ゾンビになって復讐しようとしたら、普通に生き返った件

タカユキ

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朱莉ちゃんの秘密

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子供部屋に向かった俺と朱莉ちゃん。

雑然としてる。

「おもちゃがいっぱいだねー。何で遊ぼっか?」

俺はかがんで、おもちゃをあれこれと、箱から取り出して、微笑んで彼女に聞いた。

「おもちゃ? 子供ぽいね。そんなの子供がやることでしょ?」

朱莉ちゃんが子供のくせに、おもちゃ遊びを拒否した。

「えー。普段は何して遊んでるの?」

お人形遊びか? 果てはスポーツとか? 考えが思いつかないので、彼女に聞いて確認した。

「ふふ、ゾンビを倒して、遊んでるよ。面白いよね、ゾンビがクチュッて頭を吹っ飛ばすと、気持ちがスカッとするから。お兄ちゃんもそうだよね?」

…えっ? 何言ってるんだこの子は…俺は唖然として、彼女を見つめるしかなく、しばらく放心状態だった。

もしかしてゲームか? ゾンビゲーム。それで遊びたかったのかな。

「もしかしてゾンビ撃つゲームしたいのかな? テレビゲームが好きなんだね。」

絞り出す様に俺は尋ねた。

「ううん、あははは…もうお兄ちゃん…そんな訳ないよね? だって…現実にゾンビいるじゃん。私がね、やったのよ?」

不気味な微笑みを浮かべて、俺を脅す様に彼女が言った。一体…何を…言ってる?

もしかして、あまりに怖い思いをして、彼女は…朱莉ちゃんは、壊れてしまったのだろうか?

とりあえず俺は冷や汗をかきながら、彼女に話を合わせることにした。唾を呑み込み、気を取り直して彼女に質問した。

「やったって何を? ゾンビでも倒したのかな?」

そう俺が言うと、朱莉ちゃんの表情がパッと明るくなった。

「そうそう、私がやったの、ゾンビ。レベルが上がるよね、アレ。まるでゲームの世界に入り込んだ様な気になるね。」

まさか…そうだったのか。彼女も俺と同じ能力を持っているのか? セーブ&ロードのスキル。

だけど違う可能性もある。慎重に、話を聞かなければ。

「ああ、アレね。びっくりしたよね、最初は。まさかあんな能力つくなんて。」

どうだ? 上手く話を合わせたぞ。
彼女は嬉しそうに何度も頷く。

「そうそ、私の能力ね…あ…情報あげるのは、脱出してからにしよっと。お兄ちゃんが閉じ込めた子供のゾンビね? アレ私がやったの。アイテムBOX使ってお兄ちゃん閉じ込めたんでしょ? 賢いね。」

間違いない…彼女は俺と同じスキルが使える。だけどセーブ&ロードとは、限らない。そんな強い能力持ちが沢山いてたまるか。

「賢いありがとう。でもなんでゾンビをやったの? あの子供ゾンビ君の兄妹だよね?」

俺は彼女の危険性を確かめた。兄妹のゾンビを平気でやれる。いや、わざわざ殺しにかかるのは危険すぎる。

彼女は、子供ながら、今の雰囲気は、大人の様に感じ取れた。それは、無邪気な感じを全く感じさせない落ち着き払った態度、鋭い眼光をしていたからだ。

「ううん、違うよ。全く赤の他人。私の本当の家族は、ゾンビになったから、私が全員殺したよ。ゾンビ探して、増やそうと思ってたら、政樹が来たの。」

「それは、レベルを上げるため?」

俺は彼女の狙いを聞いた。
危うく彼女の策略で、神楽さんをゾンビにされるところだった。神楽さん助けれるなら、して欲しかった。


「そうそう。まぁそれは良いよ。その話は後にして。脱出計画立てたんでしょ? 私も協力するよ。ゾンビ出ても私が倒せるから、政樹もその方が楽でしょう? 私はレベルが上がる。互いWin-Winな関係で行きましょう。」

強力な個性的仲間が出来た? 本当に彼女は、果たして…ゾンビを軽く倒せるのだろうか?
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