7 / 8
第一章 突入
6, 第一回 日シルドア使節交流
しおりを挟む
────同年4月11日 08時00分
ユグ・シルドア王国との友好的な接触を図るために派遣された、外務省職員2名と幹部自衛官1名からなる、日本国のシルドア使節団。
彼らは、王城の謁見の間にて、シルドア王国の第四十代国王 セルキ=シルドアの前に跪いていた。
「面を上げよ。歓迎するぞ、日本国の使者達よ」
使節団の団長である水谷は、今までに無いほどに緊張していた。
彼は、外務省で15年を勤務している。ここ10年は、一向に進む気配がない露との北方領土問題を担当し、北方領土の二島返還まであと一歩のところまで漕ぎつけていた。
──── しかし、今回発生した『異界』騒動により少し近づきつつあった、露との関係性は完全に破綻してしまったのだが…… ────
そんな彼でも、一国の王を相手にするのは初めての事だった。
ましては、相手は存亡危機が文字通りすぐ側にあり続ける状態の国家を、十数年間常に引っ張り続けた百戦錬磨の国王だ……貫禄が違う。
だからと言って、ビビる訳には行かない。私にも守るべき国がある。そして、日本のエリート官僚としてのプライドというものがあるのだ。
そう覚悟を決め、国王の言葉通りに顔を上げる。
目の前の玉座に座っていたのは、六十代後半の少し髭を生やしたイケおじ。
体格は、特段良い訳では無いが、痩せている訳でもない。
一見体調が良いように見えるが、目の下にはっきりと隈が見えている。連日の公務であまり睡眠が取れていないだろう。
「お初にお目にかかります、セルキ国王陛下。今回は、我が国の使節団を歓迎していただき、誠にありがとうございます」
「ほう、礼儀正しいのだな」
「いえ、セルキ国王陛下は一国の王でございますが、私共は一介の公務員でしかございません。目上の方に礼儀を示すのは、当然のことでございます」
水谷の言葉に、他二人も頷き同意した。
そんな、3人と水谷の言葉にシルドア王国の重鎮たちは、一様に驚いた反応を示していた。
何故驚くのだろう?そう思い、水谷がセルキに問う。
「なぜ、大臣の方々は驚いておられるのですか?」
「あぁ、すまんな。こちらにも、いろいろあってな。それよりも、早く貴国との文化交流を始めようではないか」
あくまでも、そこは明かさないか。
まあ、自国の弱みを敵かもわからない奴には話さないよな。
水谷はそう納得して、セルキ言葉に応える。
「はい。ですが、始める前に一点だけ、お伝えしてもよろしいでしょうか?」
「なんだ?申してみよ」
続く、水谷の言葉で一瞬だけ場が凍る。
「我々も、日本国一億二千万人の命、ひいては地球の七十億人もの命を背負っています。そこを踏まえて、今回の交渉に臨むことをご理解いただきたい」
水谷の顔に怯えはなく、それどころか不敵に笑っていた。
自分らの情報を一部だけ開示し、相手の反応を伺う。
これは、場合によっては悪手になりうるが、今回は相手側に我々の情報は一切ない。それを利用し、こちら側に都合のいい情報だけを渡すことができる。
しかし、それはあちらも同じだ。
渡される情報の真偽は、しっかり見分けなければいけない。慎重に行こう。
そう、水谷が考えている中、セルキは辛うじて表情には出していないが、内心とても驚いていた。
基本的には、下手に出る。
しかし、自国の利益の部分は強気に出る…か。
ふっ、面白い。最近は、皇国の無駄に傲慢な使者ばかりで、まともに交渉などしていなかったからな。
良い、交渉になりそうだ。
「はっはっは。なるほど、貴国の人口が本当にそれ程なのかはわからんが……いいだろう。貴殿等も一国を背負っている点は我と変わらぬ。良い交渉としようじゃないか」
「はい、是非とも良い関係を」
その、言葉と同時に場所を謁見の間から移すことになった。
謁見の間を出ると、七三式小型トラックから交渉用のサンプルや物資が下ろした隊員たちが、物資を両手に抱え待っていた。
「待たせたな。場所を変えることになった。移動するぞ」
『はい!』
鍋島の言葉で、隊員たちは一斉に移動し始める。
案内役と思われる騎士に先導され、しばらく歩いていると、広めの会議室のような場所に着いた。
その部屋には、長机が中央に置かれており、その周りにたくさんの椅子が置かれていた。
所謂、お誕生日席と呼ばれる場所に座るのは、セルキ国王。
そして、向かい合う形で日本国とシルドア王国のメンバーがそれぞれ席に着く。
「それでは、日本国とシルドア王国の異文化交流を始めさせていただきます。進行は、私シルドア王国外務大臣、アトリが行わせていただきます」
進行を務めるアトリの言葉で、第一回 日シルドア使節交流がスタートした。
「まずは、我が国の存在するカラスコ大陸についてご説明します。手元の資料をご覧ください」
シルドア使節団副隊長の柳井は、手元に重ねてある紙の一枚目を見る。
その紙には、この大陸の地図と国の名前が記入されていた。
さらには、川や山などの地形までもが正確に記されていた。
「これは、なかなか正確な地図ですね」
地図などの地形情報は、とても重要な交渉カードなはずだ。
それをなぜ……あぁ、なるほど。そういうことか。
水谷の納得をよそに、地形情報をいち早くほしいであろう、自衛隊の代表である鍋島がアトリに質問する。
「なぜこのような、重要な情報を我々に?」
「簡単な話です。日本国には、簡単に空を飛べる乗り物を有しているのです。それも、憶測ではありますが、相当な数を」
「なるほど、これは一本取られましたね。アトリ殿は、よく頭が回るようで」
その水谷の言葉に、鍋島もアトリの思惑に気づいたのか、苦笑して頭をかいていた。
我々が、地形情報ぐらいなら直ぐに把握できることを読んで、交渉の材料に使ったわけか。やはり、油断できないな。
「それで、対価として何をお求めで?」
「そうですね……。では、日本国の技術者の派遣などでどうでしょうか?」
アトリから、提案されたのは水谷も望んでいたものだった。
「そんなものでいいですか?」
「はい。今の我が国には、リナを始めとした優秀な技術者がそろっています。その才能を無駄にするのも惜しいですから」
「そういうことでしたら、上に掛け合ってみますね」
「ありがとうございます」
その後も、日本とシルドアの文化交流は続き、シルドア王国は日本の科学技術の高さに、日本もシルドア王国の魔法や魔力といった未知の概念に多くの驚きを得た。
そんなこんなで、使節交流はあっという間に1日目が過ぎていった。
「いやー、魔法というのも面白いですね」
豪華な食事でもてなされた使節団のメンバーは、食事後に水谷の部屋に集まっていた。
「そうだな。シルドア王国の魔法技術に我が国の科学技術を上手く融合することができれば、インフラにも大きな革命が起きるぞ」
「シルドア王国だけじゃなく、近隣諸国ともぜひ良い関係を作りたいですね」
「その話なんだが、俺たち以外の隊はだいぶ苦戦しているらしいぞ」
各隊の定例会議にも顔を出している鍋島は、他の隊の状況も知ることができているのだ。
「そうなんですか?」
「ああ。特に渋谷隊は中々厳しいらしい」
「はー、そう上手くはいかないものですね」
───同年4月1日 正午 渋谷門
渋谷の『門』を向けた先は、なだらかな傾斜が続く丘の頂上であった。
『異界』内部の空は、青く澄み渡っており、日本とあまり変わているようには感じなかった。
だが、そんな感想も束の間。一足早く突入していった第五偵察戦闘隊からの報告により、臨戦態勢で突入した隊員たちに緊張が走る。
『目標正面、距離500。接近目標、敵騎兵。数推定5,000』
今回の突撃の主戦力となるのが、七四式戦車だ。
七四式戦車の中に、緊張した面持ちで座る隊員たち。その耳に着けられた無線機から聞えてくる、射撃の準備を促す無線。その言葉に、戦車内の空気は少しずつ緊張感が増していく。
「こちら、日本国陸上自衛隊…………」
戦車内部にも届く、敵対行為の最終確認。
しかし、拡声器による呼びかけは無視され、敵騎兵は依然引き返すそぶりを見せない。
『目標正面、距離400』
指揮官からの、目標修正の無線が入る。あの、呼びかけを無視された以上、自衛隊に容赦はない。
『撃てェッ!』
その言葉と同時に、事前に決められている目標に向け、七四式戦車の105㎜ライフル砲の雨が降り注ぐ。
斥候からの情報で、事前に計画されていた完璧な計画射撃は、敵兵の熱意や意地など関係なく、無慈悲に冷酷に敵兵の命をより効率よく奪っていく。
砲弾一つで十人、もしくはそれ以上の人数が最期の言葉もなく一瞬で散っていく。
敵騎兵は完全に乱れており、先ほどまでの威勢は既に見る影もなくなっていた。
だが、案ずるな。地獄はまだ始まったばかりだ。
ユグ・シルドア王国との友好的な接触を図るために派遣された、外務省職員2名と幹部自衛官1名からなる、日本国のシルドア使節団。
彼らは、王城の謁見の間にて、シルドア王国の第四十代国王 セルキ=シルドアの前に跪いていた。
「面を上げよ。歓迎するぞ、日本国の使者達よ」
使節団の団長である水谷は、今までに無いほどに緊張していた。
彼は、外務省で15年を勤務している。ここ10年は、一向に進む気配がない露との北方領土問題を担当し、北方領土の二島返還まであと一歩のところまで漕ぎつけていた。
──── しかし、今回発生した『異界』騒動により少し近づきつつあった、露との関係性は完全に破綻してしまったのだが…… ────
そんな彼でも、一国の王を相手にするのは初めての事だった。
ましては、相手は存亡危機が文字通りすぐ側にあり続ける状態の国家を、十数年間常に引っ張り続けた百戦錬磨の国王だ……貫禄が違う。
だからと言って、ビビる訳には行かない。私にも守るべき国がある。そして、日本のエリート官僚としてのプライドというものがあるのだ。
そう覚悟を決め、国王の言葉通りに顔を上げる。
目の前の玉座に座っていたのは、六十代後半の少し髭を生やしたイケおじ。
体格は、特段良い訳では無いが、痩せている訳でもない。
一見体調が良いように見えるが、目の下にはっきりと隈が見えている。連日の公務であまり睡眠が取れていないだろう。
「お初にお目にかかります、セルキ国王陛下。今回は、我が国の使節団を歓迎していただき、誠にありがとうございます」
「ほう、礼儀正しいのだな」
「いえ、セルキ国王陛下は一国の王でございますが、私共は一介の公務員でしかございません。目上の方に礼儀を示すのは、当然のことでございます」
水谷の言葉に、他二人も頷き同意した。
そんな、3人と水谷の言葉にシルドア王国の重鎮たちは、一様に驚いた反応を示していた。
何故驚くのだろう?そう思い、水谷がセルキに問う。
「なぜ、大臣の方々は驚いておられるのですか?」
「あぁ、すまんな。こちらにも、いろいろあってな。それよりも、早く貴国との文化交流を始めようではないか」
あくまでも、そこは明かさないか。
まあ、自国の弱みを敵かもわからない奴には話さないよな。
水谷はそう納得して、セルキ言葉に応える。
「はい。ですが、始める前に一点だけ、お伝えしてもよろしいでしょうか?」
「なんだ?申してみよ」
続く、水谷の言葉で一瞬だけ場が凍る。
「我々も、日本国一億二千万人の命、ひいては地球の七十億人もの命を背負っています。そこを踏まえて、今回の交渉に臨むことをご理解いただきたい」
水谷の顔に怯えはなく、それどころか不敵に笑っていた。
自分らの情報を一部だけ開示し、相手の反応を伺う。
これは、場合によっては悪手になりうるが、今回は相手側に我々の情報は一切ない。それを利用し、こちら側に都合のいい情報だけを渡すことができる。
しかし、それはあちらも同じだ。
渡される情報の真偽は、しっかり見分けなければいけない。慎重に行こう。
そう、水谷が考えている中、セルキは辛うじて表情には出していないが、内心とても驚いていた。
基本的には、下手に出る。
しかし、自国の利益の部分は強気に出る…か。
ふっ、面白い。最近は、皇国の無駄に傲慢な使者ばかりで、まともに交渉などしていなかったからな。
良い、交渉になりそうだ。
「はっはっは。なるほど、貴国の人口が本当にそれ程なのかはわからんが……いいだろう。貴殿等も一国を背負っている点は我と変わらぬ。良い交渉としようじゃないか」
「はい、是非とも良い関係を」
その、言葉と同時に場所を謁見の間から移すことになった。
謁見の間を出ると、七三式小型トラックから交渉用のサンプルや物資が下ろした隊員たちが、物資を両手に抱え待っていた。
「待たせたな。場所を変えることになった。移動するぞ」
『はい!』
鍋島の言葉で、隊員たちは一斉に移動し始める。
案内役と思われる騎士に先導され、しばらく歩いていると、広めの会議室のような場所に着いた。
その部屋には、長机が中央に置かれており、その周りにたくさんの椅子が置かれていた。
所謂、お誕生日席と呼ばれる場所に座るのは、セルキ国王。
そして、向かい合う形で日本国とシルドア王国のメンバーがそれぞれ席に着く。
「それでは、日本国とシルドア王国の異文化交流を始めさせていただきます。進行は、私シルドア王国外務大臣、アトリが行わせていただきます」
進行を務めるアトリの言葉で、第一回 日シルドア使節交流がスタートした。
「まずは、我が国の存在するカラスコ大陸についてご説明します。手元の資料をご覧ください」
シルドア使節団副隊長の柳井は、手元に重ねてある紙の一枚目を見る。
その紙には、この大陸の地図と国の名前が記入されていた。
さらには、川や山などの地形までもが正確に記されていた。
「これは、なかなか正確な地図ですね」
地図などの地形情報は、とても重要な交渉カードなはずだ。
それをなぜ……あぁ、なるほど。そういうことか。
水谷の納得をよそに、地形情報をいち早くほしいであろう、自衛隊の代表である鍋島がアトリに質問する。
「なぜこのような、重要な情報を我々に?」
「簡単な話です。日本国には、簡単に空を飛べる乗り物を有しているのです。それも、憶測ではありますが、相当な数を」
「なるほど、これは一本取られましたね。アトリ殿は、よく頭が回るようで」
その水谷の言葉に、鍋島もアトリの思惑に気づいたのか、苦笑して頭をかいていた。
我々が、地形情報ぐらいなら直ぐに把握できることを読んで、交渉の材料に使ったわけか。やはり、油断できないな。
「それで、対価として何をお求めで?」
「そうですね……。では、日本国の技術者の派遣などでどうでしょうか?」
アトリから、提案されたのは水谷も望んでいたものだった。
「そんなものでいいですか?」
「はい。今の我が国には、リナを始めとした優秀な技術者がそろっています。その才能を無駄にするのも惜しいですから」
「そういうことでしたら、上に掛け合ってみますね」
「ありがとうございます」
その後も、日本とシルドアの文化交流は続き、シルドア王国は日本の科学技術の高さに、日本もシルドア王国の魔法や魔力といった未知の概念に多くの驚きを得た。
そんなこんなで、使節交流はあっという間に1日目が過ぎていった。
「いやー、魔法というのも面白いですね」
豪華な食事でもてなされた使節団のメンバーは、食事後に水谷の部屋に集まっていた。
「そうだな。シルドア王国の魔法技術に我が国の科学技術を上手く融合することができれば、インフラにも大きな革命が起きるぞ」
「シルドア王国だけじゃなく、近隣諸国ともぜひ良い関係を作りたいですね」
「その話なんだが、俺たち以外の隊はだいぶ苦戦しているらしいぞ」
各隊の定例会議にも顔を出している鍋島は、他の隊の状況も知ることができているのだ。
「そうなんですか?」
「ああ。特に渋谷隊は中々厳しいらしい」
「はー、そう上手くはいかないものですね」
───同年4月1日 正午 渋谷門
渋谷の『門』を向けた先は、なだらかな傾斜が続く丘の頂上であった。
『異界』内部の空は、青く澄み渡っており、日本とあまり変わているようには感じなかった。
だが、そんな感想も束の間。一足早く突入していった第五偵察戦闘隊からの報告により、臨戦態勢で突入した隊員たちに緊張が走る。
『目標正面、距離500。接近目標、敵騎兵。数推定5,000』
今回の突撃の主戦力となるのが、七四式戦車だ。
七四式戦車の中に、緊張した面持ちで座る隊員たち。その耳に着けられた無線機から聞えてくる、射撃の準備を促す無線。その言葉に、戦車内の空気は少しずつ緊張感が増していく。
「こちら、日本国陸上自衛隊…………」
戦車内部にも届く、敵対行為の最終確認。
しかし、拡声器による呼びかけは無視され、敵騎兵は依然引き返すそぶりを見せない。
『目標正面、距離400』
指揮官からの、目標修正の無線が入る。あの、呼びかけを無視された以上、自衛隊に容赦はない。
『撃てェッ!』
その言葉と同時に、事前に決められている目標に向け、七四式戦車の105㎜ライフル砲の雨が降り注ぐ。
斥候からの情報で、事前に計画されていた完璧な計画射撃は、敵兵の熱意や意地など関係なく、無慈悲に冷酷に敵兵の命をより効率よく奪っていく。
砲弾一つで十人、もしくはそれ以上の人数が最期の言葉もなく一瞬で散っていく。
敵騎兵は完全に乱れており、先ほどまでの威勢は既に見る影もなくなっていた。
だが、案ずるな。地獄はまだ始まったばかりだ。
20
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
超文明日本
点P
ファンタジー
2030年の日本は、憲法改正により国防軍を保有していた。海軍は艦名を漢字表記に変更し、正規空母、原子力潜水艦を保有した。空軍はステルス爆撃機を保有。さらにアメリカからの要求で核兵器も保有していた。世界で1、2を争うほどの軍事力を有する。
そんな日本はある日、列島全域が突如として謎の光に包まれる。光が消えると他国と連絡が取れなくなっていた。
異世界転移ネタなんて何番煎じかわかりませんがとりあえず書きます。この話はフィクションです。実在の人物、団体、地名等とは一切関係ありません。
異世界災派 ~1514億4000万円を失った自衛隊、海外に災害派遣す~
ス々月帶爲
ファンタジー
元号が令和となり一年。自衛隊に数々の災難が、襲い掛かっていた。
対戦闘機訓練の為、東北沖を飛行していた航空自衛隊のF-35A戦闘機が何の前触れもなく消失。そのF-35Aを捜索していた海上自衛隊護衛艦のありあけも、同じく捜索活動を行っていた、いずも型護衛艦2番艦かがの目の前で消えた。約一週間後、厄災は東北沖だけにとどまらなかった事を知らされた。陸上自衛隊の車両を積載しアメリカ合衆国に向かっていたC-2が津軽海峡上空で消失したのだ。
これまでの損失を計ると、1514億4000万円。過去に類をみない、恐ろしい損害を負った防衛省・自衛隊。
防衛省は、対策本部を設置し陸上自衛隊の東部方面隊、陸上総隊より選抜された部隊で混成団を編成。
損失を取り返すため、何より一緒に消えてしまった自衛官を見つけ出す為、混成団を災害派遣する決定を下したのだった。
派遣を任されたのは、陸上自衛隊のプロフェッショナル集団、陸上総隊の隷下に入る中央即応連隊。彼等は、国際平和協力活動等に尽力する為、先遣部隊等として主力部隊到着迄活動基盤を準備する事等を主任務とし、日々訓練に励んでいる。
其の第一中隊長を任されているのは、暗い過去を持つ新渡戸愛桜。彼女は、この派遣に於て、指揮官としての特殊な苦悩を味い、高みを目指す。
海上自衛隊版、出しました
→https://ncode.syosetu.com/n3744fn/
※作中で、F-35A ライトニングⅡが墜落したことを示唆する表現がございます。ですが、実際に墜落した時より前に書かれた表現ということをご理解いただければ幸いです。捜索が打ち切りとなったことにつきまして、本心から残念に思います。搭乗員の方、戦闘機にご冥福をお祈り申し上げます。
「小説家になろう」に於ても投稿させて頂いております。
→https://ncode.syosetu.com/n3570fj/
「カクヨム」に於ても投稿させて頂いております。
→https://kakuyomu.jp/works/1177354054889229369
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本は異世界で平和に過ごしたいようです。
Koutan
ファンタジー
2020年、日本各地で震度5強の揺れを観測した。
これにより、日本は海外との一切の通信が取れなくなった。
その後、自衛隊機や、民間機の報告により、地球とは全く異なる世界に日本が転移したことが判明する。
そこで日本は資源の枯渇などを回避するために諸外国との交流を図ろうとするが...
この作品では自衛隊が主に活躍します。流血要素を含むため、苦手な方は、ブラウザバックをして他の方々の良い作品を見に行くんだ!
ちなみにご意見ご感想等でご指摘いただければ修正させていただく思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
"小説家になろう"にも掲載中。
"小説家になろう"に掲載している本文をそのまま掲載しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界に転移す万国旗
あずき
ファンタジー
202X年、震度3ほどの地震と共に海底ケーブルが寸断された。
日本政府はアメリカ政府と協力し、情報収集を開始した。
ワシントンD.Cから出港した米艦隊が日本海に現れたことで、
アメリカ大陸が日本の西に移動していることが判明。
さらに横須賀から出発した護衛艦隊がグレートブリテン島を発見。
このことから、世界中の国々が位置や向きを変え、
違う惑星、もしくは世界に転移していることが判明した。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
平和国家異世界へ―日本の受難―
あずき
ファンタジー
平和国家、日本。 東アジアの島国であるこの国は、厳しさを増す安全保障環境に対応するため、 政府は戦闘機搭載型護衛艦、DDV-712「しなの」を開発した。 「しなの」は第八護衛隊群に配属され、領海の警備を行なうことに。
それから数年後の2035年、8月。
日本は異世界に転移した。
帝国主義のはびこるこの世界で、日本は生き残れるのか。
総勢1200億人を抱えた国家サバイバルが今、始まる――
何番煎じ蚊もわからない日本転移小説です。
質問などは感想に書いていただけると、返信します。
毎日投稿します。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
生活魔法しか使えない少年、浄化(クリーン)を極めて無双します(仮)(習作3)
田中寿郎
ファンタジー
壁しか見えない街(城郭都市)の中は嫌いだ。孤児院でイジメに遭い、無実の罪を着せられた幼い少年は、街を抜け出し、一人森の中で生きる事を選んだ。武器は生活魔法の浄化(クリーン)と乾燥(ドライ)。浄化と乾燥だけでも極めれば結構役に立ちますよ?
コメントはたまに気まぐれに返す事がありますが、全レスは致しません。悪しからずご了承願います。
(あと、敬語が使えない呪いに掛かっているので言葉遣いに粗いところがあってもご容赦をw)
台本風(セリフの前に名前が入る)です、これに関しては助言は無用です、そういうスタイルだと思ってあきらめてください。
読みにくい、面白くないという方は、フォローを外してそっ閉じをお願いします。
(カクヨムにも投稿しております)
ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる