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番外編 酸いも甘いも
side健二4*
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その後俺たちは、どちらともなくお互いを求めた。
寝室に連れ込みベッドに久美を沈めると「その……。久しぶりで……」なんて恥ずかしそうにしている。
「久しぶりって……いったいどれくらいだよ……」
白い首筋に音を立ててキスの雨を降らせながら尋ねてみる。さすがについ最近まで結婚していたくらいだ。さすがにそれなりには、と軽く嫉妬する。
「えーと……。冬弥を妊娠してから一度も……してなくて……」
「マジ?」
冬弥は今年9歳。ということは10年以上の計算だ。俺なんて、その間何人と付き合ったか覚えていない。そんなことさすがに言えねぇが。
驚きながらその顔を覗き込むと、恥ずかしそうに頷く。それに思わず口角が上がった。
「ってことは、俺が顏も知らねぇクソ野郎のことは、もう忘れてるってことだよな?」
俺は結婚式には行っていない。仕事があると言い訳していかなかった。久美の隣に並ぶ幸せそうな男の顔なんて死んでも見たくなかったから。
「う、ん……。まぁ。けど、私。いうほど経験してないし、その、期待外れかも知れないから……」
不安そうに俺を見上げる久美の唇に、軽く唇を落としてから俺は笑う。
「なわけないだろ。こうしてるだけで気持ち良すぎて死にそう」
Tシャツの中に手を滑り込ませて、そのしっとりした肌に指を滑らせる。
「それは早すぎでしょ? でも、私もフワフワする。健二に触れられるだけで」
おずおずと肩に手を回して久美は言う。それに俺の体の熱は一気に高まった。
「無意識に煽るなって」
「別に煽ってないわよ」
強気な口調で言いながら久美は笑う。そんなところを含めて全てが愛おしい。
唇を塞ぎながら性急な手つきで下着を緩める。その隙間に指を差し入れるとやわやわとその感触を味わった。
「うっ、ンっっ」
閉じ込められた吐息が唇に伝わる。俺の舌の動きに必死に応えているのを感じると、慣れてないってのも大袈裟じゃないのがわかる。
子どもがいるとは思えない弾力のある胸をゆっくり揉みしだきながら着ているものを取り払う。隠そうとした両腕を掴みベッドに押し付け、露わになったその先は上を向いている。その美味そうな実を口に含み、舌で転がし始めた。
「やっ、んっっ!」
身動ぎしながら口を閉じて吐息を噛み締める。片手を解くと手に余るほどの膨らみを手のひらに閉じ込めた。
「声。我慢すんな。もっと聞かせてくれ」
刺激を加えながら久美に向く。
「あっ。やぁっ。恥ずか、しい……」
まるで処女のような反応が可愛い。だが、もっと淫らな姿を見てみたい。
「そんなこと言えるってことは、まだまだ余裕ってことだな」
不敵な笑みを浮かべ、またその胸に齧り付く。
「あ、ああんっ! んんんっ!」
強い刺激に堪えきれないのか声を漏らす久美に散々煽られる。
しばらく双房を堪能したあと、着ていたものの残りを脱がす。自分も脱ぎながら久美を見下ろすと、心許な気な視線が返ってきた。
「綺麗だ。久美」
「でも……お腹に傷が、あるでしょ?」
言われて見れば、白く綺麗な肌に筋が走っている。俺はそれを指でなぞった。
「お前が命懸けで出産した証だ。頑張ったな」
その傷も愛おしくなり、そこにキスをして顔を上げると、久美はまたぼろぼろと涙を溢していた。
「泣かないでくれ。お前に泣かれると心臓が抉られそうだ」
涙を掬うように唇を押し当てると、久美は俺の首に縋りついた。
「泣かせにきたのは健二じゃない」
そう言って久美は腕に力を込めた。
「ありがとう。やっと救われた気分。これからは……傷を見ても頑張ったんだって思える」
「お前はずっと頑張ってきたんだよ。けどこれからは一人で頑張らなくていいからな? ちゃんと俺に言え」
「うん。健二もね?」
この温もりがこの上ないほど愛おしい。泣きたくなるような感情。この、ふつふつと湧き出すものが愛なのかと、思い知る。
啄むようなキスをし合い、肌に手を滑らせる。上から下へ、傷跡を越え足の内側に向かう。
しっとりした茂みを掻き分け、閉じたあわいに指を差し入れる。グチュリとした感覚が指に伝わり、濡れているのがわかった。
「あぅっっ」
閉じ込められていた花芯をコリコリて指で弾くと久美の体が小さく跳ねる。
ゆるゆると潤いを増していくあわいを指を擦ると、顔を歪ませていた。
「気持ちいいか?」
「あっ、はぁっっん! いい……っ、気持ち、いい、よ……」
もどかしそうに体を揺らし答える久美に一つキスを落とす。
「もっと、善くしてやる」
体を起こした俺は、そのままあわいに顔を埋める。指でなぞった部分を今度は舌でなぞり、花芯を吸い上げる。
「ひっ、ああんっ! そんな、ところ……やだっぁっ! んんっっ」
もしかしたら、こんなことをされたことがないのかも知れない。舌を上下させたり、弾いたり。愛撫するたび激しく反応して首を左右に振り嬌声を上げている。
「だ、めっ! もうっ、おかしくなり、そうっ! んんーっっ!」
体をガクガク震わせたかと思うと、久美はひときわ高い叫び声を上げた。
「ああーッ! イクっ、あ、あああん~~っ‼︎」
寝室に連れ込みベッドに久美を沈めると「その……。久しぶりで……」なんて恥ずかしそうにしている。
「久しぶりって……いったいどれくらいだよ……」
白い首筋に音を立ててキスの雨を降らせながら尋ねてみる。さすがについ最近まで結婚していたくらいだ。さすがにそれなりには、と軽く嫉妬する。
「えーと……。冬弥を妊娠してから一度も……してなくて……」
「マジ?」
冬弥は今年9歳。ということは10年以上の計算だ。俺なんて、その間何人と付き合ったか覚えていない。そんなことさすがに言えねぇが。
驚きながらその顔を覗き込むと、恥ずかしそうに頷く。それに思わず口角が上がった。
「ってことは、俺が顏も知らねぇクソ野郎のことは、もう忘れてるってことだよな?」
俺は結婚式には行っていない。仕事があると言い訳していかなかった。久美の隣に並ぶ幸せそうな男の顔なんて死んでも見たくなかったから。
「う、ん……。まぁ。けど、私。いうほど経験してないし、その、期待外れかも知れないから……」
不安そうに俺を見上げる久美の唇に、軽く唇を落としてから俺は笑う。
「なわけないだろ。こうしてるだけで気持ち良すぎて死にそう」
Tシャツの中に手を滑り込ませて、そのしっとりした肌に指を滑らせる。
「それは早すぎでしょ? でも、私もフワフワする。健二に触れられるだけで」
おずおずと肩に手を回して久美は言う。それに俺の体の熱は一気に高まった。
「無意識に煽るなって」
「別に煽ってないわよ」
強気な口調で言いながら久美は笑う。そんなところを含めて全てが愛おしい。
唇を塞ぎながら性急な手つきで下着を緩める。その隙間に指を差し入れるとやわやわとその感触を味わった。
「うっ、ンっっ」
閉じ込められた吐息が唇に伝わる。俺の舌の動きに必死に応えているのを感じると、慣れてないってのも大袈裟じゃないのがわかる。
子どもがいるとは思えない弾力のある胸をゆっくり揉みしだきながら着ているものを取り払う。隠そうとした両腕を掴みベッドに押し付け、露わになったその先は上を向いている。その美味そうな実を口に含み、舌で転がし始めた。
「やっ、んっっ!」
身動ぎしながら口を閉じて吐息を噛み締める。片手を解くと手に余るほどの膨らみを手のひらに閉じ込めた。
「声。我慢すんな。もっと聞かせてくれ」
刺激を加えながら久美に向く。
「あっ。やぁっ。恥ずか、しい……」
まるで処女のような反応が可愛い。だが、もっと淫らな姿を見てみたい。
「そんなこと言えるってことは、まだまだ余裕ってことだな」
不敵な笑みを浮かべ、またその胸に齧り付く。
「あ、ああんっ! んんんっ!」
強い刺激に堪えきれないのか声を漏らす久美に散々煽られる。
しばらく双房を堪能したあと、着ていたものの残りを脱がす。自分も脱ぎながら久美を見下ろすと、心許な気な視線が返ってきた。
「綺麗だ。久美」
「でも……お腹に傷が、あるでしょ?」
言われて見れば、白く綺麗な肌に筋が走っている。俺はそれを指でなぞった。
「お前が命懸けで出産した証だ。頑張ったな」
その傷も愛おしくなり、そこにキスをして顔を上げると、久美はまたぼろぼろと涙を溢していた。
「泣かないでくれ。お前に泣かれると心臓が抉られそうだ」
涙を掬うように唇を押し当てると、久美は俺の首に縋りついた。
「泣かせにきたのは健二じゃない」
そう言って久美は腕に力を込めた。
「ありがとう。やっと救われた気分。これからは……傷を見ても頑張ったんだって思える」
「お前はずっと頑張ってきたんだよ。けどこれからは一人で頑張らなくていいからな? ちゃんと俺に言え」
「うん。健二もね?」
この温もりがこの上ないほど愛おしい。泣きたくなるような感情。この、ふつふつと湧き出すものが愛なのかと、思い知る。
啄むようなキスをし合い、肌に手を滑らせる。上から下へ、傷跡を越え足の内側に向かう。
しっとりした茂みを掻き分け、閉じたあわいに指を差し入れる。グチュリとした感覚が指に伝わり、濡れているのがわかった。
「あぅっっ」
閉じ込められていた花芯をコリコリて指で弾くと久美の体が小さく跳ねる。
ゆるゆると潤いを増していくあわいを指を擦ると、顔を歪ませていた。
「気持ちいいか?」
「あっ、はぁっっん! いい……っ、気持ち、いい、よ……」
もどかしそうに体を揺らし答える久美に一つキスを落とす。
「もっと、善くしてやる」
体を起こした俺は、そのままあわいに顔を埋める。指でなぞった部分を今度は舌でなぞり、花芯を吸い上げる。
「ひっ、ああんっ! そんな、ところ……やだっぁっ! んんっっ」
もしかしたら、こんなことをされたことがないのかも知れない。舌を上下させたり、弾いたり。愛撫するたび激しく反応して首を左右に振り嬌声を上げている。
「だ、めっ! もうっ、おかしくなり、そうっ! んんーっっ!」
体をガクガク震わせたかと思うと、久美はひときわ高い叫び声を上げた。
「ああーッ! イクっ、あ、あああん~~っ‼︎」
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