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ミウの葛藤
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「アキラ~お腹空いた、ご飯食べに行こ?」
「嫌だよ、面倒くさい。ご飯作って俺適当に食べるから。」
「むぅ~分かった!」
そう言うとミウは、俺をお姫様抱っこして抱えた。
おい、何するんだとミウに聞く。
「面倒なんでしょ? このまま抱えてご飯食べに行く。」
恥ずかしいだろうと首を振る。
「私はなんとも思わない、抱えて行く。」
「思えよ! 無理だよ恥ずかしくて死ぬ。」
「じゃあ歩いて行く? 死ぬよりマシだよね?」
歩いて行くのだるいと断る。他の3人はご飯を食べたのだろうか?
「カノンやレイナとセレーネは?」
そうそう、セレーネの玉の事ギルドのお姉さんに聞いたら、普通に食べ物入れられるらしい。
考えてみれば当然か。玉から出すには魔法以外に指に掴ませて出す方法以外ない。
そうすると間違えて入れた場合餓死するないものな。
それと強盗に襲われた理由が、ミウが借金踏み倒したやつが依頼したようだ。
「もう朝食べたよ。アキラはお寝坊さんだから、こうして誘ってあげてるんじゃん。」
「そりゃ結構。じゃあ作ってくれよ、手料理俺に。」
「駄目食べに行くの!」
「そう言う気分じゃないんだよ。」
「そんなに私とご飯食べに行くの嫌なんだ?」
「違うよ~そうじゃないけどさ。」
「いらいらするぅ! このまま抱えてどっか捨てるかな。」
結構計算高い人間の癖に、短気なんだよな、彼女は。
「捨てる? ペットじゃねーんだから、辞めて。」
「ペットよりタチ悪いよ。完全にキレた!」
ミウの表情が眉間に皺寄せして、頬を膨らませていた。
「短気すぎるんだよ、勘弁して。」
「アキラには私の機嫌直す責任がある!」
なんの責任だよ…自分で起こってるだけだろう。
渋々俺は折れる事にした。
「分かったって、もう行くよ~やれやれだぜ!」
「初めからそうして! やれやれはこっちの台詞なんですぅ!」
ミウに怒られたので、用意を整えてから外出する事にした。
「一応きちんとして行くわ。」
ありがとうですぅ、私も準備しますん!
それから、30分過ぎ、1時間たった~なっげ~! いつまで準備てんだやつは。
呆れてため息が出た。
ああーもう、異世界だからスマホがないから余計長く感じる。
俺は呆れてミウの部屋に向かった。
ドアをノックして、まだかとか聞いた。
「まだ~入って良いよ。」
俺は部屋に入った。
ピンクとグレーの色彩がとても綺麗な部屋だ。
布団がピンクで枕の横には、手作りだろうか?
可愛いあるキャラのぬいぐるみが置かれていた。
このぬいぐるみが彼女に過ごす時間、寄り添っていたのだろうか?
真の友達だろう…何も文句も言わずに愛くるしい可愛さを振り撒いているのだから。
ベッドに座って、悲しそうに俯いてるミウがいた。
「どうしたんだ?」
「うん、待たせてごめん…親に叱られたこと思い出しちゃって。」
涙声で彼女が言った。
「そうか…つらいな。」
「うん、頭がぼっとしてて。」
俺は隣に座り、どう話しかけるべきか、天井を一瞬見る。
「話して楽になるなら、その…聞くぞ?」
無理矢理こねくり回して出た言葉だった。
「私ね、中学の頃は優等生で良い子だって先生にも言われててさ、親に暴力振るわれて、それで
高校で1番良い女子高受験したんだ。」
「そこに受かれば認められて、暴力無くなるんじゃないかなって。そしたら受験失敗。」
「そこから何か壊れて、私人生どうでも良くなって、高校もどんどん成績悪くなってさ。」
ミウが手を組んで、首を傾げた。
「私悪い子になっちゃったけど…これからもパーティ居て良いのかなって。」
気にするなと俺はミウを慰めた。
「今も良い子だぞ、ミウは。」
俺は思ったことをありのまま言葉に出した。
ミウが水鉄砲受付のお姉さんに喰らわせたのは、注意されて親の暴力がフラッシュバックしたのかもしれない。拒絶反応がそうさせたのだと俺は考えた。
ミウからの説明によると父親からは、勉強しろと激しい監視が付き纏い、拒否すると物にあたり、母からは食事を抜きにされて、腕を折られたり…何故そんな勉強を強要したんだと聞いた。
自分が出来る人間だから、私にも強要するんだよと言った。母は操り人形。
だから私は、人を操るのは良いけど、操られるのはもう嫌だと言った。
自己中な彼女らしいな。
「ありがとう…私はアキラを捨てようとしちゃうんだよね、どうしても。
でも、アキラは私の事捨てないで、お願い。」
彼女が震えて抱きしめて言う。
ちくしょう、なんで俺泣いてんだろ?
勝手なこと言われてるのに。
ミウの生い立ちに胸が締め付けられる。俺が彼女の立場だったら…涙が頬に伝わり手の甲でその涙を受け止めた。
服で涙を拭い、ミウも辛いんだと思い直した。
彼女の強さに俺は泣いたんだ、決して同情だけじゃない。
顔を上にあげて、ぐっと涙を堪えて彼女に視線を投げかけた。
何か込み上げる感情を押し殺そうと頑張ったが、それが逆に抑えきれずに声が上擦った。
「ああ、捨てないよ。そんな不安消し飛ばしてやるから、ご飯食べに行こうぜ。」
「…うん!
アキラから免罪符頂きました!」
「宗教? 俺そんなのあげた覚えないぞ?」
「ふふふ、例えですぅ。アキラには高度な例え過ぎましたか。」
俺はそうだな、高度だったと素直に言う。
「嫌だよ、面倒くさい。ご飯作って俺適当に食べるから。」
「むぅ~分かった!」
そう言うとミウは、俺をお姫様抱っこして抱えた。
おい、何するんだとミウに聞く。
「面倒なんでしょ? このまま抱えてご飯食べに行く。」
恥ずかしいだろうと首を振る。
「私はなんとも思わない、抱えて行く。」
「思えよ! 無理だよ恥ずかしくて死ぬ。」
「じゃあ歩いて行く? 死ぬよりマシだよね?」
歩いて行くのだるいと断る。他の3人はご飯を食べたのだろうか?
「カノンやレイナとセレーネは?」
そうそう、セレーネの玉の事ギルドのお姉さんに聞いたら、普通に食べ物入れられるらしい。
考えてみれば当然か。玉から出すには魔法以外に指に掴ませて出す方法以外ない。
そうすると間違えて入れた場合餓死するないものな。
それと強盗に襲われた理由が、ミウが借金踏み倒したやつが依頼したようだ。
「もう朝食べたよ。アキラはお寝坊さんだから、こうして誘ってあげてるんじゃん。」
「そりゃ結構。じゃあ作ってくれよ、手料理俺に。」
「駄目食べに行くの!」
「そう言う気分じゃないんだよ。」
「そんなに私とご飯食べに行くの嫌なんだ?」
「違うよ~そうじゃないけどさ。」
「いらいらするぅ! このまま抱えてどっか捨てるかな。」
結構計算高い人間の癖に、短気なんだよな、彼女は。
「捨てる? ペットじゃねーんだから、辞めて。」
「ペットよりタチ悪いよ。完全にキレた!」
ミウの表情が眉間に皺寄せして、頬を膨らませていた。
「短気すぎるんだよ、勘弁して。」
「アキラには私の機嫌直す責任がある!」
なんの責任だよ…自分で起こってるだけだろう。
渋々俺は折れる事にした。
「分かったって、もう行くよ~やれやれだぜ!」
「初めからそうして! やれやれはこっちの台詞なんですぅ!」
ミウに怒られたので、用意を整えてから外出する事にした。
「一応きちんとして行くわ。」
ありがとうですぅ、私も準備しますん!
それから、30分過ぎ、1時間たった~なっげ~! いつまで準備てんだやつは。
呆れてため息が出た。
ああーもう、異世界だからスマホがないから余計長く感じる。
俺は呆れてミウの部屋に向かった。
ドアをノックして、まだかとか聞いた。
「まだ~入って良いよ。」
俺は部屋に入った。
ピンクとグレーの色彩がとても綺麗な部屋だ。
布団がピンクで枕の横には、手作りだろうか?
可愛いあるキャラのぬいぐるみが置かれていた。
このぬいぐるみが彼女に過ごす時間、寄り添っていたのだろうか?
真の友達だろう…何も文句も言わずに愛くるしい可愛さを振り撒いているのだから。
ベッドに座って、悲しそうに俯いてるミウがいた。
「どうしたんだ?」
「うん、待たせてごめん…親に叱られたこと思い出しちゃって。」
涙声で彼女が言った。
「そうか…つらいな。」
「うん、頭がぼっとしてて。」
俺は隣に座り、どう話しかけるべきか、天井を一瞬見る。
「話して楽になるなら、その…聞くぞ?」
無理矢理こねくり回して出た言葉だった。
「私ね、中学の頃は優等生で良い子だって先生にも言われててさ、親に暴力振るわれて、それで
高校で1番良い女子高受験したんだ。」
「そこに受かれば認められて、暴力無くなるんじゃないかなって。そしたら受験失敗。」
「そこから何か壊れて、私人生どうでも良くなって、高校もどんどん成績悪くなってさ。」
ミウが手を組んで、首を傾げた。
「私悪い子になっちゃったけど…これからもパーティ居て良いのかなって。」
気にするなと俺はミウを慰めた。
「今も良い子だぞ、ミウは。」
俺は思ったことをありのまま言葉に出した。
ミウが水鉄砲受付のお姉さんに喰らわせたのは、注意されて親の暴力がフラッシュバックしたのかもしれない。拒絶反応がそうさせたのだと俺は考えた。
ミウからの説明によると父親からは、勉強しろと激しい監視が付き纏い、拒否すると物にあたり、母からは食事を抜きにされて、腕を折られたり…何故そんな勉強を強要したんだと聞いた。
自分が出来る人間だから、私にも強要するんだよと言った。母は操り人形。
だから私は、人を操るのは良いけど、操られるのはもう嫌だと言った。
自己中な彼女らしいな。
「ありがとう…私はアキラを捨てようとしちゃうんだよね、どうしても。
でも、アキラは私の事捨てないで、お願い。」
彼女が震えて抱きしめて言う。
ちくしょう、なんで俺泣いてんだろ?
勝手なこと言われてるのに。
ミウの生い立ちに胸が締め付けられる。俺が彼女の立場だったら…涙が頬に伝わり手の甲でその涙を受け止めた。
服で涙を拭い、ミウも辛いんだと思い直した。
彼女の強さに俺は泣いたんだ、決して同情だけじゃない。
顔を上にあげて、ぐっと涙を堪えて彼女に視線を投げかけた。
何か込み上げる感情を押し殺そうと頑張ったが、それが逆に抑えきれずに声が上擦った。
「ああ、捨てないよ。そんな不安消し飛ばしてやるから、ご飯食べに行こうぜ。」
「…うん!
アキラから免罪符頂きました!」
「宗教? 俺そんなのあげた覚えないぞ?」
「ふふふ、例えですぅ。アキラには高度な例え過ぎましたか。」
俺はそうだな、高度だったと素直に言う。
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