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大喜利大会

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「倍プッシュってポーカーもうやらんぞ?」

「これを見てください! 大喜利大会開催!
これに参加して、私より順位が上だったら勝ちです!」

「なるほど、大喜利か。分かった!」

どういうお題が良いのかミウに確認すると、この世界ネット関係はないので、それ以外ならある程度ネタは通用すると説明された。


シュミレーションを経て、大会が開催された。

予行練習はこんな感じにしていた。

「ミウ、引きこもりをカッコイイ言い方にしてよ。」

「天を拒みし黄昏の王。」

「ウマッ。」

「じゃAIをカッコよく。」

「叡智を極めし人に愛を捧ぐ者。」

ふぅ、痺れるぜ! 

さて、回答席に俺たちは座った。

会場は始まる前から、大盛り上がりだ。
レイナは、大喜利には観客として参加。

カノンはそんなのより、プリン食べてる方が幸せと不参加だ。

どんだけプリンが好きなんだよと、心でツッコミをした。

そして司会者からお題を早速出された

「さて第一問これはなんでしょう?」

真っ赤なトマトが、司会者によってテーブルに置かれた。

明らかにトマトだろ?
トマト以外ない。他のやつの答えでも聞いてから、出すか。

「ピンポーン、赤いボタンです!」

赤いボタンを押して、回答者の1人が答えた。
目の前に答えがあったか!

「見えますね! でも赤いボタンじゃないんだな~。」

司会者が頷き、大袈裟に驚いた表情で言う。

そう言うやつか! 了解だ。

「ピンポーン! これは酔っ払いのおじさんです!」
俺が答える。

「赤くなるからね~! 違いますねぇ。」

ピンポーン! ミウが鳴らした。
腕を見せてもらおうか!

「ファイアーボールですぅ。」

「おお! 正解にしちゃいたいね! 見える見える!」

司会者が拍手をして讃える。

良いね、異世界的な答え。

ピンポーン! またミウだ。

「ドラゴンのお尻の穴ですぅ。」

「わはは、そんな所良く気がつく…えぇ? 見えるわ!」

司会者が笑いながらやるな~と嬉しそうに言う。


ピンポーン! またミウだ、よく思いつくな。

「赤スライムの死骸。」

「これ死んでる? 大正解でしょこれ?」

「これはミウ選手、圧倒的なので、予選通過、準決勝に駒を進めたいと思います!」

司会者がそう言うと、周りの観客も拍手や歓声を飛ばした。

はやっ! 俺もなりふり構ってられない。

「ピンポーン! 赤スライムの抜け殻!」

うわっ、こいつパクリおった!
司会者が引き気味に言う。

しかし周りの観客には笑いが起こっていた。

俺はそれに調子を良くして、立て続けに回答を繰り出し、なんとか準決勝に駒を進めた。

次のお題が出された。司会者が絵画を持ってきた。

絵が異世界の魔法陣じゃないか。

「これはなんでしょう?」

ピンポーン! ミウだ!

「練り消しの失敗策。」

練り消し? 絵の失敗策じゃねーのか!
練り消しのカスみたいに見えるのか?

「光る練り消しとか有りますもんね。ははーん、これは中々高度ですね!」

司会者が説明するが、納得出来ないので、自分で考えた。失敗作だろ? 練り消しを作ろうとしたら、魔法陣だったー! 的な?

色々思案していたら、またミウがボタンを押す。

ピンポーン ミウの連打!
こいつ凄すぎるだろ?

「ラーメンの底の落書き。」

くっ…こいつ! ラーメンか、この異世界にも有る。やられた! 確かに落書きって言えばそうだ。

司会者が何か言おうとしていたが、先にミウがボタンを押した。

ピンポーン! まじこいつに勝てるの? 
3連打しやがる!

「頑張って作ったお絵描き。」

「ははは、お絵描き惜しい~。合ってますけど違いますね~。」

司会者がもっと頑張れよと、他の回答者に目で訴えた。

そりゃな! 頑張って作ったのだけ合ってるが。

「これはミウ選手決勝進出ですねぇ。」

早いよ、ミウ…3解答してすぐやん。

よし、俺もやってやる!

「ピンポーン! 魔界のお札!」

「アキラ、魔王のサインとか、チケットのいらないサインとかにしよう?」

ミウがアドバイスを送ってきた。

反則にされるから有難いけど辞めてと言った。しかし、俺はミウのアドバイスに礼を言って、自分を奮い立たせた。

ギリギリでなんとか決勝戦に進出出来た。
もう脳がヘトヘトだよ。

「決勝戦です!」

会場が割れんばかりの拍手が起こり、熱気も最高潮だ。

「これはなんでしょう?」

ケルベロスか…

ピンポーン! ミウ選手!

「カードゲームの準主役。」

「ああ、カードゲームに良く出ますもんね!
確かに準主役級ですね!」

ピンポーン! ミウ!

「序盤に出てくるから戦力外通告。」

「確かにね、強いけど序盤だから、角落ち感が出るって事ですね!」

俺なんて犬関連しか出てこないよ~。

ピンポーン! ミウ選手!

「ドッグフード喰っとけ!」

思わず吹き出してしまった。 

「最早犬ですね! 面白い。」

思わず司会者も褒める。

他の回答者も中々の答えだ。俺は焦りの気持ちが出てきた。

さてお題はこちら!

ドラゴンか。さてミウはどうでる?

ピンポーン! あ…押してしまった。
俺は考えてシンプルな答えを出した。

「ニワトリ!」

「あら~可愛らしい答えですね。意外性のある答えですね!」

司会者に褒められ、俺も満更ではなかった。

ピンポーン! ミウ選手だ!

3連続が見れるか?

「座り心地の良い椅子。」

「椅子! ミウ選手! ドラゴンを座り用にしてしまいました!」

ピンポーン! ミウ選手!
司会者もミウの名前を呼ぶのが楽しそうだ。
やはり彼女が頭一つ抜きん出ているのだ。

「胃袋の塊。」

「食欲有りますからね!」

ピンポーン! ミウー!

「神秘的なかませ犬。」

これには会場も爆笑の渦だ。

確かに噛ませ犬だ。ドラゴン悲しい。

「ラスト問題です、これはなんでしょう?」

最後にスライム来たー。

よし押す!
「最弱キャラ!」
俺は元気よく回答した。

「シンプルな答えですねぇ! シンプルが1番ですよね。」

そう言われて俺も頷く。

ミウがまた押す! 

「実は人間。」

あっ、こりゃ無理降参…なんだよこいつの発想力は!

他の参加者も引いてるレベルに回答早いし。

ならば、やぶれかぶれだ。俺も答えるぞ!

ピンポーン! アキラ選手!

「傘にも使える帽子。」

「ああ、可愛らしい帽子ですね!」
司会者がおーと言いながら何度も頷く。

ピンポーン! アキラ選手!

「食用ゼリー!」

「食べられる!」
良し、もう一回…阻まれた!

ピンポーン! ミウ選手!

「よく喋るゼリー!」

なにぃ! 俺の答えを上回って使った?

くっ、結局ミウの圧勝か。もっとミウの回答が聞きたいという声が、会場から聞こえた。

「ミウ選手、優勝したご感想は?」

「個人的には、みんなが優勝したと思いますぅ。私はたまたま運よくここに立っているだけだと思い、更に精進しますぅ。」

ええ! ミウがまともに答えてるー!
優勝賞品のエリクサーもゲットして結局俺何にも活躍してないな。


「どうしてあんなまともなコメントしたんだ? 大喜利大会だから、ふざけたコメントするかと思ったのに。」


「それは参加した選手に失礼ですぅ。
それに、少しはパーティの名誉にも貢献しないとですからねぇ~。」

「そうか、ありがとうな。」

「こちらこそありがとうなのですぅ。」

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