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番外編1. happiness
2.
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「と言うわけなんですけど。どうですか?」
帰宅して、待ってくれていた香緒さんに早速祐樹との話をした。
「わっ!」
ベッドに並んで座り、話をしていたのだが、話し終わると香緒さんが俺に飛びつき反動で押し倒されるように転がった。
「嬉しい。もの凄く嬉しい。いいの?本当に」
俺の身体に身を預けて、首に抱きつたいまま香緒さんが喜びを顕わにしている。俺はその背中を抱きしめながら「もちろん」と答えた。
香緒さんは顔を上げたかと思うと、「そうだ。希海に予定聞いてみよ?」と言いベッドの上にあるスマホを手にした。そしてそのまま横に転がり、俺にくっついたまま希海さんにメッセージを送っていた。
「いいんですか?こんな時間に」
俺が飲みに行って帰ってきたくらいだから、もう0時を回っている。
「んー。起きてたらすぐ返事くれると思う。……あ、来た」
そう言いながら香緒さんはスマホを操作している。
「今から来てくれるって」
香緒さんは肩越しで首を反らせて上目遣いで俺を見ながらそう言った。
「チュッ」
あまりにも香緒さんが可愛くて、目の前の額にキスをする。離れてからその顔を見ると、猫がうっとりしているみたいな表情をしているた。
ほんと……。堪らない……
俺は上半身を起こして、香緒さんの唇を味わった。
「……んっっ」
俺に応えるように、香緒さんは俺の首に絡まる。深まる唇に舌の絡む音、合間に香緒さんから漏れる吐息が聞こえた。
「はぁっ……っ」
何度も深く舌を絡めあっていると、ピンポーンと部屋のインターフォンが鳴り、その音に我に返った俺は唇を離した。目の前の香緒さんは、潤んだ瞳でこちらを見つめていた。
ピンポーン
もう一度催促されると、さすがの香緒さんも飛び起き玄関に向かった。
見えないところから「ごめん希海!お待たせ」と香緒さんの声が響いて来て、少し間を置いて2人がやってきた。
ベッドに座っていた俺と、希海さんの視線がハタッと合うと、「呼ばれたから来たが、邪魔だったか?」と真顔で言われてしまう、
なんかもう、さっきまで何してたかバレバレでとにかく恥ずかしい。
希海さんはシャワーを浴びていたのか、洗い晒しの髪で肩にはタオルを引っ掛けシャツにスエットとラフな格好だった。と言うか、もう寝ようとしていたんではないだろうか。
香緒さんはそんな希海さんに構う事なく、さっきの話しをしていた。
「と言う事で、10月の土日空いてる日ある?」
香緒さんが希海さんにそう尋ね、俺は「何で土日限定なんですか?」と香緒さんに尋ねた。
「だって、祐樹君にも来てもらいたいし。土日なら休みでしょ?」
「確かに……」
「ちなみに、聞きたいのは響の予定ね。僕は希海の予定だいたい知ってるし」
じゃあなんで響に直接聞かないんだろう?と思っていたら希海さんがその答えを教えてくれた。
「響はもう寝てる。あいつなら3、4週目の土日なら空いてる」
香緒さんと希海さんは一緒に仕事する事も多いから、お互いのスケジュールを把握しているのはなんとなく理解出来るけど、希海さんが響の予定を即答できるなんて……なんか凄い、と勝手に感心してしまった。
「じゃあ俺、祐樹に聞いてみます」
「だね。僕は……衣装当たってみるね。もう一か月ないから急がないとね」
「俺も当たっておく。よかったな。香緒」
立ち上がり、希海さんは香緒さんの頭をポンポンと撫でた。それに香緒さんは嬉しそうに「うん」と返事をしていた。
こういう時の2人は、仲の良い兄弟……と言うより、お父さんと子供みたいに見えてくる。それくらい微笑ましい。
……なんて2人には言えないけれど、と俺は心の中で思っていた。
帰宅して、待ってくれていた香緒さんに早速祐樹との話をした。
「わっ!」
ベッドに並んで座り、話をしていたのだが、話し終わると香緒さんが俺に飛びつき反動で押し倒されるように転がった。
「嬉しい。もの凄く嬉しい。いいの?本当に」
俺の身体に身を預けて、首に抱きつたいまま香緒さんが喜びを顕わにしている。俺はその背中を抱きしめながら「もちろん」と答えた。
香緒さんは顔を上げたかと思うと、「そうだ。希海に予定聞いてみよ?」と言いベッドの上にあるスマホを手にした。そしてそのまま横に転がり、俺にくっついたまま希海さんにメッセージを送っていた。
「いいんですか?こんな時間に」
俺が飲みに行って帰ってきたくらいだから、もう0時を回っている。
「んー。起きてたらすぐ返事くれると思う。……あ、来た」
そう言いながら香緒さんはスマホを操作している。
「今から来てくれるって」
香緒さんは肩越しで首を反らせて上目遣いで俺を見ながらそう言った。
「チュッ」
あまりにも香緒さんが可愛くて、目の前の額にキスをする。離れてからその顔を見ると、猫がうっとりしているみたいな表情をしているた。
ほんと……。堪らない……
俺は上半身を起こして、香緒さんの唇を味わった。
「……んっっ」
俺に応えるように、香緒さんは俺の首に絡まる。深まる唇に舌の絡む音、合間に香緒さんから漏れる吐息が聞こえた。
「はぁっ……っ」
何度も深く舌を絡めあっていると、ピンポーンと部屋のインターフォンが鳴り、その音に我に返った俺は唇を離した。目の前の香緒さんは、潤んだ瞳でこちらを見つめていた。
ピンポーン
もう一度催促されると、さすがの香緒さんも飛び起き玄関に向かった。
見えないところから「ごめん希海!お待たせ」と香緒さんの声が響いて来て、少し間を置いて2人がやってきた。
ベッドに座っていた俺と、希海さんの視線がハタッと合うと、「呼ばれたから来たが、邪魔だったか?」と真顔で言われてしまう、
なんかもう、さっきまで何してたかバレバレでとにかく恥ずかしい。
希海さんはシャワーを浴びていたのか、洗い晒しの髪で肩にはタオルを引っ掛けシャツにスエットとラフな格好だった。と言うか、もう寝ようとしていたんではないだろうか。
香緒さんはそんな希海さんに構う事なく、さっきの話しをしていた。
「と言う事で、10月の土日空いてる日ある?」
香緒さんが希海さんにそう尋ね、俺は「何で土日限定なんですか?」と香緒さんに尋ねた。
「だって、祐樹君にも来てもらいたいし。土日なら休みでしょ?」
「確かに……」
「ちなみに、聞きたいのは響の予定ね。僕は希海の予定だいたい知ってるし」
じゃあなんで響に直接聞かないんだろう?と思っていたら希海さんがその答えを教えてくれた。
「響はもう寝てる。あいつなら3、4週目の土日なら空いてる」
香緒さんと希海さんは一緒に仕事する事も多いから、お互いのスケジュールを把握しているのはなんとなく理解出来るけど、希海さんが響の予定を即答できるなんて……なんか凄い、と勝手に感心してしまった。
「じゃあ俺、祐樹に聞いてみます」
「だね。僕は……衣装当たってみるね。もう一か月ないから急がないとね」
「俺も当たっておく。よかったな。香緒」
立ち上がり、希海さんは香緒さんの頭をポンポンと撫でた。それに香緒さんは嬉しそうに「うん」と返事をしていた。
こういう時の2人は、仲の良い兄弟……と言うより、お父さんと子供みたいに見えてくる。それくらい微笑ましい。
……なんて2人には言えないけれど、と俺は心の中で思っていた。
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