? 

口振りから、僕達がここに居る事は知らなかったみたいだし…」

そう言うとゼニスの事を…いや、その後ろにある遺跡の残骸を指さした。

フェズ「その遺跡の中にあった物を取りに来たのと、その遺跡をぶっ壊しに来た」

ソレイユ「ちょっ、と! 何してんの!?」

フェズ「必要だからだ。色々解読されちゃ困るし、こいつも奪われちゃ困んだよ」

フェズが見せたもの。赤い宝玉。恐らく最奥に嵌っていたものだ。

フェズ「これで帰って来いって言われてんだけど、お前がいるなら話は別だよなぁ!?」

フェズが見ているのは自分じゃない。ソレイユだ。

指輪の持ち主って言っていた。ソレイユが付けている指輪が狙いだ。

ゼニス「ソレイユ! 下がって!」

ソレイユ「だ、大丈夫! 私も戦えるよ、ゼニス!」

武器を構えてフェズの前に立つ。


フェズ「へぇー…やる気か? まあ、見逃す気もなかったけどな!」

フェズも剣のようだ。剣同士の戦いなら騎士の自分なら慣れている。

ゼニス「無明剣!!」

(先手必勝だ! とにかく相手よりも先に!)

キーンと剣同士のぶつかる音が響く。

でも、剣は弾けないし、相手もまだ余裕がありそうで。

フェズ「ダークアロー!」

ぶつかった剣から魔法が放たれる。

ゼニス「なっ!? 魔法!? なんで武器から!?」

フェズ「誰が物理しかないって言った? 俺の属性は闇属性。

俺達の武器は特殊でなぁ。武器から魔法を放つことも可能だ。お前らとは違ってな!」

今度はフェズがゼニスに斬りかかってきた。

ゼニス「ぐっ!」

(力が強い! 何者なんだ…!?)

ソレイユ「やああっ! 空天翔!!」

ゼニスとフェズの間に飛び掛かって引き離す。

そのまま連撃していくが、全てかわされる。

ゼニス「十字閃!!」

でも、ソレイユの方に気を取られている隙に十字に斬りつける。

フェズ「ちぃっ! さすが騎士隊長様だなぁ、やられそうだ…!」

嘘つけ、とは思ったが、言い争いをしている余裕はない。

ソレイユ「うるさい! よくも私の村を…そのままやられて!」

フェズ「俺がこの程度だと思ったか?」

そう言って剣を自身の前に構えた。

フェズ「俺は飢餓の能力を持つ紅零士…

飢えの痛みドロア・フェイムス!!」

そう唱えた途端、ゼニスとソレイユの真下から何か魔力が上がってきた。

その瞬間…

ゼニス「何、だ、これ…!?」

ソレイユ「力が…抜けるっ」

剣を持つ力が入らない。

ゼニスは立っているのが精いっぱい。ソレイユは立つ事さえ厳しかった。

フェズ「俺の能力スキルは生命力を喰らう。もう力が入らねぇだろ? そらっ!!」

ゼニス「がはっ!?」

ソレイユ「ゼニス!?」

ゼニスが壁に叩きつけられた。

フェズ「で、どーするよ。またこのパターンだな。

その指輪を寄越せば殺さねぇぞ?」

渡す以外に道は無い。けれど、それでも渡す気にはなれなくて…

ソレイユ「渡さない…村を滅ぼした貴方に渡す気なんて無い!」

フェズ「…いい加減気づけよ、命の方が大事だって」

不味い、このままじゃ、ソレイユが…

ゼニス「……っ」

(どうする…どうする…!? ギルドに連絡…間に合うか!?

逃げる…まともに立てないのに…!?

なら戦うか…無理だろう!? なら滑り込め、この二人の間に…!

自分が盾にさえなれば……!!)

ゼニス「ソレイユ!!!」

振り絞れる限りを尽くして二人の間に滑り込み、

弾かれる事を覚悟で剣を振るう。正直力なんてほぼ無かった…はずなのに…

カキーン…

フェズ「……!」

弾かれたのはフェズの剣の方。

ゼニス「栄華救世剣……!」

武器を持たないフェズに技を叩きこむ。

咄嗟に立ち退いたので、フェズは軽い傷で済んだ。

フェズ(何だ…今の…!)

ソレイユ「ゼニス……?」

ゼニス「……何だ、この力……あ、あれ…急に立っていられな…っ」

元々、走る事さえ厳しかったのを攻撃したのだ。無理もない。

まずい、ここで退いてくれなかったら…と思ったが、それは杞憂に終わる。

フェズ「……お前、なんでそこまで自己を犠牲にする?

そこまでして誰かを助けようとする?」

ゼニス「…大事な、仲間だからだ……! 目の前で誰かが傷つくのは見たくないからだ…!」

……

フェズ「それだけで能力を喰らっても俺に一撃入れるとはな……

お前はもちろん、そっちの女の連撃もいい動きしてた…。

ゼニス君、ソレイユちゃん。また会う事になるだろなぁ…

お前らの顔は覚えておくぜ……」

それだけ言い残して転移していった。

ソレイユ「ゼニス! 平気!?」

ゼニス「ちょっと…キツイかも…」

ギルドにすぐに連絡を入れて、歩く事もままならなかったので、

ここまでエーリカに迎えに来てもらった。バレヌとロココもギルド終わりで駆けつけてくれた。


食堂で休みがてらエーリカとアクバールに事の経緯を話した。

エーリカ「四零士ですか…童話の中の人物を名乗っていたと…」

アクバール「生命力を喰らう能力か…物騒だね…」

ソレイユ「あんなの喰らったら、ただ殴られただけでも瀕死になっちゃいます…」

……

ゼニス(でも、僕はフェズの剣を弾いて一撃を入れた。

馬鹿力って奴なのか……?)

アクバール「ゼニス君は、そいつに一撃入れたんだよね。

その技は今も使える?」

ゼニス「……いえ、やり方が分からないというか…

振り方が分からなくて…破れかぶれで偶然できた産物だったのかと…」

エーリカ「ソレイユさんを助けたいという一心でしょうか…」

重苦しい雰囲気だったので、マスターであるアクバールが手を叩いて切り上げる。

アクバール「まあ、古代文字の事とか、四零士って名乗る男の事とか、

奪われた宝玉の事についてはこっちでも調べてみるよ。

君達は今日はゆっくり休んで」

今日の所はゼニスとソレイユは部屋に戻る事になった。

情報も少ないため、後はマスター達に任せる形に。


某所。

???「おー? フェズお帰りー! どうだった?」

フェズ「指輪の持ち主のソレイユちゃんと、あの優柔不断な騎士様のゼニス君と会った。

けど…」

???「……どうしたの、その腕の傷…」

フェズ「…俺の能力スキルを喰らったゼニス君にやられた」

???「…あんたの能力を喰らったのに…?」

???「ちょっとちょっと凄いじゃん! あー、あたしも会ってこようかなぁ!」

フェズ「おい! ゼニス君は俺の獲物だからな!? 殺すなよ!?」

???「あんたのじゃないだろう。死んだらそこまでの奴だったってだけだ…」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界にアバターで転移?させられましたが私は異世界を満喫します

そう
ファンタジー
ナノハは気がつくとファーナシスタというゲームのアバターで森の中にいた。 そこからナノハの自由気ままな冒険が始まる。

【完結】断罪を終えた令嬢は、まだ恋を知らない。〜年下騎士から好意を向けられている?対処の仕方がわかりません⋯⋯。

福田 杜季
恋愛
母親の離縁により、プライセル公爵家の跡取り娘となったセシリアには、新しい婚約者候補が現れた。 彼の名は、エリアーシュ・ラザル。 セシリアよりも2つ年下の騎士の青年だった。 実の弟ともまともに会話をしてこなかったセシリアには、年下の彼との接し方が分からない。 それどころか彼の顔をまともに直視することすらできなくなってしまったセシリアに、エリアーシュは「まずはお互いのことをよく知ろう」と週に一度会うことを提案する。 だが、週に一度の逢瀬を重ねる度に、セシリアの症状は悪化していって⋯⋯。 断罪を終えた令嬢は、今度こそ幸せになれるのか? ※拙著『義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜』の続編ですが、前作を読んでいなくても楽しめるようにします。 ※例によってふんわり設定です。なるべく毎日更新できるよう頑張ります。 ※執筆時間確保とネタバレ&矛盾防止のため、ご感想への返信は簡単めになります⋯。ご容赦ください。

嫌われ者の皇族姫

shishamo346
ファンタジー
両親に似ていないから、と母親からも、兄たち姉たちから嫌われたシーアは、歳の近い皇族の子どもたちにいじめられ、使用人からも蔑まれ、と酷い扱いをうけていました。それも、叔父である皇帝シオンによって、環境は整えられ、最低限の皇族並の扱いをされるようになったが、まだ、皇族の儀式を通過していないシーアは、使用人の子どもと取り換えられたのでは、と影で悪く言われていた。 家族からも、同じ皇族からも蔑まされたシーアは、皇族の儀式を受けた時、その運命は動き出すこととなります。 なろう、では、皇族姫という話の一つとして更新しています。設定が、なろうで出たものが多いので、初読みではわかりにくいところがあります。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。 お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。 ただ、愛されたいと願った。 そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。 ◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」  突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、 手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、 だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎  神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“  瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・  転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?  だが、死亡する原因には不可解な点が…  数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、 神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?  様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、 目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“  そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪ *神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw) *投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい *この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~

柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」  テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。  この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。  誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。  しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。  その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。  だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。 「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」 「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」  これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語 2月28日HOTランキング9位! 3月1日HOTランキング6位! 本当にありがとうございます!

処理中です...