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今日から世間は3連休。
3月も終わりが見えてくると暖かい日も増え、どこか遠出でも……と思っていたけど、残念ながら今日、さっちゃんは高校の同窓会だ。俺はそれが始まる夕方5時前にさっちゃんを会場近くまで送ると、そのまま真っ直ぐ家に帰って来た。
「かんちゃーん!散歩行こっか」
だいぶ日は傾いているが、まだ明るい春の夕方。俺はかんちゃんのリードを持つとそう声をかけた。出かける前に一旦ケージに入れていたかんちゃんは、俺の呼びかけに体を起こすと尻尾を振りながら吠えている。
すっかりここが自分の家になり、かんちゃんには近所にいつもの散歩コースも出来た。かんちゃんにリードを付け、お散歩に必要なグッズを持つと俺はかんちゃんと外に出た。
「さっちゃん、楽しんでるといいねぇ」
前を歩くかんちゃんにそんなことを話しかけながら俺は歩く。
さっちゃんはあまり気乗りはしない、と言っていたけど、それでも高校の頃一番仲の良かった友だちに会えるのは嬉しいと出かけて言った。
さすがにその相手は男じゃない……と思いたい。聞いてはないけど。
本当は気が気じゃなくてついて行きたいくらいだった。同窓会なんて魅惑的な場所で再会愛、なんて下手なドラマじゃないけど実際に自分の友人にもいたしなぁ……と俺が盛大に溜息を吐くと、前を歩くかんちゃんは『なぁに?』とばかりに振り向く。
「大丈夫……だよね?」
俺は自分に言い聞かせるようにそう呟いた。
30分ほどかんちゃんと近所をぶらぶらしているとさすがに日は落ち、空はオレンジと藍色のコントラストに染まっている。
「帰ろっか」
俺がそう言うと、かんちゃんはそれに答えるように得意げに吠えてみせた。
家に帰るとかんちゃんのご飯を用意して、凄い勢いで食べ始めたのを眺めながら冷蔵庫に向かう。さっちゃんはわざわざ俺のために夕食を用意してくれていて、それを取り出すとレンジで温め、ご飯をよそった。
「いただきます!」
一人の声が虚しく響くダイニングテーブル。このところ一人で夜ご飯を食べるなんて記憶になくて、気がつけばいつも目の前にさっちゃんがいてくれていた。と言うか、すっかりここがさっちゃんの家になりつつある。物置と化してるさっちゃんの家の家賃を払わせているのは申し訳ないと思いつつ、元が一人暮らし前提の1LDK。さっちゃんに『ここに引っ越ししておいでよ』とは言えていない。
「俺が引越ししようかな……」
さっちゃんの作ってくれたサーモンのムニエルをつつきながら俺は独り言ちる。
親御さんに挨拶もしてないのに同棲に持ち込むのはどうかとも思ったけど、結婚するならどうせ新居が必要だ。
「よし!」
善は急げだ。俺は急いでご飯を食べ終えて洗い物を済ますと、スマホを手にした。
「あ、希海?ごめん。変な時間に。今いい?」
数回のコール音が途切れると、相手を確かめることなく話出す。
『はい、大丈夫です』
いつもの淡々とした声はするが、向こう側から物音はせず、家にいるのかな?と話を続けた。
「実はさ、引越し考えてて。この家探してくれたの希海だし、どっかいいとこないかな?」
俺が明るくそう言うと、なぜかしばらく反応はない。
……?どうしたんだろう?
そう思っているとようやく希海の声が聞こえてきた。
『……そのマンション、空きでますよ。3LDKの部屋ですが』
「そうなんだ。って、なんでそんなこと知ってるの?」
不動産屋さん?ってくらいの情報に、思わずそう尋ねてしまう。
『……そこは……俺が所有してるんです』
「……えっ⁈そうなの⁈」
確かに去年の夏、日本に一時的に戻って来た時、物件を紹介してくれたのは希海だ。けど、その所有者が希海だったなんて、今まで全く知らなかった。
『と言っても、祖父のやっている管理会社に任せているので俺は何もしてませんが、一応情報だけは入ってくるので』
シレッとそんなことを言われて、ふと『あ、祖父って司のお父さんか』と思う。
司がずっと寄り付かなかった実家は、かなりの資産家だと聞いたことがある。そして、不動産業をしている実家を継ぎたくないと家を出たことも。
そういえば……瑤子ちゃんと無事入籍したってことは、そのあたりどうにかなったってことかなぁ?
なんて、ふと別のことに思いを巡らせていると希海は続けた。
『どうしますか?昨日……来月退去すると聞いたばかりなので、連絡すれば押さえておくことはできると思います』
そう告げられて我に返ると、俺は慌ててそれに返事をした。
「もちろんお願い!ペット飼えて生活圏も変わらないの助かる。でもまださっちゃんに聞けてないから、仮押さえってことでもいい?」
俺がそう言うと、電話の向こうで希海はふっと息を漏らしこう言った。
『綿貫なら、将来住むなら睦月さんの家の辺りがいいと言っていましたよ?随分気に入ってくれているようです』
そう言って希海は笑っているようだった。
「希海、さっちゃんとそんな話をしてるんだねぇ」
普段、希海といるところはそう見かけないけど、たまに見る2人は兄妹みたいで微笑ましいなぁ、なんて思うことがある。
『たまたまです。香緒とそんな話をしていたので』
「あぁ。香緒とならしてそうだよね。女子トーク」
笑いながら俺がそう返すと、『いつもそうですね。香緒は……綿貫の前では他人には見せない顔を見せますから』と希海から穏やかな声がした。
「それを言うなら、希海だって。凄くお兄ちゃんの顔してるよ?」
『……そう……ですか?』
少し驚いたように希海はそう返す。
無意識、だったのかな?と俺はそれを聞きながら思う。きっと仕事の付き合い以上に希海も香緒もさっちゃんを可愛がっていてくれて来たんだな、と嬉しくなる反面、俺の知らないさっちゃんを知る2人を羨ましくも思った。
「まぁ、長い付き合いになると思うから、これからもさっちゃんのことよろしくね」
『えぇ。もちろんです』
希海は、柔らかな口調でそう答えた。きっと電話の向こうで優しい表情をしてくれている。そんな気がした。
「じゃあ、家の件、またお世話になるけどよろしくね!」
『わかりました。また詳細は連絡します』
そう言いあって電話を切ると、ホッと息を吐き出した。
両方の親に挨拶に行く、以外のことは順調だ。それも、5月の頭にはなんとかなりそうだ。
うちの父も4月末には実家に戻れそうだと連絡があったし、さっちゃんのほうも真琴君からお母さんにはそれとなく伝えて貰って日程調整中だ。
やっと……また1歩進めるかなぁ……
スマホのカレンダーを眺めながらそう思っていると、家のインターフォンが鳴る音が聞こえてきた。
3月も終わりが見えてくると暖かい日も増え、どこか遠出でも……と思っていたけど、残念ながら今日、さっちゃんは高校の同窓会だ。俺はそれが始まる夕方5時前にさっちゃんを会場近くまで送ると、そのまま真っ直ぐ家に帰って来た。
「かんちゃーん!散歩行こっか」
だいぶ日は傾いているが、まだ明るい春の夕方。俺はかんちゃんのリードを持つとそう声をかけた。出かける前に一旦ケージに入れていたかんちゃんは、俺の呼びかけに体を起こすと尻尾を振りながら吠えている。
すっかりここが自分の家になり、かんちゃんには近所にいつもの散歩コースも出来た。かんちゃんにリードを付け、お散歩に必要なグッズを持つと俺はかんちゃんと外に出た。
「さっちゃん、楽しんでるといいねぇ」
前を歩くかんちゃんにそんなことを話しかけながら俺は歩く。
さっちゃんはあまり気乗りはしない、と言っていたけど、それでも高校の頃一番仲の良かった友だちに会えるのは嬉しいと出かけて言った。
さすがにその相手は男じゃない……と思いたい。聞いてはないけど。
本当は気が気じゃなくてついて行きたいくらいだった。同窓会なんて魅惑的な場所で再会愛、なんて下手なドラマじゃないけど実際に自分の友人にもいたしなぁ……と俺が盛大に溜息を吐くと、前を歩くかんちゃんは『なぁに?』とばかりに振り向く。
「大丈夫……だよね?」
俺は自分に言い聞かせるようにそう呟いた。
30分ほどかんちゃんと近所をぶらぶらしているとさすがに日は落ち、空はオレンジと藍色のコントラストに染まっている。
「帰ろっか」
俺がそう言うと、かんちゃんはそれに答えるように得意げに吠えてみせた。
家に帰るとかんちゃんのご飯を用意して、凄い勢いで食べ始めたのを眺めながら冷蔵庫に向かう。さっちゃんはわざわざ俺のために夕食を用意してくれていて、それを取り出すとレンジで温め、ご飯をよそった。
「いただきます!」
一人の声が虚しく響くダイニングテーブル。このところ一人で夜ご飯を食べるなんて記憶になくて、気がつけばいつも目の前にさっちゃんがいてくれていた。と言うか、すっかりここがさっちゃんの家になりつつある。物置と化してるさっちゃんの家の家賃を払わせているのは申し訳ないと思いつつ、元が一人暮らし前提の1LDK。さっちゃんに『ここに引っ越ししておいでよ』とは言えていない。
「俺が引越ししようかな……」
さっちゃんの作ってくれたサーモンのムニエルをつつきながら俺は独り言ちる。
親御さんに挨拶もしてないのに同棲に持ち込むのはどうかとも思ったけど、結婚するならどうせ新居が必要だ。
「よし!」
善は急げだ。俺は急いでご飯を食べ終えて洗い物を済ますと、スマホを手にした。
「あ、希海?ごめん。変な時間に。今いい?」
数回のコール音が途切れると、相手を確かめることなく話出す。
『はい、大丈夫です』
いつもの淡々とした声はするが、向こう側から物音はせず、家にいるのかな?と話を続けた。
「実はさ、引越し考えてて。この家探してくれたの希海だし、どっかいいとこないかな?」
俺が明るくそう言うと、なぜかしばらく反応はない。
……?どうしたんだろう?
そう思っているとようやく希海の声が聞こえてきた。
『……そのマンション、空きでますよ。3LDKの部屋ですが』
「そうなんだ。って、なんでそんなこと知ってるの?」
不動産屋さん?ってくらいの情報に、思わずそう尋ねてしまう。
『……そこは……俺が所有してるんです』
「……えっ⁈そうなの⁈」
確かに去年の夏、日本に一時的に戻って来た時、物件を紹介してくれたのは希海だ。けど、その所有者が希海だったなんて、今まで全く知らなかった。
『と言っても、祖父のやっている管理会社に任せているので俺は何もしてませんが、一応情報だけは入ってくるので』
シレッとそんなことを言われて、ふと『あ、祖父って司のお父さんか』と思う。
司がずっと寄り付かなかった実家は、かなりの資産家だと聞いたことがある。そして、不動産業をしている実家を継ぎたくないと家を出たことも。
そういえば……瑤子ちゃんと無事入籍したってことは、そのあたりどうにかなったってことかなぁ?
なんて、ふと別のことに思いを巡らせていると希海は続けた。
『どうしますか?昨日……来月退去すると聞いたばかりなので、連絡すれば押さえておくことはできると思います』
そう告げられて我に返ると、俺は慌ててそれに返事をした。
「もちろんお願い!ペット飼えて生活圏も変わらないの助かる。でもまださっちゃんに聞けてないから、仮押さえってことでもいい?」
俺がそう言うと、電話の向こうで希海はふっと息を漏らしこう言った。
『綿貫なら、将来住むなら睦月さんの家の辺りがいいと言っていましたよ?随分気に入ってくれているようです』
そう言って希海は笑っているようだった。
「希海、さっちゃんとそんな話をしてるんだねぇ」
普段、希海といるところはそう見かけないけど、たまに見る2人は兄妹みたいで微笑ましいなぁ、なんて思うことがある。
『たまたまです。香緒とそんな話をしていたので』
「あぁ。香緒とならしてそうだよね。女子トーク」
笑いながら俺がそう返すと、『いつもそうですね。香緒は……綿貫の前では他人には見せない顔を見せますから』と希海から穏やかな声がした。
「それを言うなら、希海だって。凄くお兄ちゃんの顔してるよ?」
『……そう……ですか?』
少し驚いたように希海はそう返す。
無意識、だったのかな?と俺はそれを聞きながら思う。きっと仕事の付き合い以上に希海も香緒もさっちゃんを可愛がっていてくれて来たんだな、と嬉しくなる反面、俺の知らないさっちゃんを知る2人を羨ましくも思った。
「まぁ、長い付き合いになると思うから、これからもさっちゃんのことよろしくね」
『えぇ。もちろんです』
希海は、柔らかな口調でそう答えた。きっと電話の向こうで優しい表情をしてくれている。そんな気がした。
「じゃあ、家の件、またお世話になるけどよろしくね!」
『わかりました。また詳細は連絡します』
そう言いあって電話を切ると、ホッと息を吐き出した。
両方の親に挨拶に行く、以外のことは順調だ。それも、5月の頭にはなんとかなりそうだ。
うちの父も4月末には実家に戻れそうだと連絡があったし、さっちゃんのほうも真琴君からお母さんにはそれとなく伝えて貰って日程調整中だ。
やっと……また1歩進めるかなぁ……
スマホのカレンダーを眺めながらそう思っていると、家のインターフォンが鳴る音が聞こえてきた。
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