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6 side T
4.
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「何で私があなたのストレス解消に付き合わなきゃいけないんですか⁈」
ようやく正気に戻ったのか、俺の腕の中で身をよじりながらそう抗議の声を上げる。
「前はお前のストレス解消につきあったんだから、今度は俺の番だろ?」
「何でそうなるんですか⁈だいたい私のストレスの原因は全部あなたです!!」
俺からようやく離れて、瑤子は肩で息をしながらそう吐き捨てる。
「分かってるけど?」
俺が、より火に油を注ぐような発言をすると、「~~っ!!」と言葉なく瑤子は怒っていた。
「だいたい、私はあなたの恋人でもセフレでもないんだから、他を当たればいいでしょ?」
ちょっと冷静になったのか、瑤子はそっぽを向いて冷たく言った。
まあ、確かにどっちでもないし、もちろん恋人にしたいなんて思っていない。
でも……
「じゃあ、俺のセフレになる?」
こっちにならしてもいい。
「はぁ?」
流石にこっちを向いて、半ば呆れるように瑤子は言う。
「別にいいだろ?お前は男探す手間が省けるし、俺はセフレが一人増える。それだけの事だろ?」
「だから!私は後腐れない相手としか……」
会話の途中で瑤子の腕を掴み、また引き寄せてその耳元に唇を寄せる。
「……俺の身体、良かっただろ?」
耳に唇を触れさせて、ワザと囁くように言うと、瑤子の体が反応して揺れ「……っあっ」と小さく声を漏らした。
もう一押しだな。
俺はそのまま舌でゆっくり耳の淵をなぞった。
「俺はお前とまたやりたいんだけど」
さっきより小さく囁くと、瑤子は「……ふっっ」と熱い息を漏らした。
耳から顔を離して瑤子を見ると、小さく震えながら耐えていて、その顔もそそられる。
また欲しくなって顔をこちらに向かせて近づけると、瑤子が口を開いた。
「じょっ……条件があります!」
「条件?」
少し顔を離すと、瑤子は真っ直ぐにこちらを見ている。
「条件は2つ。飲んでくれたらさっきの提案に乗ります」
ビジネスなのかと思うくらいにお堅い台詞に、俺は笑いながら口を開く。
「じゃ、その条件とやらを聞かせて貰おうか?」
そう言って俺は瑤子の手を引き、ベッドまで連れて行くとそこに座らせた。
俺は瑤子の隣に座り、顔に手を添えてこちらを向かせると、その唇を指でなぞった。
口紅が滲んでいて、さっきまでの行為を思い出させる。
「で、条件って?」
俺はそのまま指で唇をなぞりながら瑤子に尋ねた。
「……まず一つ目は、仕事にこの関係を持ち込まないこと」
そう言う瑤子の胸のあたりから首にかけてを、反対の空いた手でなぞりながら「もう一つは?」と尋ねた。
「どちらかがこの関係の解消を求めたら、無条件に応じること」
俺の指の動きに瞳を揺らしながらも、こちらを真っ直ぐ見て瑤子はそう言った。
どちらかが飽きたらお終いって事だろ?上等じゃねーか。
でも、俺にも言いたい事はある。
「分かった。契約成立だ。だか、俺からも条件が2つある」
「何ですか?」
「仕事以外の時は、その話し方をやめること。普通に話せ。あと……俺を下の名前で呼ぶこと。いい?」
そう言って、両手で顔を挟んでより上を向かせて、俺は顔を寄せた。
「……分かった」
瑤子の目蓋が静かに閉じられて行くのを見ながら、俺はまた唇を重ね、そのままベッドにゆっくりと押し倒した。
そのまま唇の柔らかい感触を確かめるように吸い、薄く開く隙間に舌を滑り込ませる。
「はぁっ……んっ……」
もっと、と強請るように舌を絡めながら、瑤子は俺の頭を抱えた。
それに火がついた俺は、より一層深く深く口の中の至るところを舌でなぞった。
「んんんっっ……」
苦しそうにも聞こえる声を上げながら、瑤子は腕に力を入れる。
だが、俺が服の隙間から手を差し入れた時、それは変わった。
侵入を拒むかのように、俺の手を慌てて掴んだ。
「んっんっ!」
瑤子は唇を塞がれたまま、何かを言いたそうにしている。
仕方ねーなぁ。
俺が唇を放すと同時に「待って!ほんとに汗凄いから、せめてシャワー浴びさせて!」と俺を押し除けるように腕で突っ張って言った。
確かに……ここに来た時、かなり息が上がってたっけ。
「じゃ、一緒に入るか」
そうやって俺が楽しげに言うのを、瑤子は心底嫌そうな顔で見ていた。
ようやく正気に戻ったのか、俺の腕の中で身をよじりながらそう抗議の声を上げる。
「前はお前のストレス解消につきあったんだから、今度は俺の番だろ?」
「何でそうなるんですか⁈だいたい私のストレスの原因は全部あなたです!!」
俺からようやく離れて、瑤子は肩で息をしながらそう吐き捨てる。
「分かってるけど?」
俺が、より火に油を注ぐような発言をすると、「~~っ!!」と言葉なく瑤子は怒っていた。
「だいたい、私はあなたの恋人でもセフレでもないんだから、他を当たればいいでしょ?」
ちょっと冷静になったのか、瑤子はそっぽを向いて冷たく言った。
まあ、確かにどっちでもないし、もちろん恋人にしたいなんて思っていない。
でも……
「じゃあ、俺のセフレになる?」
こっちにならしてもいい。
「はぁ?」
流石にこっちを向いて、半ば呆れるように瑤子は言う。
「別にいいだろ?お前は男探す手間が省けるし、俺はセフレが一人増える。それだけの事だろ?」
「だから!私は後腐れない相手としか……」
会話の途中で瑤子の腕を掴み、また引き寄せてその耳元に唇を寄せる。
「……俺の身体、良かっただろ?」
耳に唇を触れさせて、ワザと囁くように言うと、瑤子の体が反応して揺れ「……っあっ」と小さく声を漏らした。
もう一押しだな。
俺はそのまま舌でゆっくり耳の淵をなぞった。
「俺はお前とまたやりたいんだけど」
さっきより小さく囁くと、瑤子は「……ふっっ」と熱い息を漏らした。
耳から顔を離して瑤子を見ると、小さく震えながら耐えていて、その顔もそそられる。
また欲しくなって顔をこちらに向かせて近づけると、瑤子が口を開いた。
「じょっ……条件があります!」
「条件?」
少し顔を離すと、瑤子は真っ直ぐにこちらを見ている。
「条件は2つ。飲んでくれたらさっきの提案に乗ります」
ビジネスなのかと思うくらいにお堅い台詞に、俺は笑いながら口を開く。
「じゃ、その条件とやらを聞かせて貰おうか?」
そう言って俺は瑤子の手を引き、ベッドまで連れて行くとそこに座らせた。
俺は瑤子の隣に座り、顔に手を添えてこちらを向かせると、その唇を指でなぞった。
口紅が滲んでいて、さっきまでの行為を思い出させる。
「で、条件って?」
俺はそのまま指で唇をなぞりながら瑤子に尋ねた。
「……まず一つ目は、仕事にこの関係を持ち込まないこと」
そう言う瑤子の胸のあたりから首にかけてを、反対の空いた手でなぞりながら「もう一つは?」と尋ねた。
「どちらかがこの関係の解消を求めたら、無条件に応じること」
俺の指の動きに瞳を揺らしながらも、こちらを真っ直ぐ見て瑤子はそう言った。
どちらかが飽きたらお終いって事だろ?上等じゃねーか。
でも、俺にも言いたい事はある。
「分かった。契約成立だ。だか、俺からも条件が2つある」
「何ですか?」
「仕事以外の時は、その話し方をやめること。普通に話せ。あと……俺を下の名前で呼ぶこと。いい?」
そう言って、両手で顔を挟んでより上を向かせて、俺は顔を寄せた。
「……分かった」
瑤子の目蓋が静かに閉じられて行くのを見ながら、俺はまた唇を重ね、そのままベッドにゆっくりと押し倒した。
そのまま唇の柔らかい感触を確かめるように吸い、薄く開く隙間に舌を滑り込ませる。
「はぁっ……んっ……」
もっと、と強請るように舌を絡めながら、瑤子は俺の頭を抱えた。
それに火がついた俺は、より一層深く深く口の中の至るところを舌でなぞった。
「んんんっっ……」
苦しそうにも聞こえる声を上げながら、瑤子は腕に力を入れる。
だが、俺が服の隙間から手を差し入れた時、それは変わった。
侵入を拒むかのように、俺の手を慌てて掴んだ。
「んっんっ!」
瑤子は唇を塞がれたまま、何かを言いたそうにしている。
仕方ねーなぁ。
俺が唇を放すと同時に「待って!ほんとに汗凄いから、せめてシャワー浴びさせて!」と俺を押し除けるように腕で突っ張って言った。
確かに……ここに来た時、かなり息が上がってたっけ。
「じゃ、一緒に入るか」
そうやって俺が楽しげに言うのを、瑤子は心底嫌そうな顔で見ていた。
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