輝冠摂理の神生譚~どうやら天才らしいので、嫁と神々の王を目指します~

G.なぎさ

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4話ー➅ 樹上都市の夜景 

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 バルキレフの夕暮れが過ぎ、夜の帳が降りる頃、僕たちは夕食を取るために街の名物レストランに足を運んだ。

 レストランの名は「純白の星空停」。
その名の通り、屋上テラスからは満天の星空が一望できる。

 上は星空、下は光輝く樹上都市。
これ以上ないくらいにロマンチックな組み合わせだ。


「ここは幻想的だね。」

「本当に本当に素敵な場所ね......宇宙の真ん中にいる時みたい......」


 僕たちはテラス席に案内され、メニューを開いた。
星空の下での食事は特別なものに感じられる。

 ここで食べるなら添加物モリモリのジャンクフードも、いつも以上に美味しくなりそうだ。それほどの絶景なのだ。


「いらっしゃいませ。ご予約の特別なディナーコースをご用意しております。」

「あと彼女にエプロンをよろしくね。」

「かしこまりました。」


 少し時間が経って、まず運ばれてきたのは、前菜の「星空に舞う白き波」だ。
色とりどりの野菜が精工な星の形にカットされ、お皿の両側に美しく盛り付けられている。

盛り付けてあるお皿の中心には、白いソースが川のようになっている。

 白き波とはこのソースの事のようだ。
味の方は絶品であり、既にルシアは野菜を食べ始めている。


「綺麗だね。食べるのがもったいないよ。」

「芸術作品みたいよね。一応記録しといたわ。」

「ナイス!!」


 いくつかの品が運ばれてきた後、
メインディッシュの「万年牛のシャトーブリアン」が運ばれてきた。

 特製のハーブソースがかかり、香りだけで食欲をそそる。
見た目も美しく、表面は香ばしく焼かれ、内部は完璧なレアに仕上がっている。


「この霜降り……まさに芸術だ。」


 ナイフを入れると、肉は驚くほどスムーズに切れ、断面からはジュワッと肉汁があふれ出す。

 一口頬張ると、その柔らかさと旨味が口いっぱいに広がり、まるで口の中でとろけるかのようだ。


「うん、これは本当にすごいね。神界の贅を尽くした一皿。」


 ルシアも目を輝かせながら頷き、幸せそうにもう一口頬張った。その表情を見るだけで、観光の成功を確信できる。


「このシャトーブリアン、どうしてこんなに美味しいの?」


 コミュ障のルシアが自分からテーブル担当のスタッフに話しかけた。どうやらステーキの美味しさに、脳細胞まで溶けてしまったらしい。

「万年牛は特別な環境で育てられているのです。豊かな牧草地で長い年月をかけて育ち、その間に肉質が非常に細かくなるのです。」


「聞いたことあるね……更にそこから特殊な魔法を施して肉質自体も調整するんだっけ?」

「流石博識で。そして当店のシェフが独自の技術と器具で絶妙に焼き上げております。」

「シェフに感謝だね。」


 僕たちはステーキを楽しみながら、次第に辺りは完全な夜になる。

 星が一つまた一つと新たに輝き始め、夜の帳が降りる。
レストランのテラスは星空に包まれ美しく照らされる。いつしか照明も消えていた。


「この場所、何度でも来たくなるね。」

「うん、またステーキ食べるわ。」


 デザートには「純白のクリュスロール」という料理が登場。
この料理はこのお店独自のもので、もちもちとした触感の皮に、フルーツと生クリームがロールされている。

特に皮の触感と分厚さが絶妙で、くどさもない為いくらでも食べてしまいそうだ。


「甘さはかなり控えめだね......見た目は甘そうなのに。」

「モグモグ。何か言ったかしら?」


 よっぽどルシアの好みだったのだろう。
僕の感想などどこ吹く顔でクリュスロールを食べている。

 マナーや所作こそ美しいが僕には分かる。
目が完全に血走っている。餌を目の前にぶら下げられた動物のように......

 そうして食事を終えた後、僕たちは満足感に包まれてレストランを後にした。

食事が終わる頃には、僕たちは心から満足していた。
バルキレフの一日の締めくくりとして、忘れられない思い出を胸に刻んだ。





 長い一日も終わりに差し掛かっていた頃。ある事件が起きた。

「よぉし、夜も遅くなってきたしそろそろ宿屋にいこうか。あれ?ルシア?」



......僕の嫁は迷子になった......
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