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プロローグ
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ツトムの視点。
「よし!魔王を倒した。ツトムのスキルのおかげだな。」
アキラが嬉しそうに俺の肩に手をやる。
「いやみんなのおかげさ。これで元の世界に戻れるんだ。」
これで元の世界に帰れるんだ。みんなには悪いが、利用させて貰った。
「そうね! ミウのおかけだよ!」
リンがいつも通りにミウを立てる。
「ありがとう。隙を作れた私のおかげだね!」
ミウが満面の笑みで答えた。
まだだ…我はこれしきでは滅びぬ!
魔王の肉体が崩れ落ちつつ、それでも立ち上がり呪文を詠唱した。
魂をも屠る闇の天魔王よ。眼前の敵を生贄として捧げ、我は誓う。そして全てを貴方にこの身を委ねる。時空を歪め、因果律を断ち、運命をも断絶せよ。光と闇すら遠く及ばない混沌の深淵に導くのだ。我の血肉を汝の糧として、万象を焼き尽くし、存在そのものを無に帰し、汝を含む全てを滅ぼせ! ダークブレスコア!
物凄い勢いでブレスを吐くように暗黒の玉が俺たちに向かって来た。
「モノマネ! 魔法返し!」
アキラが言うと、その紫に怪しく光る玉を魔王に弾き返した。
「ぐぁぁーそんなバカな!」
魔王の悔しみを帯びた雄叫びが、城にこだました。
魔王の姿が完全に無に消えた。
そして突然光に俺たちは包まれた。
すると何処からか声が聞こえてきた。
その声は忘れもしない! 俺たちを拉致して来た、女神の声だ。
「良く魔王を倒しました。あなた方に報酬を与えましょう。」
「そんなのは要らない! 早く俺たちを元の世界に戻せ!」
「えっ! 私は元の世界帰りたくないよ?」
ミウが眉間に皺寄せして、俺の言葉に反応して言う。
お前の気持ちなんて知らない。俺は一刻も早く彼女に逢いたいんだ!
頭の中で言った。
「それはなりません。あなた方には、この世界を守る使命があります。元の世界に戻れば貴方方は、その世界を支配するほどの力があります。」
女神は続けて言った。なのでそれは出来ないと。それなら俺が魔王を倒したのは無駄じゃないか。
嫌だ、彼女に会えないなら、俺は…考えろ。何か策はあるはずだ。
「さて報酬としては、貴方方に特別にクラスアップの権利を与えます。」
「好きな職業を選んで下さい。」
女神が言うと、俺の前に立体的な画面が表示された。
俺は女神への怒りで歯軋りした。ふざけるなよ…手に力が入り強くなりすぎて、魔王城の緑の地面に血が滴り落ちた。
「おい! 俺の選択肢、伝説の愚鈍な賢者か、魔王しかないぞ! 魔王を選ぶしかないじゃないか!」
アキラが肩を落として言った。
他の女子2人は無語のまま顎に手をやって考え込んでいる。
俺は自分の職を選択することにした。
これを選べば…俺にある考えが浮かんだ。
最悪な考えだが、やむを得ないか。
我ながら凄いことを考えるものだ。
俺はその計画を実行に移し、自分の血塗られた手が震えているのを感じた。
「よし!魔王を倒した。ツトムのスキルのおかげだな。」
アキラが嬉しそうに俺の肩に手をやる。
「いやみんなのおかげさ。これで元の世界に戻れるんだ。」
これで元の世界に帰れるんだ。みんなには悪いが、利用させて貰った。
「そうね! ミウのおかけだよ!」
リンがいつも通りにミウを立てる。
「ありがとう。隙を作れた私のおかげだね!」
ミウが満面の笑みで答えた。
まだだ…我はこれしきでは滅びぬ!
魔王の肉体が崩れ落ちつつ、それでも立ち上がり呪文を詠唱した。
魂をも屠る闇の天魔王よ。眼前の敵を生贄として捧げ、我は誓う。そして全てを貴方にこの身を委ねる。時空を歪め、因果律を断ち、運命をも断絶せよ。光と闇すら遠く及ばない混沌の深淵に導くのだ。我の血肉を汝の糧として、万象を焼き尽くし、存在そのものを無に帰し、汝を含む全てを滅ぼせ! ダークブレスコア!
物凄い勢いでブレスを吐くように暗黒の玉が俺たちに向かって来た。
「モノマネ! 魔法返し!」
アキラが言うと、その紫に怪しく光る玉を魔王に弾き返した。
「ぐぁぁーそんなバカな!」
魔王の悔しみを帯びた雄叫びが、城にこだました。
魔王の姿が完全に無に消えた。
そして突然光に俺たちは包まれた。
すると何処からか声が聞こえてきた。
その声は忘れもしない! 俺たちを拉致して来た、女神の声だ。
「良く魔王を倒しました。あなた方に報酬を与えましょう。」
「そんなのは要らない! 早く俺たちを元の世界に戻せ!」
「えっ! 私は元の世界帰りたくないよ?」
ミウが眉間に皺寄せして、俺の言葉に反応して言う。
お前の気持ちなんて知らない。俺は一刻も早く彼女に逢いたいんだ!
頭の中で言った。
「それはなりません。あなた方には、この世界を守る使命があります。元の世界に戻れば貴方方は、その世界を支配するほどの力があります。」
女神は続けて言った。なのでそれは出来ないと。それなら俺が魔王を倒したのは無駄じゃないか。
嫌だ、彼女に会えないなら、俺は…考えろ。何か策はあるはずだ。
「さて報酬としては、貴方方に特別にクラスアップの権利を与えます。」
「好きな職業を選んで下さい。」
女神が言うと、俺の前に立体的な画面が表示された。
俺は女神への怒りで歯軋りした。ふざけるなよ…手に力が入り強くなりすぎて、魔王城の緑の地面に血が滴り落ちた。
「おい! 俺の選択肢、伝説の愚鈍な賢者か、魔王しかないぞ! 魔王を選ぶしかないじゃないか!」
アキラが肩を落として言った。
他の女子2人は無語のまま顎に手をやって考え込んでいる。
俺は自分の職を選択することにした。
これを選べば…俺にある考えが浮かんだ。
最悪な考えだが、やむを得ないか。
我ながら凄いことを考えるものだ。
俺はその計画を実行に移し、自分の血塗られた手が震えているのを感じた。
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