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☆番外編1☆
それまでとそれからと 11*.
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それからは、いつも以上に至れり尽くせり。
「先に風呂に入ろう」
そう言い出した司はバスルームに私を連れて行くと、咲月ちゃんに貰ったと言うクレンジングで私のメイクを落とす。纏めてあった髪から全部のピンを抜き、もちろん洗うのも司。私はただ、されるままに体も洗ってもらい、最後にバスタブで司を背もたれにしてお湯に浸かっていた。
「これ、ちょっと憧れてたのよね」
そう言うと、私は乳白色のバスミルクの混ざったお湯と、ベッドに散っていた薔薇の花びらを手で掬い取った。
司が足を伸ばしても、まだ余裕がある広いバスタブで、私がお湯をバシャバシャさせているのを、司は後ろから見ている。
「そりゃ良かったな」
あまりにも燥いでいる私が可笑しいのか司は笑いながらそう言うと、私を自分の腕の中に抱き寄せた。
「あのね……」
私の頰に重なるように司の頰が触れていて、それがとても温かい。
「何?」
司の短い返事が、頰を振動になって伝わる。
「ずっと嘔吐してるみっともない姿見せちゃったし、体型も変わってきたから……その……、そんな気起こらないのかなぁって思ってたんだけど……。違うの?」
妻が妊娠中に夫が浮気……なんて話はネット上ではよく聞く話で、もちろん司がそんな事する筈ないと信じているけど、安定期に入ってもそんな事をしてこない司に、もう私を女と感じなくなったのかなぁ……なんて寂しく思ってしまったのも事実だ。
でも、さっき見せた表情を見て、何となくそうじゃない気がして、私は思い切って尋ねてみたのだった。
「あのなぁ……」
そこまで言うと司は呆れたようにはぁ、と大きく息を吐き出した。
「お前、ずっと我慢してんの分かってないわけ?……俺は今すぐにでもお前の中に入りたいんだけど?」
私の体を撫でながら司はそう言うと、顔の角度を変えて私の唇をゆっくりと塞ぐ。
お湯の揺れる音に混ざって響く、唇から漏れる水音。口の中で舌をなぞられるたびに体は反応して、塞がれたままの唇から行き場を失いくぐもった吐息が漏れた。
胸に添えられた手は、あまり刺激してはいけない事を知っているのか、優しくゆっくりと揉みしだかれている。その焦ったさが、余計に私を反応させた。
「……っふっ、ん……。も……のぼせちゃう……」
ようやくそれだけ口にすると、唇を離した司は熱っぽく色気の増した美しい顔で私を見た。
「確かにな。じゃあ、とっとと出よう」
バスルームから出て、また私は司にされるがままに髪の毛を乾かされる。
今度はちょっとばかり適当だったけれど。
「や、ぁっ…ぁっ!」
はやる気持ちがそのまま現れたかのように、私は生乾きの髪の毛のままベッドに連れて行かれ、そして待ちきれないとばかりの司の愛撫を受けていた。
跡形もなくなっていた赤い印を、司は私に思い出させるように次々とそれを体の至るところに残して行く。
その間に勝手に溢れて行く蜜を掬うように指でなぞられ、私は声を上げながら背中を反らした。
「すっげー、ここ柔らかい。こんなだったか?」
感触を確かめるように指を動かしながら、司は顔を上げる事なく私の肌に唇を這わしている。
「あっ!っそんなの、知ら、ないっ!」
押し寄せてくる快感に身を捩りながら私が答えると、お腹に唇を寄せて司は言った。
「しばらく耳塞いどけよ~」
まるで中にいる子どもに言い聞かせるようにそう言うと、お腹に向かってそのまま愛おしげにキスを落とす。
けれどその間にも、司の指は私を弄び、ゆっくりと擦っている。
「っやっ!ぁ、あっ」
止めることなんて出来ない自分の声。その声を聞きながら、司はまた下に向かって唇を動かし、そのまま口を開く。
「もっと聴かせて。その声……」
弾むようにそんな事を言いながら、司はトロトロになっているそこに舌を這わす。
「あ、んんっ!」
一層強い刺激に、持ち上げられていた足が跳ねる。
「もっと……。もっとだ」
そう言ったかと思うと強く吸われ、口の中で芯を転がされる。
「ぁ、ああっ!」
私は我を忘れて声を上げる。そしてそれから、どのくらいの時間が経ったのか分からなくなるくらいにずっと叫び声を上げさせられた。
「も、お願……い……」
司は挿入る事なく私を責め続けている。激しくされる事はなく、寧ろゆっくりとしたその愛撫に、私の腰は焦らされたように揺れ動く。
「本当に……挿入ていいのか?」
体を起こして私を見下ろしながら、司は私に尋ねた。
「なん……で?」
私はまだ整わない荒い息のまま、それに質問で返す。
「その……大丈夫か心配で……」
こんな行為の最中に見せるような表情ではない、司らしからぬ顔。
「司……意外と心配症……だよね」
本当に、意外と、と言う言葉がぴったりな程、今まで私の心配をしてくれていた。本当に呆れるくらい。
「お前限定な!他のやつの事なんか対して心配したりしねーよ」
ちょっとバツの悪そうな顔を見せて司は言う。
そんな司も、たまらなく……愛しい、と思ってしまう。
「大丈夫だから……。お医者様だってそう言ってた。だから……」
私はそう言って司に手を伸ばす。
「来て?」
司は驚いたように目を少し開き、すぐに口角を上げ笑みを浮かべる。
そしてこう言った。
「お前は……本当に俺を煽る天才だな」
そしてお互いを感じながら、私達は一つになった。
「先に風呂に入ろう」
そう言い出した司はバスルームに私を連れて行くと、咲月ちゃんに貰ったと言うクレンジングで私のメイクを落とす。纏めてあった髪から全部のピンを抜き、もちろん洗うのも司。私はただ、されるままに体も洗ってもらい、最後にバスタブで司を背もたれにしてお湯に浸かっていた。
「これ、ちょっと憧れてたのよね」
そう言うと、私は乳白色のバスミルクの混ざったお湯と、ベッドに散っていた薔薇の花びらを手で掬い取った。
司が足を伸ばしても、まだ余裕がある広いバスタブで、私がお湯をバシャバシャさせているのを、司は後ろから見ている。
「そりゃ良かったな」
あまりにも燥いでいる私が可笑しいのか司は笑いながらそう言うと、私を自分の腕の中に抱き寄せた。
「あのね……」
私の頰に重なるように司の頰が触れていて、それがとても温かい。
「何?」
司の短い返事が、頰を振動になって伝わる。
「ずっと嘔吐してるみっともない姿見せちゃったし、体型も変わってきたから……その……、そんな気起こらないのかなぁって思ってたんだけど……。違うの?」
妻が妊娠中に夫が浮気……なんて話はネット上ではよく聞く話で、もちろん司がそんな事する筈ないと信じているけど、安定期に入ってもそんな事をしてこない司に、もう私を女と感じなくなったのかなぁ……なんて寂しく思ってしまったのも事実だ。
でも、さっき見せた表情を見て、何となくそうじゃない気がして、私は思い切って尋ねてみたのだった。
「あのなぁ……」
そこまで言うと司は呆れたようにはぁ、と大きく息を吐き出した。
「お前、ずっと我慢してんの分かってないわけ?……俺は今すぐにでもお前の中に入りたいんだけど?」
私の体を撫でながら司はそう言うと、顔の角度を変えて私の唇をゆっくりと塞ぐ。
お湯の揺れる音に混ざって響く、唇から漏れる水音。口の中で舌をなぞられるたびに体は反応して、塞がれたままの唇から行き場を失いくぐもった吐息が漏れた。
胸に添えられた手は、あまり刺激してはいけない事を知っているのか、優しくゆっくりと揉みしだかれている。その焦ったさが、余計に私を反応させた。
「……っふっ、ん……。も……のぼせちゃう……」
ようやくそれだけ口にすると、唇を離した司は熱っぽく色気の増した美しい顔で私を見た。
「確かにな。じゃあ、とっとと出よう」
バスルームから出て、また私は司にされるがままに髪の毛を乾かされる。
今度はちょっとばかり適当だったけれど。
「や、ぁっ…ぁっ!」
はやる気持ちがそのまま現れたかのように、私は生乾きの髪の毛のままベッドに連れて行かれ、そして待ちきれないとばかりの司の愛撫を受けていた。
跡形もなくなっていた赤い印を、司は私に思い出させるように次々とそれを体の至るところに残して行く。
その間に勝手に溢れて行く蜜を掬うように指でなぞられ、私は声を上げながら背中を反らした。
「すっげー、ここ柔らかい。こんなだったか?」
感触を確かめるように指を動かしながら、司は顔を上げる事なく私の肌に唇を這わしている。
「あっ!っそんなの、知ら、ないっ!」
押し寄せてくる快感に身を捩りながら私が答えると、お腹に唇を寄せて司は言った。
「しばらく耳塞いどけよ~」
まるで中にいる子どもに言い聞かせるようにそう言うと、お腹に向かってそのまま愛おしげにキスを落とす。
けれどその間にも、司の指は私を弄び、ゆっくりと擦っている。
「っやっ!ぁ、あっ」
止めることなんて出来ない自分の声。その声を聞きながら、司はまた下に向かって唇を動かし、そのまま口を開く。
「もっと聴かせて。その声……」
弾むようにそんな事を言いながら、司はトロトロになっているそこに舌を這わす。
「あ、んんっ!」
一層強い刺激に、持ち上げられていた足が跳ねる。
「もっと……。もっとだ」
そう言ったかと思うと強く吸われ、口の中で芯を転がされる。
「ぁ、ああっ!」
私は我を忘れて声を上げる。そしてそれから、どのくらいの時間が経ったのか分からなくなるくらいにずっと叫び声を上げさせられた。
「も、お願……い……」
司は挿入る事なく私を責め続けている。激しくされる事はなく、寧ろゆっくりとしたその愛撫に、私の腰は焦らされたように揺れ動く。
「本当に……挿入ていいのか?」
体を起こして私を見下ろしながら、司は私に尋ねた。
「なん……で?」
私はまだ整わない荒い息のまま、それに質問で返す。
「その……大丈夫か心配で……」
こんな行為の最中に見せるような表情ではない、司らしからぬ顔。
「司……意外と心配症……だよね」
本当に、意外と、と言う言葉がぴったりな程、今まで私の心配をしてくれていた。本当に呆れるくらい。
「お前限定な!他のやつの事なんか対して心配したりしねーよ」
ちょっとバツの悪そうな顔を見せて司は言う。
そんな司も、たまらなく……愛しい、と思ってしまう。
「大丈夫だから……。お医者様だってそう言ってた。だから……」
私はそう言って司に手を伸ばす。
「来て?」
司は驚いたように目を少し開き、すぐに口角を上げ笑みを浮かべる。
そしてこう言った。
「お前は……本当に俺を煽る天才だな」
そしてお互いを感じながら、私達は一つになった。
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