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38 side T

2*.

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「ほら、こっち向け」

俺がそう言うと、瑤子は素直にそれに従い俺の方を向く。
帰ってきたばかりの家。瑤子は結局着替えないまま連れて帰って来た。
まどかと2人調子に乗って飲んでいた日本酒の所為で、瑤子の着物から覗く首は、ほんのりと桜色に染まっていた。


「えっ?帰るの?」

まどかに付き合わせて飲ませていたら酔い潰れそうで、俺は適当なところでストップをかけ帰ろうと促した。
だいたい俺は運転しなきゃならないから一滴の酒さえ飲めず、尊斗は下戸だ。美味そうにジョーにやった酒と同じものを飲む2人を俺は指を咥えて見るだけだった。
そんな俺に、まどかは「馬鹿ねぇ。タクシーで来れば良かったじゃない」なんて平然と言いのける。

「うるせーな。大体俺に馬鹿とか言う奴はお前だけだ」

俺が不機嫌を顔に出して言うと「あら。私のことをお前とか言うの、あなただけなんだけど?」と冷たく返された。

「もう!喧嘩しないの!帰るんでしょ!着替えなきゃ」

仲裁するように会話に入った瑤子に、「そのままでいいだろ。帰ってから着替えろよ」と返した。

「いいわよ?どうせ一式、瑤子ちゃんにあげるつもりだったし。クリーニング代浮いて助かるわぁ!」

今度は俺に助け舟を出すようにまどかはそう言う。

「え⁈でも!」

困ったように瑤子は言っていたが、俺はそれを受け流して、とりあえず家に連れて帰って来た。

着物は幼い頃から日常にあったもので、仕組みくらいは分かっている。
俺は寝室で前を向かせて順番に帯を解いていく。正直、面倒くせーなと思うが、まあまあ真剣に解いていると、瑤子が意外そうに声を上げた。

「なんかこう、適当に脱がしにかかるのかと思ってた」
「あ?その方がいいなら今からそうするけど?」

先に取り去った帯を畳みながら俺が言うと、慌てたように瑤子は「け、結構です!」と顔をより上気させた。

「分かってねぇなぁ」

瑤子の背中側からそう言い、着物を持って脱がせる。後は長襦袢だけ。ようは今、下着姿で突っ立っているようなもんなのに、瑤子は何も思ってないようだ。
俺はとりあえず着物を専用のハンガーに掛けに行く。

着物を傷めないようこっちは気を使ってるっつーの

だが、帯と着物さえちゃんとしてあれば、後は替えがきくものしか残っていない。

「ありがとう。後は自分で出来そう」

着物を掛け終えて瑤子の方を向くと、やっぱり何も気づいていない瑤子は笑顔で俺に言う。
そのまま瑤子の元に向かうと、俺はそのまま腰を引き寄せた。

「これで終わりだと思ってた?」

俺は瑤子の耳元で、不敵に笑いながら囁いた。

「やっっ」

ベッドに押し倒すが早いか、そのまま衿を広げてそこに現れた鎖骨近くに唇を落として強く吸うと、瑤子は身を捩らせそう声を上げた。桜色の襦袢に映える桜色に染まった肌。そこには俺の付けた印が赤く残っている。

「ちょっとっ!本気っ?」

腰に巻かれる伊達締めを緩めながら、合わさった衿を少しずつ広げていきながら次々に跡を残して行くと、瑤子は俺の肩を押し退けるように言う。

「当たり前だろ?こんな唆る姿なのに何もしねーわけないだろーが」
「唆るって!何考えてるのよ!」

緩んだ合わせを思いきり肩までずらすと、そこに現れる豊かな双房。もちろん下着を付けるなんて無粋な真似はしていない。と言ってもさすがに下は履いてるだろうが。
片方をゆっくり揉みしだきながら、片方の先端を口に含んで舌で転がす。

「あっっ……んっ」

背中を軽く反らしながら、瑤子は俺の両腕に捕まって艶かしく声を上げる。
舌で、指で刺激を与えると、足を曲げて擦り合わせ始め襦袢がはだけていく。

強く刺激すればする程に体が跳ね、よりあられもない姿になっていっていることに気づいていないのか、俺に乱されたまま、瑤子は熱く吐息を漏らしていた。

「すげー姿だな」

体を起こして、自分の着ているものを脱ぎ捨てながらそう言うと、瑤子は体中を赤く染めながら「誰がそうさせてるのよ!」と恨めし気に俺を見た。

「ん?俺。だってこんな唆る格好で誘われたらのるしかないだろ?」

片側の膝の内側を持ち上げて、現れた腿の内側に唇を寄せて、そこにも印を残す。

「やっっ!」

そうやって淫らに反応する瑤子を次々と責める。
熱くなる甘い声を聞きながら、より啼けと言わんばかりに執拗に俺は責め立てた。


「あっっ、あぁっ」

繋がったまま体を揺らす瑤子を、俺は上から眺める。腰にはまだ緩んだ伊達締めが巻かれていて、開いた襦袢に心許なくくっついているだけ。そんな姿が色香を際立たせていた。

「気持ち……いいか?」

時折、苦悶の表情を見せるような瑤子の指を握りしめて尋ねる。

「あっ、んんっ!い、い…に決まっ…て、る……」

そんな可愛い事を必死に言う瑤子に、俺はより深く入り込む。それに合わせて、イヤラしい水音が聞こえてきた。

「俺も。死にそうなくらい……気持ちいい……」

そんな事を囁きながら、俺はその体に溺れて行った。
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