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ありさな✴️

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第1章

6、ママからのプレゼント (彩奈視点)

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  いつもの帰り道、幼稚園から家まで自分たちの徒歩でも行ける距離なので、
すでに道は把握している。

 歩いていると、お母さんが幼稚園のことを聞いてきた。

 特に変わらないんだけど・・・・あるとすれば


 「今日の幼稚園はどうだった。」


 少しずつ日が落ちているのがわかる。

 また、街灯が光っているからか、通るたび地面を見ると影ができていた。


「うーとね。今日ね。ママに秘密だったけど幼稚園のみんなでお買い物ごっこしたんだよ。
 品物のお金も一から作って、自分たちがしたい仕事に分かれて、出したい商品つくったの。
ほら、見て」

 うさぎのリュックサックから、鳥にもつけれそうなブレスレットを
  手のひらにのせ見せた。

 
「これ、作ったの彩奈とおそろいね。

 はい、ママの為に作ったのあげる」

 
 それは、今彩奈自身が身に着けている色違いのブレスレットだった。
キラキラなビーズと星が交互にできていた。中心には大きな丸いビーズがついていた。


「ありがとう、こんな優しい娘がいて嬉しいわ。」


 笑いながら、彩奈の頭を優しくなでた。

 するとあることに気が付き、
背中にしょっている二段式ようリュックサックをハンドバックへと持ち替えた。
ファスナを開けてさぐるなか、バックから何かを取り出した。

 「彩奈、今日は何の日か分かる?」


 「うん、私の誕生日でしょう?」


 お母さんが質問してくるので、自分の誕生日だと伝えた。
その質問は、幼稚園の朝の会で紹介されるのですぐに出てきた。

 
 「正解、5歳になった彩奈の為にプレゼントだよ。」


 見てみると、指輪が鎖につけてあり、外れないようになっている。
今は身に着けられないからか、鎖には彩奈の首に合うようにネックレスになっていた。


 彩奈が指輪を見るとあることに気が付いた。
  

 「これ、どうしたの?ママが一番大切にしてた指輪だよね。ダメだよ。」

 
 申し訳なさそうに鳥に伝えるが、
 「いいから」といいながら、彩奈を後ろに向かせ、ネックレスをつけた。 

 
 ゆっくりと前を振り向くと、とっても嬉しそうな顔で笑った。


 「とてもにあうわよ。それは、あなたのお父さんから貰ったものなのよ。」


 指輪を懐かしく思いながら、彩奈のネックレスを触った。

 前から気になっていたが、初めてお父さんの存在を知った。
【何で】と聞こうとすると、気まずそうな顔で彩奈を見るからだ。

 
 先生が言っていた、「誰もが秘密を持っている。だから、相手から話すまで待ってましょうね。」
と聞いた。

 だから、お父さんの存在を今知った事にした。


 「お父さんから?」

 「そうよ。今は遠いところへ行ってしまったけれど・・・」


 お母さんはまだ私が幼いからか、深くは語らなかった。


 昔の事を振り返り暗くなってしまった空気に、心配そうな顔して彩奈は言うのだった。

 「本当にそんな大切な物貰っていいの?ママ、お父さんから貰ったものなのに」

 「いいの。私は彩奈に貰ってほしいんだから」


 そう伝えると、鳥に抱きしめられた。
すると、首に下がっているからから不思議な光をはなち輝き始めたのです。
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