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希望の光
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俺は朱莉ちゃんを信じて、隣のマンションのドアの前に立って、彼女を見つめた。
彼女が不気味な微笑みを浮かべて、見てなさい、と言っている様に見えた。
ドアに手をかけると、アイテムボックスを使ったのだ。ドアが消えた。
彼女が玄関に入って、俺を手招きする。俺はそれに続いて入る。
「これがスキルの使い方。スキルさえあればゾンビなんて、何にも怖くないから。ゾンビはね?」
そう言って朱莉ちゃんがクスッと、含み笑いをした。
ゾンビは? 人間の方が怖いとでも言うのだろうか? 確かに…色々なゾンビ物の映画や、ゲームは結局人対人になるな。それがつまらない展開になっていくんだよな。
だけど…俺はそうはならないと考えた。ゾンビは怖くない…そう言って油断して、大事な仲間を失っていく。
朱莉ちゃんには、今大切な人はいないのだろうか? 両親をゾンビにやられたから?
そう思うと、彼女の小さい背中が悲しい孤独を背負っているのか、同情の気持ちが胸を締め付けた。
「朱莉ちゃん、油断は禁物だよ。スキルがあったからって、ゾンビが危険な存在であることに変わりはないからね。大切な人がまたゾンビになるかもしれないしさ。」
俺は警告した。それと同時に大切な人がいるか、いないかを探った。もしいるのなら、その人のことも救いたいと思案したからだ。
「私、大切な人いないから大丈夫。私は自分の命さえあれば良いの。それと、政樹同情いらないから、そんな目で見ないで。あくまでも、私たちの関係は、互いに道具として使いましょ?」
朱莉ちゃんが軽く突き放す様に言う。さっきまで俺に甘えてた女の子は、いなくなった。
今は大人の様な振る舞いをしている…同じ両親をゾンビで失う地獄を見た者同士、やはり仲良くなりたいと思うのは、俺の身勝手な考えだろうか?
彼女がアイテムボックスから、棍棒のような物を取り出した。ゾンビの影が見えたからだろう。凶器を持った彼女は、躊躇うことなく、その影の方に突き進んだ。
俺はその跡を慌てて追い、ゾンビの姿を確認した。ここは、ダイニングルームだろうか?
テーブルの上に食器があり、食べかけの肉の腐った臭いがした。
その強烈な臭いに一瞬鼻をつまむ。
ぶっちと音がなる。その方向を向くと、朱莉ちゃんが凶器で、ゾンビを殴っていた。
「やるね、慣れてる。」
俺は感心して言う。
「へへ、でしょうー。」
頬を赤らめて彼女が得意気に言う。親が褒めて、照れている子供のようだ。
俺は、朱莉ちゃんの頭を撫でた。
すると、彼女が少し涙ぐんだ。
「どうしたの? 辛いこと思い出しちゃった?」
俺は心配して言う。首を振りながら、否定する。
「違うの…これからやろうとしてることに、罪悪感を感じて泣いてるの。私にもまだ、こんな感情残ってたんだね。でも自分が生き残る為には、しなきゃいけないことなの。」
朱莉ちゃんは、俺に何か隠している。それが気になりだした。
「どう言うこと? やろうとしてること? 一体何をするの?」
俺は問いただした。
それより、先にラジオを探そうと言われて、俺はこれ以上詮索することは、辞めた。
それから朱莉ちゃんと協力して順調にラジオを手に入れて、マンションからの脱出計画の道具は揃った。
俺達は部屋に戻った。
そして4人で計画を練った。
まずラジオで音の方向におびき寄せ、その隙に神楽さんの車に乗って脱出。一階は使えないから、2階から、命綱を使って、上手く外から出る。
失敗してもロード機能で、やり直せる。それに朱莉ちゃんの強さなら、少ないゾンビに襲われても、返り討ちに出来る。
一気に希望の光が見えてきた。脱出したら、何処に逃げるかが問題だ。
それを4人で話し合い、やっぱり晴香のいる場所…山に逃げようと言うことに決まった。
彼女が不気味な微笑みを浮かべて、見てなさい、と言っている様に見えた。
ドアに手をかけると、アイテムボックスを使ったのだ。ドアが消えた。
彼女が玄関に入って、俺を手招きする。俺はそれに続いて入る。
「これがスキルの使い方。スキルさえあればゾンビなんて、何にも怖くないから。ゾンビはね?」
そう言って朱莉ちゃんがクスッと、含み笑いをした。
ゾンビは? 人間の方が怖いとでも言うのだろうか? 確かに…色々なゾンビ物の映画や、ゲームは結局人対人になるな。それがつまらない展開になっていくんだよな。
だけど…俺はそうはならないと考えた。ゾンビは怖くない…そう言って油断して、大事な仲間を失っていく。
朱莉ちゃんには、今大切な人はいないのだろうか? 両親をゾンビにやられたから?
そう思うと、彼女の小さい背中が悲しい孤独を背負っているのか、同情の気持ちが胸を締め付けた。
「朱莉ちゃん、油断は禁物だよ。スキルがあったからって、ゾンビが危険な存在であることに変わりはないからね。大切な人がまたゾンビになるかもしれないしさ。」
俺は警告した。それと同時に大切な人がいるか、いないかを探った。もしいるのなら、その人のことも救いたいと思案したからだ。
「私、大切な人いないから大丈夫。私は自分の命さえあれば良いの。それと、政樹同情いらないから、そんな目で見ないで。あくまでも、私たちの関係は、互いに道具として使いましょ?」
朱莉ちゃんが軽く突き放す様に言う。さっきまで俺に甘えてた女の子は、いなくなった。
今は大人の様な振る舞いをしている…同じ両親をゾンビで失う地獄を見た者同士、やはり仲良くなりたいと思うのは、俺の身勝手な考えだろうか?
彼女がアイテムボックスから、棍棒のような物を取り出した。ゾンビの影が見えたからだろう。凶器を持った彼女は、躊躇うことなく、その影の方に突き進んだ。
俺はその跡を慌てて追い、ゾンビの姿を確認した。ここは、ダイニングルームだろうか?
テーブルの上に食器があり、食べかけの肉の腐った臭いがした。
その強烈な臭いに一瞬鼻をつまむ。
ぶっちと音がなる。その方向を向くと、朱莉ちゃんが凶器で、ゾンビを殴っていた。
「やるね、慣れてる。」
俺は感心して言う。
「へへ、でしょうー。」
頬を赤らめて彼女が得意気に言う。親が褒めて、照れている子供のようだ。
俺は、朱莉ちゃんの頭を撫でた。
すると、彼女が少し涙ぐんだ。
「どうしたの? 辛いこと思い出しちゃった?」
俺は心配して言う。首を振りながら、否定する。
「違うの…これからやろうとしてることに、罪悪感を感じて泣いてるの。私にもまだ、こんな感情残ってたんだね。でも自分が生き残る為には、しなきゃいけないことなの。」
朱莉ちゃんは、俺に何か隠している。それが気になりだした。
「どう言うこと? やろうとしてること? 一体何をするの?」
俺は問いただした。
それより、先にラジオを探そうと言われて、俺はこれ以上詮索することは、辞めた。
それから朱莉ちゃんと協力して順調にラジオを手に入れて、マンションからの脱出計画の道具は揃った。
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そして4人で計画を練った。
まずラジオで音の方向におびき寄せ、その隙に神楽さんの車に乗って脱出。一階は使えないから、2階から、命綱を使って、上手く外から出る。
失敗してもロード機能で、やり直せる。それに朱莉ちゃんの強さなら、少ないゾンビに襲われても、返り討ちに出来る。
一気に希望の光が見えてきた。脱出したら、何処に逃げるかが問題だ。
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