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2章
神をも超える目標
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ふぅ~。回復魔法の修行が終わった。
「母さんそろそろお腹空いたよ。魔法使うとやっぱりお腹空くのかな。」
疲労感に襲われて、俺は母に食事しようと誘いかけた。ところが首を横に振り、反応も芳しくない。嫌な予感がした…まさかこれは、続くの…か?
「まだまだよ。今度は攻撃魔法の修行しなきゃ。回復魔法しか極めないなんて駄目! ビシバシいくわよ。
やっぱりか…母さんに殺される! 俺は目でもう辞めようと訴えた。
「そんなに私を見てこの子は…やる気あるわね。」
逆効果! ここは、誤解を解かないといけないな。
「いや、休憩も大事だよね。母さんは魔法の修行嫌いだよね? なら…少し休もう。」
疲れたことを暗に伝えた。これで母もさすがに辞めるだろう。
「ふふ、私が魔法の修行嫌だからって、気を遣わなくて良いからね。クくたくたになるぐらい…ううん、死にかけぐらいまで修行してから休むのが1番良いのよ。」
スパルター! だけど…母の気持ちもわかる。きっと俺が魔族に襲われた時しっかり対処、出来る様にしておきたい…つまり俺の身の安全を考えてのこと…だよね…ね?
俺はため息を吐いて諦めて、再度修行の準備をした。
左手で炎を出すイメージで、神経を集中させた。
イグニス…出来た! 割と簡単だった。
「母さんそしたら? これを敵にぶつけたら良いんだよね?」
「…早っ…マギ…才能の塊ね。まだ子供なのに…きっと驚かれるわよ~。」
そうかな? いや、確かに同じ歳の子は、あんまりいなかったから、比べるのも難しいけど、みんな結構苦労してる様だった。
「もしかして、母さんより凄い?」
回復魔法は、俺のが上だったけど、攻撃魔法も素質は上だろうか?
「ううん、私の方が凄いよ。」
満面の笑みで返答された。
いや、ここは同じくらいとか…せめて優しく言って欲しいな。
実際俺赤ん坊で、ゴブリン倒したんだし。
俺は母に抗議した。
「子供に嘘つくのは良くないでしょ? 忖度しないの、私は! 攻撃魔法私は5歳で極めてたし!」
口を尖らせ、母がなぜそう思うかの理由を言った。
「なら…母さんを超えるのは、未来永劫無理か…」
ぽつりと寂しさと、諦めが混じり合った様に言った。
5歳で極めるなんて…次元が違いすぎるよ。
「諦めるのはやっ…んー私ね、マギには世界一の強さを持った子に成長して欲しい。回復魔法は、私より素質あるし、それだけじゃなくて…この世界で最強の男を目指そう!」
俺は母の励ましに、目を輝かせて頷いた。
確かに…人生2度目だ。人を守れる人間…いやエルフになる。もちろん自分も守れるぐらい強くなりたい。
「目指すよ、母さん。俺みんなを守れるぐらい強く。」
言葉に力を込めて宣言した。
「よく言ったわね! さすが私の子。マギに提案があるの。魔法のコントロールは、マギのが上だと思うのよね…そこで、複合魔法を使える様になりましょう。神をも超えましょう!」
神を…俺が超える? そんな事が可能なんだろうか? いや…それはしなければいけないんだ。魔王は神の息子だ。つまり神の様なもの。
そして魔王を倒した勇者に勝てるほど強くならないと、いつかは、敵対するかもしれない。
「分かったよ、母さん。神を超えてやる。今度母さんを神が襲ってきたら、返り討ちにしてやるぐらいに強くね。」
親指を立てて、俺は明るく笑顔で…そして揺るがぬ決意を示した。
「フフ、そうなれる様に、厳しく行くからね!
では、見本を見せるわね。」
母が両手を肩と同じ位置に挙げて、炎と氷魔法をそれぞれ分けて、それを複合させた。
その光景を目の当たりにして、緊張感が張り詰めた。母と俺との距離が近いのに、とても遠くに感じた。
母が複合させた上に雷の魔法を唱え、炎、氷、雷の複合魔法が完成した。その母の手の中にある丸い球体が、青白くバチバチと雷を発していた。
風が強く吹いて、俺は額に手を当てた。
「イグニス・グラキエム・フルメン!」
母がその球体を空高く頭上に向け放った。
それが大爆発を起こし、物凄い轟音が当たり一体に鳴り響き、雲が全て吹っ飛ばされた。
なんて…威力だ。あれをくらったら、誰も立っていられないだろう。山に放っていれば…山が吹っ飛ぶぞ。
巨大な力だと俺は思う。人を傷つける魔法…けど、人を守る魔法に、俺はすると誓った。
矛盾するよな…でもそれが真理だ。
好きな人を守る為に使う。それが敵の命を奪うことになろうとも。
母が一呼吸をして、俺を見て話しかけた。
「これが複合魔法。これを使えれば、マギに敵う者はいないでしょうね。そして覚えて欲しいのは、闇魔法と重力魔法の複合。私には無理だったけど、それをマギに使える様になって欲しいのよ。」
母でも無理…その言葉が重くのしかかる。2千年生きたハイエルフでも不可能なのに…俺に出来るのだろうか? 出来るとしても…100年は最低でもかかりそうだ。
「母さんそろそろお腹空いたよ。魔法使うとやっぱりお腹空くのかな。」
疲労感に襲われて、俺は母に食事しようと誘いかけた。ところが首を横に振り、反応も芳しくない。嫌な予感がした…まさかこれは、続くの…か?
「まだまだよ。今度は攻撃魔法の修行しなきゃ。回復魔法しか極めないなんて駄目! ビシバシいくわよ。
やっぱりか…母さんに殺される! 俺は目でもう辞めようと訴えた。
「そんなに私を見てこの子は…やる気あるわね。」
逆効果! ここは、誤解を解かないといけないな。
「いや、休憩も大事だよね。母さんは魔法の修行嫌いだよね? なら…少し休もう。」
疲れたことを暗に伝えた。これで母もさすがに辞めるだろう。
「ふふ、私が魔法の修行嫌だからって、気を遣わなくて良いからね。クくたくたになるぐらい…ううん、死にかけぐらいまで修行してから休むのが1番良いのよ。」
スパルター! だけど…母の気持ちもわかる。きっと俺が魔族に襲われた時しっかり対処、出来る様にしておきたい…つまり俺の身の安全を考えてのこと…だよね…ね?
俺はため息を吐いて諦めて、再度修行の準備をした。
左手で炎を出すイメージで、神経を集中させた。
イグニス…出来た! 割と簡単だった。
「母さんそしたら? これを敵にぶつけたら良いんだよね?」
「…早っ…マギ…才能の塊ね。まだ子供なのに…きっと驚かれるわよ~。」
そうかな? いや、確かに同じ歳の子は、あんまりいなかったから、比べるのも難しいけど、みんな結構苦労してる様だった。
「もしかして、母さんより凄い?」
回復魔法は、俺のが上だったけど、攻撃魔法も素質は上だろうか?
「ううん、私の方が凄いよ。」
満面の笑みで返答された。
いや、ここは同じくらいとか…せめて優しく言って欲しいな。
実際俺赤ん坊で、ゴブリン倒したんだし。
俺は母に抗議した。
「子供に嘘つくのは良くないでしょ? 忖度しないの、私は! 攻撃魔法私は5歳で極めてたし!」
口を尖らせ、母がなぜそう思うかの理由を言った。
「なら…母さんを超えるのは、未来永劫無理か…」
ぽつりと寂しさと、諦めが混じり合った様に言った。
5歳で極めるなんて…次元が違いすぎるよ。
「諦めるのはやっ…んー私ね、マギには世界一の強さを持った子に成長して欲しい。回復魔法は、私より素質あるし、それだけじゃなくて…この世界で最強の男を目指そう!」
俺は母の励ましに、目を輝かせて頷いた。
確かに…人生2度目だ。人を守れる人間…いやエルフになる。もちろん自分も守れるぐらい強くなりたい。
「目指すよ、母さん。俺みんなを守れるぐらい強く。」
言葉に力を込めて宣言した。
「よく言ったわね! さすが私の子。マギに提案があるの。魔法のコントロールは、マギのが上だと思うのよね…そこで、複合魔法を使える様になりましょう。神をも超えましょう!」
神を…俺が超える? そんな事が可能なんだろうか? いや…それはしなければいけないんだ。魔王は神の息子だ。つまり神の様なもの。
そして魔王を倒した勇者に勝てるほど強くならないと、いつかは、敵対するかもしれない。
「分かったよ、母さん。神を超えてやる。今度母さんを神が襲ってきたら、返り討ちにしてやるぐらいに強くね。」
親指を立てて、俺は明るく笑顔で…そして揺るがぬ決意を示した。
「フフ、そうなれる様に、厳しく行くからね!
では、見本を見せるわね。」
母が両手を肩と同じ位置に挙げて、炎と氷魔法をそれぞれ分けて、それを複合させた。
その光景を目の当たりにして、緊張感が張り詰めた。母と俺との距離が近いのに、とても遠くに感じた。
母が複合させた上に雷の魔法を唱え、炎、氷、雷の複合魔法が完成した。その母の手の中にある丸い球体が、青白くバチバチと雷を発していた。
風が強く吹いて、俺は額に手を当てた。
「イグニス・グラキエム・フルメン!」
母がその球体を空高く頭上に向け放った。
それが大爆発を起こし、物凄い轟音が当たり一体に鳴り響き、雲が全て吹っ飛ばされた。
なんて…威力だ。あれをくらったら、誰も立っていられないだろう。山に放っていれば…山が吹っ飛ぶぞ。
巨大な力だと俺は思う。人を傷つける魔法…けど、人を守る魔法に、俺はすると誓った。
矛盾するよな…でもそれが真理だ。
好きな人を守る為に使う。それが敵の命を奪うことになろうとも。
母が一呼吸をして、俺を見て話しかけた。
「これが複合魔法。これを使えれば、マギに敵う者はいないでしょうね。そして覚えて欲しいのは、闇魔法と重力魔法の複合。私には無理だったけど、それをマギに使える様になって欲しいのよ。」
母でも無理…その言葉が重くのしかかる。2千年生きたハイエルフでも不可能なのに…俺に出来るのだろうか? 出来るとしても…100年は最低でもかかりそうだ。
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