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☆番外編3☆
honey moon 11*
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何がだろう?と睦月さんを見上げていると、睦月さんは振り返り、瓶と皿を両手に持って立っていた長門さんに言う。
「司。俺、もう部屋に帰る。あとはよろしく」
そう言うと私の手を掴み、長門さんから瓶を2本受け取るとそのまま歩きだす。
「睦月さん?怒ってる?」
人の間を縫いながら、睦月さんの背中に呼びかける。睦月さんはこちらを見ることなく「怒ってないよ?」と返すが、その声は明るいものではない。
料理が並ぶキッチンを通り、その奥の居住スペースに繋がるドアの先を進む。睦月さんは無言のまま私の手を引いて、私達の使っている部屋に入った。
灯りを付けると、睦月さんは近くにあったテーブルに持っていた瓶を置く。
「睦月さん?どうしたの?」
何も言ってくれないから不安で仕方ない。いつものらしくない背中を見つめて思う。
私、何かした?
自分の心臓が、音が聞こえそうなほど早鐘を打っている。
「……ごめんね」
そう聞こえたかと思うと、黒いマントがバサっと翻り、私はその中に閉じ込められていた。
「んっ、……痛っ」
首筋にチクリと何か刺さった感じがして、反射的に私はそう声を漏らした。
私の首には睦月さんの顔があり、そこに熱い息がかかるのを感じる。そうか、睦月さんフェイクの牙を付けていたっけ。本当に刺さっているわけじゃないけど、それなりに歯を立てられている。まるで私の血を飲みたいと言っているようだ。そしてそのまま、ついっと首筋を舌で撫でらると、私は思わず体を反応させてしまう。
「あ、!」
よりギュッと抱きしめられたかと思うと、そのまま首筋を強く吸われる。さっきとは違う、チリチリした痛みのような感覚が私を襲い、私は睦月さんにしがみついた。
「自分がこんなに嫉妬深いなんて思ってなかった」
私の肌に唇をギリギリに当てて、睦月さんはそんなことを言う。
「……嫉妬?」
背中に手を回し、睦月さんの胸に顔を埋めるようにして私は尋ねた。
「そうだよ?周りのやつがさっちゃんのことをイヤラシイ目で見てるのに怒りが湧くし、さっちゃんは相変わらず自分の魅力に気がついてないし」
そう言って睦月さんは首から離れて、私の顔を覗き込む。
「あのね、さっちゃん」
睦月さんは冷たくも見える視線で私を見ている。こんな表情で見られているのは初めてかも知れない。
「俺、今全く余裕ないから。むちゃくちゃにしたらごめん」
「えっ?」
驚いている暇もなく、次の瞬間にはもう私の唇は塞がれていた。
「ん、ふっっ……」
あぁ。本当に嫉妬、してたんだ……
そう思わずにはいられないほど激しく、執拗に、喰らいつくようなキスをされている。息つく暇もなくて、苦しいのに、離したくないと言っているように睦月さんは私の口を塞いでいた。
舌を強く吸われたり、歯列をなぞるように撫でられたり。もう立っていられなくて、足の力が抜けそうになるの私を、睦月さんは腰から支えていた。
「あっ……も……だ、め……」
ようやく開いた隙間から息を漏らすように言うと、唇を付けたまま睦月さんは答える。
「まだ……始まったばっかり、だよ?」
意地悪くそう言いながら睦月さんは付けていたマントの留め具を外している。その場にバサリとそれが落ちると同時に、私は睦月さんに膝から抱えられていた。その首に縋りつきながら至近距離で見る睦月さんの瞳は、熱を帯び炎のように揺らめいていた。
睦月さんはベッドに私を下ろすと、見下ろしたままトップスの紐をゆっくりと解いている。
「やっぱり……こんな可愛い魔女は閉じ込めておいたほうがよかったかな?」
笑みを浮かべた睦月さんは、元から見えていた鎖骨あたりに唇を寄せると、そこに強く吸いついた。
「やっ、あっ!」
小さな痛みに混ざる快感に声が漏れる。睦月さんは場所を移動しながら、いくつも私に噛み跡を付けていた。そして、緩んだトップスの首元に指を差し入れると、そのままずらしていった。
「下着、着けてなかったの?」
少し胸元が開いている服で、下着を着けると見えてしまうし、一応カップ付きだったから私はそのまま着ていたのだ。まさか、こんな脱がされ方をするなんて思っていなくて私の顔は恥ずかしさで熱くなった。
「なんか……すごく色っぽいんだけど」
今度は露わになった胸に口付けながら睦月さんは言う。
「だって……仕方なかったから……」
襲ってくるゾクゾクした感覚に身を捩りながら私は答える。睦月さんの手がゆっくりと私の膨らみを包み、やわやわと弄び始める。そして、そのまま楽しそうに息を漏らした。
「……いけない子だ」
片方は、指の間で胸の先をキュッとつままれ、もう片方は口に含まれる。
「ひゃっ、あ、あぁっ!!」
突然の強い刺激に体中に電流が駆け抜けていき、私は声を上げた。そんな私にお構いなしに、睦月さんはいっそう刺激を強める。
「あぁ!やっ、んんんっ!」
私はもう勝手に揺れる自分の体を抑えることはできず、夢中で睦月さんの頭を抱え声を上げるだけだった。
「司。俺、もう部屋に帰る。あとはよろしく」
そう言うと私の手を掴み、長門さんから瓶を2本受け取るとそのまま歩きだす。
「睦月さん?怒ってる?」
人の間を縫いながら、睦月さんの背中に呼びかける。睦月さんはこちらを見ることなく「怒ってないよ?」と返すが、その声は明るいものではない。
料理が並ぶキッチンを通り、その奥の居住スペースに繋がるドアの先を進む。睦月さんは無言のまま私の手を引いて、私達の使っている部屋に入った。
灯りを付けると、睦月さんは近くにあったテーブルに持っていた瓶を置く。
「睦月さん?どうしたの?」
何も言ってくれないから不安で仕方ない。いつものらしくない背中を見つめて思う。
私、何かした?
自分の心臓が、音が聞こえそうなほど早鐘を打っている。
「……ごめんね」
そう聞こえたかと思うと、黒いマントがバサっと翻り、私はその中に閉じ込められていた。
「んっ、……痛っ」
首筋にチクリと何か刺さった感じがして、反射的に私はそう声を漏らした。
私の首には睦月さんの顔があり、そこに熱い息がかかるのを感じる。そうか、睦月さんフェイクの牙を付けていたっけ。本当に刺さっているわけじゃないけど、それなりに歯を立てられている。まるで私の血を飲みたいと言っているようだ。そしてそのまま、ついっと首筋を舌で撫でらると、私は思わず体を反応させてしまう。
「あ、!」
よりギュッと抱きしめられたかと思うと、そのまま首筋を強く吸われる。さっきとは違う、チリチリした痛みのような感覚が私を襲い、私は睦月さんにしがみついた。
「自分がこんなに嫉妬深いなんて思ってなかった」
私の肌に唇をギリギリに当てて、睦月さんはそんなことを言う。
「……嫉妬?」
背中に手を回し、睦月さんの胸に顔を埋めるようにして私は尋ねた。
「そうだよ?周りのやつがさっちゃんのことをイヤラシイ目で見てるのに怒りが湧くし、さっちゃんは相変わらず自分の魅力に気がついてないし」
そう言って睦月さんは首から離れて、私の顔を覗き込む。
「あのね、さっちゃん」
睦月さんは冷たくも見える視線で私を見ている。こんな表情で見られているのは初めてかも知れない。
「俺、今全く余裕ないから。むちゃくちゃにしたらごめん」
「えっ?」
驚いている暇もなく、次の瞬間にはもう私の唇は塞がれていた。
「ん、ふっっ……」
あぁ。本当に嫉妬、してたんだ……
そう思わずにはいられないほど激しく、執拗に、喰らいつくようなキスをされている。息つく暇もなくて、苦しいのに、離したくないと言っているように睦月さんは私の口を塞いでいた。
舌を強く吸われたり、歯列をなぞるように撫でられたり。もう立っていられなくて、足の力が抜けそうになるの私を、睦月さんは腰から支えていた。
「あっ……も……だ、め……」
ようやく開いた隙間から息を漏らすように言うと、唇を付けたまま睦月さんは答える。
「まだ……始まったばっかり、だよ?」
意地悪くそう言いながら睦月さんは付けていたマントの留め具を外している。その場にバサリとそれが落ちると同時に、私は睦月さんに膝から抱えられていた。その首に縋りつきながら至近距離で見る睦月さんの瞳は、熱を帯び炎のように揺らめいていた。
睦月さんはベッドに私を下ろすと、見下ろしたままトップスの紐をゆっくりと解いている。
「やっぱり……こんな可愛い魔女は閉じ込めておいたほうがよかったかな?」
笑みを浮かべた睦月さんは、元から見えていた鎖骨あたりに唇を寄せると、そこに強く吸いついた。
「やっ、あっ!」
小さな痛みに混ざる快感に声が漏れる。睦月さんは場所を移動しながら、いくつも私に噛み跡を付けていた。そして、緩んだトップスの首元に指を差し入れると、そのままずらしていった。
「下着、着けてなかったの?」
少し胸元が開いている服で、下着を着けると見えてしまうし、一応カップ付きだったから私はそのまま着ていたのだ。まさか、こんな脱がされ方をするなんて思っていなくて私の顔は恥ずかしさで熱くなった。
「なんか……すごく色っぽいんだけど」
今度は露わになった胸に口付けながら睦月さんは言う。
「だって……仕方なかったから……」
襲ってくるゾクゾクした感覚に身を捩りながら私は答える。睦月さんの手がゆっくりと私の膨らみを包み、やわやわと弄び始める。そして、そのまま楽しそうに息を漏らした。
「……いけない子だ」
片方は、指の間で胸の先をキュッとつままれ、もう片方は口に含まれる。
「ひゃっ、あ、あぁっ!!」
突然の強い刺激に体中に電流が駆け抜けていき、私は声を上げた。そんな私にお構いなしに、睦月さんはいっそう刺激を強める。
「あぁ!やっ、んんんっ!」
私はもう勝手に揺れる自分の体を抑えることはできず、夢中で睦月さんの頭を抱え声を上げるだけだった。
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