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あいつが乗ったエレベーターの扉が閉まるのを確認すると、瑤子はようやくはぁっと息を吐き出した。その安堵した様子に、俺の緊張感もようやく解けたように感じた。
「瑤子ちゃん。ごめんね。痛い思いさせるまで助けに行けなくて」
村井……の夫、夏希が申し訳なさそうに瑤子にそう言う隣で、俺は「何があったんだ?」と尋ねた。
あいつが瑤子に何をしたのか、俺はそれを見ていない。夏希とこの場所で落ちあった時、俺はこう言われていた。
『大将はここでどんと構えといて下さい。決着を付けるのは副将の仕事です』
一瞬何の話だ?と思ったが、あぁ、剣道か、とインカレ優勝者と聞いた事を思い出した。
「すみません。長門さん」
夏希は俺を見て謝る。
「なっちゃんが謝る事じゃないよ!」
瑤子が慌てて夏希にそう言うと、「さっきの、見せてもらっていい?」と夏希は心苦し気な様子で瑤子に返した。瑤子は少し戸惑いながらも、スーツの上着を脱ぎ、シャツの右腕を捲って見せる。
「あいつ……容赦ないな。ごめんね、ちょっと写真だけ撮らせて」
夏希はそう言うと、ポケットからデジカメを取り出し瑤子に向けた。
瑤子の腕にクッキリと付いた赤い指の跡。一体どれくらいの力で掴まれたんだと思うと、俺は抑えがたい怒りが込み上げて来た。
「司、そんな顔しないで?すぐ治るよ」
瑤子は俺を安心させるようにそう口にするが、夏希はため息を吐きながら口を開いた。
「瑤子ちゃん、それ結構あざになりそうだよ?長門さん、今から瑤子ちゃんを病院に連れてって診断書取っといてもらえませんか?事情聴取は明日で構いません。どうせあいつはすぐには帰れない」
最後に語気を強めて言う夏希に、俺は「分かった」とだけ答えた。
3人でエレベーターに乗り、俺達は1階に、夏希は地下の駐車場に向かう。
「じゃあこれで。明日は午後からでいいので、すみませんがご協力お願いします」
別れ際にそう言う夏希に、俺は「あぁ」と短く返し、瑤子は「なっちゃん。ありがとう」と礼を言って別れた。
徒歩で病院へ行き、瑤子は診察を受けた。骨に異常はなかったものの、診察後に湿布と包帯を巻かれた瑤子の腕は痛々しかった。
「腹、減っただろ?」
平日の、少し落ち着きを取り戻した時間帯。戻って来たホテルのロビーで俺は右側に立つ瑤子にそう尋ねた。
「あ、の……そう……なんだけど……」
瑤子は俺の真横で、言葉を濁しながらそう答える。
「どうかしたか?」
瑤子の顔を覗き込むと、瞳を揺らしながら瑤子は俺を見上げた。
「……早く……2人きりになりたいなって……」
「……ん。りょーかい」
俺は瑤子の肩を引き寄せると、人目も気にせずこめかみに辺りに唇を寄せて、そう答えた。
扉が閉まるのか合図だったかのように、どちらともなく俺達は唇を重ねた。
夏の日の、あの時と同じ場所で同じ事をしているのに、湧いてくる感情は全く違うものだった。
ただただ愛おしくて、この手に無事に戻って来てくれた事に安堵しながら、俺はその唇を味わった。
しばらくの間お互いの唇を求めあってから唇を離しその顔を見ると、瑤子は名残惜しそうに俺を見上げていた。その様子に、含み笑いをしながら俺は瑤子の顔に両手を当てて撫でる。
「まだ……して欲しい?」
「うん……。して欲しい……」
紅く熟れた唇からそんな言葉を紡ぎ、瞳を潤ませて瑤子は強請るように俺を見つめていた。
「そんなに煽るなよ。とりあえず、ずっとここにいる訳にいかねーだろ?」
額に軽く唇を落としてから、瑤子の手を引いて奥に向かう。コートを脱がせてクローゼットに掛けてから瑤子の元に戻ると、瑤子は窓際に立ってぼんやりと外を眺めていた。
「何考えてる?」
後ろから抱きしめて腰に腕を回すと、瑤子は自分のそれを重ねて、俺に凭れ掛かった。
「これで……良かったのかなぁって……」
遠くを見るようにして、瑤子はそう呟く。
「良かったんだよ。今は。簡単に忘れろなんて何て言えねぇ。けどいつか……そんな事もあったなって言える日が来るさ」
自分に言い聞かせるように俺がそう言うと、瑤子は「そうだね」と小さく呟いた。
「瑤子」
窓に映る、まだ虚な表情のその人の名を呼ぶ。
「なあに?」
窓越しに瑤子が小さく笑いながら返しているのが見える。
「俺と結婚してくれる?」
今更の様に尋ねる俺に、瑤子はふふっと息を漏らして「もちろん」と外に視線を向けたまま答えた。
「じゃあ……俺の子供……産んでくれる?」
俺のその言葉に瑤子は一瞬体を硬くして、そしてゆっくりと振り返って俺を見た。
「え……?」
瞳を開いて俺を呆然と見上げたままの瑤子に俺は続けた。
「俺は……後悔してる。子供はいらないって言った事。お前が本当はどう思ってるか、分かってたのに。自分の身勝手であんな事言って、凄ぇガキだったなって」
本当に、そう思う。結局はガキの頃から何も変わらないまま、自分勝手に生きてきた。それを、瑤子にまで押し付けようとしていたのだと。
「俺は……家なんてものに縛られ続けて、大事な事を見落としてた。……お前と、一から新しい家族を築けばいいんだって今頃になって気づいた。だから……お前との子供が欲しい。本気でそう思ってる」
いつの間にか俺の中に芽生えたその感情をようやく俺は口にする。
今まで、瑤子を苦しめたかも知れないのに、それでも……伝えたかった。
「瑤子ちゃん。ごめんね。痛い思いさせるまで助けに行けなくて」
村井……の夫、夏希が申し訳なさそうに瑤子にそう言う隣で、俺は「何があったんだ?」と尋ねた。
あいつが瑤子に何をしたのか、俺はそれを見ていない。夏希とこの場所で落ちあった時、俺はこう言われていた。
『大将はここでどんと構えといて下さい。決着を付けるのは副将の仕事です』
一瞬何の話だ?と思ったが、あぁ、剣道か、とインカレ優勝者と聞いた事を思い出した。
「すみません。長門さん」
夏希は俺を見て謝る。
「なっちゃんが謝る事じゃないよ!」
瑤子が慌てて夏希にそう言うと、「さっきの、見せてもらっていい?」と夏希は心苦し気な様子で瑤子に返した。瑤子は少し戸惑いながらも、スーツの上着を脱ぎ、シャツの右腕を捲って見せる。
「あいつ……容赦ないな。ごめんね、ちょっと写真だけ撮らせて」
夏希はそう言うと、ポケットからデジカメを取り出し瑤子に向けた。
瑤子の腕にクッキリと付いた赤い指の跡。一体どれくらいの力で掴まれたんだと思うと、俺は抑えがたい怒りが込み上げて来た。
「司、そんな顔しないで?すぐ治るよ」
瑤子は俺を安心させるようにそう口にするが、夏希はため息を吐きながら口を開いた。
「瑤子ちゃん、それ結構あざになりそうだよ?長門さん、今から瑤子ちゃんを病院に連れてって診断書取っといてもらえませんか?事情聴取は明日で構いません。どうせあいつはすぐには帰れない」
最後に語気を強めて言う夏希に、俺は「分かった」とだけ答えた。
3人でエレベーターに乗り、俺達は1階に、夏希は地下の駐車場に向かう。
「じゃあこれで。明日は午後からでいいので、すみませんがご協力お願いします」
別れ際にそう言う夏希に、俺は「あぁ」と短く返し、瑤子は「なっちゃん。ありがとう」と礼を言って別れた。
徒歩で病院へ行き、瑤子は診察を受けた。骨に異常はなかったものの、診察後に湿布と包帯を巻かれた瑤子の腕は痛々しかった。
「腹、減っただろ?」
平日の、少し落ち着きを取り戻した時間帯。戻って来たホテルのロビーで俺は右側に立つ瑤子にそう尋ねた。
「あ、の……そう……なんだけど……」
瑤子は俺の真横で、言葉を濁しながらそう答える。
「どうかしたか?」
瑤子の顔を覗き込むと、瞳を揺らしながら瑤子は俺を見上げた。
「……早く……2人きりになりたいなって……」
「……ん。りょーかい」
俺は瑤子の肩を引き寄せると、人目も気にせずこめかみに辺りに唇を寄せて、そう答えた。
扉が閉まるのか合図だったかのように、どちらともなく俺達は唇を重ねた。
夏の日の、あの時と同じ場所で同じ事をしているのに、湧いてくる感情は全く違うものだった。
ただただ愛おしくて、この手に無事に戻って来てくれた事に安堵しながら、俺はその唇を味わった。
しばらくの間お互いの唇を求めあってから唇を離しその顔を見ると、瑤子は名残惜しそうに俺を見上げていた。その様子に、含み笑いをしながら俺は瑤子の顔に両手を当てて撫でる。
「まだ……して欲しい?」
「うん……。して欲しい……」
紅く熟れた唇からそんな言葉を紡ぎ、瞳を潤ませて瑤子は強請るように俺を見つめていた。
「そんなに煽るなよ。とりあえず、ずっとここにいる訳にいかねーだろ?」
額に軽く唇を落としてから、瑤子の手を引いて奥に向かう。コートを脱がせてクローゼットに掛けてから瑤子の元に戻ると、瑤子は窓際に立ってぼんやりと外を眺めていた。
「何考えてる?」
後ろから抱きしめて腰に腕を回すと、瑤子は自分のそれを重ねて、俺に凭れ掛かった。
「これで……良かったのかなぁって……」
遠くを見るようにして、瑤子はそう呟く。
「良かったんだよ。今は。簡単に忘れろなんて何て言えねぇ。けどいつか……そんな事もあったなって言える日が来るさ」
自分に言い聞かせるように俺がそう言うと、瑤子は「そうだね」と小さく呟いた。
「瑤子」
窓に映る、まだ虚な表情のその人の名を呼ぶ。
「なあに?」
窓越しに瑤子が小さく笑いながら返しているのが見える。
「俺と結婚してくれる?」
今更の様に尋ねる俺に、瑤子はふふっと息を漏らして「もちろん」と外に視線を向けたまま答えた。
「じゃあ……俺の子供……産んでくれる?」
俺のその言葉に瑤子は一瞬体を硬くして、そしてゆっくりと振り返って俺を見た。
「え……?」
瞳を開いて俺を呆然と見上げたままの瑤子に俺は続けた。
「俺は……後悔してる。子供はいらないって言った事。お前が本当はどう思ってるか、分かってたのに。自分の身勝手であんな事言って、凄ぇガキだったなって」
本当に、そう思う。結局はガキの頃から何も変わらないまま、自分勝手に生きてきた。それを、瑤子にまで押し付けようとしていたのだと。
「俺は……家なんてものに縛られ続けて、大事な事を見落としてた。……お前と、一から新しい家族を築けばいいんだって今頃になって気づいた。だから……お前との子供が欲しい。本気でそう思ってる」
いつの間にか俺の中に芽生えたその感情をようやく俺は口にする。
今まで、瑤子を苦しめたかも知れないのに、それでも……伝えたかった。
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