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仕事が終わり、家に帰り着く。
香緒ちゃんとの仕事の時は大抵車で送ってくれるからちょっと気楽だ。
「ありがとう。香緒ちゃん。じゃあまた!」
「お疲れ様!じゃあね」
そう言って元気に別れて香緒ちゃんの車を見送ると家に帰る。彼が待つ家に。
普通のこじんまりしたマンション。駅からはちょっと遠いし、結構古めだけど、どうしてもある事が譲れなくてここに決めた。
「ただいま~」
1人のときは無かった習慣。でも、いつの間にか、家に入るとそう声を出すようになった。
部屋の奥からは、私の気配に気付いたのか、ガタガタと音が聞こえて来る。
部屋の扉を開け真っ先にそこに向かうと、ゲージの中で飛び跳ねる彼の姿があった。
「かんちゃんお待たせ!」
そう言ってゲージを開けると、蜂蜜色の毛並みをしたミニチュアダックスが飛び出してきた。
床に座る私の膝に手を置いて背伸びをする様に顔を舐めに来る。
「わかった!わかった!」
そう言いながらかんちゃんの頭をゴシゴシ撫でてから立ち上がる。
ゲージの中から餌と水を入れる皿を取り出すとキッチンとは名ばかりの流しに向った。
その後をかんちゃんは尻尾を振りながらついてくる。
子供の頃からずっと飼ってみたかった犬。実家は田舎で、だだっ広い庭があったにも関わらず何故か飼わせてもらえなかった。
だから私は一人前になったら飼おうと心に決め、ペット可の物件を選んだのだ。
そして、去年の10月に生まれたこの子を知人から貰い受けた。
そう。10月生まれだから、神無月でかんちゃんと私は名付けたのだった。
私は皿を洗って、新しい餌と水を入れるとゲージに戻す。それを勢いよく食べ始めたのを見届けるとダイニングテーブルに向かった。
料理するのはそんなに嫌いではないが、片付けるのは面倒だなぁといつも思ってしまう。
でも世の中便利なもので、電子レンジ一つであまり皿を汚さない料理のレシピは検索すると沢山出てくる。
今日も冷蔵庫に残っている食材で検索をかけて、何にしようかなぁと一人考えていた。
香緒ちゃんとの仕事の時は大抵車で送ってくれるからちょっと気楽だ。
「ありがとう。香緒ちゃん。じゃあまた!」
「お疲れ様!じゃあね」
そう言って元気に別れて香緒ちゃんの車を見送ると家に帰る。彼が待つ家に。
普通のこじんまりしたマンション。駅からはちょっと遠いし、結構古めだけど、どうしてもある事が譲れなくてここに決めた。
「ただいま~」
1人のときは無かった習慣。でも、いつの間にか、家に入るとそう声を出すようになった。
部屋の奥からは、私の気配に気付いたのか、ガタガタと音が聞こえて来る。
部屋の扉を開け真っ先にそこに向かうと、ゲージの中で飛び跳ねる彼の姿があった。
「かんちゃんお待たせ!」
そう言ってゲージを開けると、蜂蜜色の毛並みをしたミニチュアダックスが飛び出してきた。
床に座る私の膝に手を置いて背伸びをする様に顔を舐めに来る。
「わかった!わかった!」
そう言いながらかんちゃんの頭をゴシゴシ撫でてから立ち上がる。
ゲージの中から餌と水を入れる皿を取り出すとキッチンとは名ばかりの流しに向った。
その後をかんちゃんは尻尾を振りながらついてくる。
子供の頃からずっと飼ってみたかった犬。実家は田舎で、だだっ広い庭があったにも関わらず何故か飼わせてもらえなかった。
だから私は一人前になったら飼おうと心に決め、ペット可の物件を選んだのだ。
そして、去年の10月に生まれたこの子を知人から貰い受けた。
そう。10月生まれだから、神無月でかんちゃんと私は名付けたのだった。
私は皿を洗って、新しい餌と水を入れるとゲージに戻す。それを勢いよく食べ始めたのを見届けるとダイニングテーブルに向かった。
料理するのはそんなに嫌いではないが、片付けるのは面倒だなぁといつも思ってしまう。
でも世の中便利なもので、電子レンジ一つであまり皿を汚さない料理のレシピは検索すると沢山出てくる。
今日も冷蔵庫に残っている食材で検索をかけて、何にしようかなぁと一人考えていた。
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