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「あっ!あぁっ!」
苦しそうに顔を顰めながら背中を浮かすさっちゃんの中に、俺はゆっくり自分を沈めていく。まだほんの少ししか入っていないのに押し返しそうな勢いで俺を締め上げている。
「……つらくない?」
俺もはぁ、と大きく息を吐き出しながら、全く余裕がないだろうさっちゃんに尋ねる。こっちも、いっぱいいっぱいではあるんだけど。
さっちゃんは俺の質問に、少し目を開けてから小さく頷いて、荒い息のまま口を開いた。
「だい……じょ……ぶ……なので……来てください……」
途切れ途切れで、涙を零しながらそう言うさっちゃんは、大丈夫と言ってもかなり辛そうに見える。
さっきまで、指で中をかなり解していたけど、やっぱり痛いんじゃ……と躊躇する俺を煽るような台詞。
全身に電流が走って行くようなそんな感覚に襲われながら俺は体を倒してさっちゃんの唇を塞いだ。
「んっ、んんっ!」
塞がれた口の中で、行き場を失った声が籠る。さっちゃんは俺の首に縋り付くように腕を絡めながら、必死で俺の愛撫に答えていた。
ゆっくりと中に進むたび、さっちゃんは苦しそうな顔を見せる。息継ぎするように唇を離すと、はぁはぁと肩で息をしながら吐息を吐き出し、俺の動きに合わせるように声を漏らした。
「あ、やっぁ!」
もう少しで全部挿入りそう、っていうところでさっちゃんは体を起こして俺に縋り付く。
その背中を片手で撫でながら、「もうちょっとだから……我慢して……」と俺は熱くなった息と共にそう吐き出した。
コクコクと頷くさっちゃんの中に、俺はようやく全部を挿入れると、ゆっくりとその背中をベッドに降ろす。
「全部……挿入ったよ?……分かる?」
俺の言葉に少し苦しそうな顔をしながらも、さっちゃんは瞳を開けて俺を見つめた。
「……嬉しい……。睦月さん……。私、幸せです……」
泣いているような、笑っているような、そんな顔をして、さっちゃんは涙を零している。
「俺も……幸せ。……さっちゃんの中……凄くあったかい……」
涙を掬うようにその頬にキスを落とすと、さっちゃんはそれを、ウットリするように瞳を伏せ受け止めていた。
愛を交わすって言う言葉の意味を、俺は今、この瞬間知ったのかも知れない。今まで、誰かの求めになんとなく応じてしてきた行為は結局快楽優先で、こんな風に、心の底から震えるほどの幸せを感じることなど無かった。
「……動くよ……」
少しの動きでも、ぎゅうぎゅうに俺を締めるさっちゃんの中。気を抜けばあっという間に達してしまいそうだ。
「あっ!あっ、んんっ」
小さく漏らし始めたその声を聞きながら、俺はそんなことを思っていた。
部屋の中に淫らな水音と、混ざり合う熱い吐息が響く。
「やっっ、あ、あっ!」
だんだんと躊躇が無くなってきている俺の行為に、さっちゃんは嬌声を上げている。痛いわけじゃない……と思いたいけど、本当のところは分からない。でも、擦るたび溢れ出る蜜と、吸い付くようにうねっているさっちゃんの中が、今感じているのが痛みだけじゃないと言っているような気がした。
「あ、……睦月…さ……んっ、も……」
さっちゃんは息も絶え絶えに俺を見上げて言う。
「う、ん。俺も……そろそろ限界……」
一層激しく水音が響き、さっちゃんは叫ぶように声を上げる。
「あっっ、あぁっん!」
背中を反らせて体を揺らしながら、さっちゃんは堪えきれないように熱い息を漏らしている。その姿は今までの可愛らしさから一変して、とても綺麗だった。
「……本当……綺麗だよ……」
腰を揺らしながらそう言うと、さっちゃんはまた勝手に溢れ出しているだろう涙を零した。
「睦月さんも……綺麗……です」
来て、と言いたげに腕を伸ばすさっちゃんに応えるように体を倒すと、さっちゃんは俺の首にしがみつく。
涙を掬い取りながら、その顔に唇を落とすと、さっちゃんの中がギュッと締まり俺を導こうとしていた。
「そんなに締めないで……」
耳元で囁くと、可愛く啼きながらさっちゃんは言葉を紡いだ。
「だ、って……。ぁっ、んんっ!」
「だって、何?」
奥を突くように腰を深めると、さっちゃんは顔を顰めながら腕に力を込めた。
「気持ち……いい……ん、ですっ……」
最後の最後まで煽られて、体に甘い痺れが襲う。そんな事を言われたら、労わることなど忘れて中を蹂躙してしまいそうだ。
「あっっ!やぁっ!」
深さを増し奥をこじ開けるように腰を沈めると、さっちゃんは必死に俺にしがみついている。
「あっ!あっ!ダメっ!あぁぁぁっ!」
体を痙攣させて嬌声を上げるさっちゃんの中に締め上げられ、俺は薄い膜越しに欲を放った。
なんとも言えない幸福感のなか、しばらくさっちゃんを抱きしめていると、さっちゃんは腕の中でうとうとし始めていた。
今日は朝から忙しかったよね……
サラサラと髪を撫でながら俺は思う。まだ日付は変わっていないけれど、きっと疲れてるだろう。けど、化粧も落とさないまま朝まで寝かせるわけにはいかないし……。もうちょっとだけこうしてから、あとで起こそうか。
そんな事を考えながら、「一生忘れることのない誕生日になったよ」と呟いて、俺はその愛しい寝顔にキスを落とした。
苦しそうに顔を顰めながら背中を浮かすさっちゃんの中に、俺はゆっくり自分を沈めていく。まだほんの少ししか入っていないのに押し返しそうな勢いで俺を締め上げている。
「……つらくない?」
俺もはぁ、と大きく息を吐き出しながら、全く余裕がないだろうさっちゃんに尋ねる。こっちも、いっぱいいっぱいではあるんだけど。
さっちゃんは俺の質問に、少し目を開けてから小さく頷いて、荒い息のまま口を開いた。
「だい……じょ……ぶ……なので……来てください……」
途切れ途切れで、涙を零しながらそう言うさっちゃんは、大丈夫と言ってもかなり辛そうに見える。
さっきまで、指で中をかなり解していたけど、やっぱり痛いんじゃ……と躊躇する俺を煽るような台詞。
全身に電流が走って行くようなそんな感覚に襲われながら俺は体を倒してさっちゃんの唇を塞いだ。
「んっ、んんっ!」
塞がれた口の中で、行き場を失った声が籠る。さっちゃんは俺の首に縋り付くように腕を絡めながら、必死で俺の愛撫に答えていた。
ゆっくりと中に進むたび、さっちゃんは苦しそうな顔を見せる。息継ぎするように唇を離すと、はぁはぁと肩で息をしながら吐息を吐き出し、俺の動きに合わせるように声を漏らした。
「あ、やっぁ!」
もう少しで全部挿入りそう、っていうところでさっちゃんは体を起こして俺に縋り付く。
その背中を片手で撫でながら、「もうちょっとだから……我慢して……」と俺は熱くなった息と共にそう吐き出した。
コクコクと頷くさっちゃんの中に、俺はようやく全部を挿入れると、ゆっくりとその背中をベッドに降ろす。
「全部……挿入ったよ?……分かる?」
俺の言葉に少し苦しそうな顔をしながらも、さっちゃんは瞳を開けて俺を見つめた。
「……嬉しい……。睦月さん……。私、幸せです……」
泣いているような、笑っているような、そんな顔をして、さっちゃんは涙を零している。
「俺も……幸せ。……さっちゃんの中……凄くあったかい……」
涙を掬うようにその頬にキスを落とすと、さっちゃんはそれを、ウットリするように瞳を伏せ受け止めていた。
愛を交わすって言う言葉の意味を、俺は今、この瞬間知ったのかも知れない。今まで、誰かの求めになんとなく応じてしてきた行為は結局快楽優先で、こんな風に、心の底から震えるほどの幸せを感じることなど無かった。
「……動くよ……」
少しの動きでも、ぎゅうぎゅうに俺を締めるさっちゃんの中。気を抜けばあっという間に達してしまいそうだ。
「あっ!あっ、んんっ」
小さく漏らし始めたその声を聞きながら、俺はそんなことを思っていた。
部屋の中に淫らな水音と、混ざり合う熱い吐息が響く。
「やっっ、あ、あっ!」
だんだんと躊躇が無くなってきている俺の行為に、さっちゃんは嬌声を上げている。痛いわけじゃない……と思いたいけど、本当のところは分からない。でも、擦るたび溢れ出る蜜と、吸い付くようにうねっているさっちゃんの中が、今感じているのが痛みだけじゃないと言っているような気がした。
「あ、……睦月…さ……んっ、も……」
さっちゃんは息も絶え絶えに俺を見上げて言う。
「う、ん。俺も……そろそろ限界……」
一層激しく水音が響き、さっちゃんは叫ぶように声を上げる。
「あっっ、あぁっん!」
背中を反らせて体を揺らしながら、さっちゃんは堪えきれないように熱い息を漏らしている。その姿は今までの可愛らしさから一変して、とても綺麗だった。
「……本当……綺麗だよ……」
腰を揺らしながらそう言うと、さっちゃんはまた勝手に溢れ出しているだろう涙を零した。
「睦月さんも……綺麗……です」
来て、と言いたげに腕を伸ばすさっちゃんに応えるように体を倒すと、さっちゃんは俺の首にしがみつく。
涙を掬い取りながら、その顔に唇を落とすと、さっちゃんの中がギュッと締まり俺を導こうとしていた。
「そんなに締めないで……」
耳元で囁くと、可愛く啼きながらさっちゃんは言葉を紡いだ。
「だ、って……。ぁっ、んんっ!」
「だって、何?」
奥を突くように腰を深めると、さっちゃんは顔を顰めながら腕に力を込めた。
「気持ち……いい……ん、ですっ……」
最後の最後まで煽られて、体に甘い痺れが襲う。そんな事を言われたら、労わることなど忘れて中を蹂躙してしまいそうだ。
「あっっ!やぁっ!」
深さを増し奥をこじ開けるように腰を沈めると、さっちゃんは必死に俺にしがみついている。
「あっ!あっ!ダメっ!あぁぁぁっ!」
体を痙攣させて嬌声を上げるさっちゃんの中に締め上げられ、俺は薄い膜越しに欲を放った。
なんとも言えない幸福感のなか、しばらくさっちゃんを抱きしめていると、さっちゃんは腕の中でうとうとし始めていた。
今日は朝から忙しかったよね……
サラサラと髪を撫でながら俺は思う。まだ日付は変わっていないけれど、きっと疲れてるだろう。けど、化粧も落とさないまま朝まで寝かせるわけにはいかないし……。もうちょっとだけこうしてから、あとで起こそうか。
そんな事を考えながら、「一生忘れることのない誕生日になったよ」と呟いて、俺はその愛しい寝顔にキスを落とした。
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