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プリンの行方①

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カノンの視点。

まさかギルドやってないなんてね。

さぁ~て、気晴らしにプリン食べよう!

私は冷蔵庫と言っても、魔法で作ったやつに入ってるプリンを食べる為、ドアを開いた。

ふふふ、プリーン! その時家のドアを叩く音が聞こえた。

もーう、誰も出ないの? 仕方ない。

私はお客さんを出迎える為扉を開いた。

クラスメイトの1人だった。
しばらく長話をした。

それから部屋に戻り、話し疲れて横になっていた。

しばらく経ち、プリンを食べるのを忘れていた事を思い出し、冷蔵庫に直行した。

ドアを開けてプリンを探した。ない! プリンが何処にも!

あれ? しらみつぶしに探したけど見当たらない。

…ミウか! あいつぅ~また私のプリンを盗んで食べたな!

早速ミウの部屋に向かい、問い詰めた。

「知らないですぅ~。プリン食べたくなったら、アキラと買いに行きますん。」

嘘はついてないようね? これで嘘だったら縁切りレベルよ。

「そうか、ごめんね疑って。」
私は申し訳ないと頭を下げた。


「良いです、カノンの前回食べたので疑われても今回は仕方ないですぅ。でも、まだ食べてないのですん。」

「うん、分かった。2人にも聞いてみる。」


さて、次に向かったのはレイナだ。
アキラは人の物勝手に食べるなんてあり得ない。

それだけ正義感だけは強いやつだから。パーティに入ったのも彼を信じているからだ。

学校の噂でも、彼の評判は女子には良い。
男子は、嫌ってる人も多いけど、それはきっと嫉妬からだろう。


レイナの部屋をノックして、レイナに質問した。

「私のプリン知らない? 冷蔵庫に入ってたんだけど。」

なるべく軽い口調で言った。

「冷蔵庫に入ってないの?」

レイナが首を傾げながら、質問した。

「うん。」

「なら知らないよ?」

「そっか、ありがとう。」

私は礼を言った。

「ううん、見つかるといいわね。」

微笑んでレイナが励ましてくれた。

そして次はアキラの部屋に向かった。

ノックすると、だるそうな返事が聞こえた。

「ねぇ、私のプリン知らない?」


「俺が知る訳ないだろ?」

アキラがベットで横になりながら、私に目も合わせず言う。

「そうよねぇ…うん?」

私はゴミ箱にプリンの容器らしきものが入っているのに、目がいった。


「あれ…アキラ…これって?」

容器を取り、アキラに疑いの視線を送る。

「見れば分かるだろ? プリンの容器だよ。」

「なんで、ここにあるの?」

誰かがアキラに罠をかけるつもりで、入れた可能性を考えた。もしくは食べて忘れているか。

「この前ミウと一緒にプリン買いに行って、それで食べたやつだよ。」

アキラが視線を向けて言う。

「なぁんだ、そうなの。」

私は思わず笑みがこぼれた。うっかりね、私は。

「そういうこと。」


「私のプリン何処言ったんだろ? アキラ、何か思い当たる節ある?」

腕を組んで聞いた。

「ああ、ミウが食べたんじゃないか?」

「ミウは知らないって。」

「じゃあ1番怪しくないやつを疑ったら?」


「1番怪しくないやつ、アキラなんだけど?」

「いや、いるじゃん。俺の目の前に、カノンだよ。」

私を指で指し示して言う。

「はぁ? 私が犯人な訳ないでしょ! 聞いた私がバカだった。ミウに推理してもらうわ。」

頭を抱えて、苛つきを抱きながら、ドアノブに手を回らす。

「あっそう、じゃあね。」

アキラが手を振って答えた。


私はミウの元に再度向かった。

「ミウ入るわよ?」

「うっぅん。」

彼女の返事が少し変であった。

「何食べてるの?」

私は眉間に皺寄せして鋭く言った。

「プリン食べてますん。」

「はぁ? プリン知らないって言ってたじゃん。」

「知らないですん。今は知ってますん。」

どういうこと? それは私のプリンじゃないのか…怒りが沸々と湧き上がる。

「食べてないって…言ったよね?」

唇を震わせながら、ミウに言う。

「今食べてますん。」

どいうこと? トンチ? 

私のプリンを食べる前だから、食べてない。
知らない、は? まだ食べてないから知らないってこと?

頭が混乱してきて、自分でも整理がつかなかった。

「う~ん、美味しいですぅ。」

ミウの表情は憎らしいほどの笑みを浮かべていた。
まるでこの時のために生きてると伝えるほどに幸せそうだった。

「ちょっと!」

説明しろと言うつもりだったが、怒りで声に出なかった。

「あげないですよ? もう食べてますん。」

脳から何かが切れる音がした。

「私のプリンをこいつ! よくもー!」

胸ぐらを掴もうとしたが、彼女の次の言葉を聞いて、凍りついた。

「カノンのプリンじゃないですん。私のですぅ。」

「えっ?」

驚きの声をはってして、頭の中が真っ白になる。

「アキラと買ってきたプリンですぅ。カノンがプリン騒いでて、食べてなかったの思い出したですん。」


「なによ、紛らわしいわね!」

なら最初からそう言えば良いのにと、更に腹が立つ。


「もしかして、また疑ったんですか? 1日一回ならまだしも、2回も疑うなんて、許せないですぅ。」

ミウが拗ねるように言う。

「ごめん、悪かったわ。ねぇ、私のプリン探すの手伝ってくれない? その為に来たの。」

謝りながらも頼み事もする。
少し自分が厚かましいと思いながらも、今は彼女の盗賊としての能力に頼るしかないのだ。


「プリンいいですよ、買ってきた方が早いですけど、まぁいいですん。冷蔵庫の中はよく探しました?」

「探したよ。でもなかった…うーんでも言われると、不安だわ。」

「もう一回よく探しましょ~。」

「そうね、そうしよ。」

私はミウと2人冷蔵庫に向かった。

「でもそのプリン、何処にあったの?」

ミウがプリンを置いて行かずに食べる。
考え過ぎだろうか? 見せびらかすように…冷蔵庫の中には、プリンはなかったはずなのだ。


「むむ、まだ疑ってるんですか? 私友達に小さい冷蔵庫作って貰ってそこに置いてありました。」

「なるほどね。」
話しながら、冷蔵庫の前について、ドアを開けた。

少しミウと探したけれど、なかった。

「冷凍庫は探しました?」

「そんなところある訳ないじゃん、探してないよ。」

手を振りながら、返答した。

ミウが私の言葉を無視するかのように、冷凍庫を開けた。

「ありましたぁ! これですよね?」

プリンを掲げて彼女が私に見せる。

「あっ、それだ! でも何故こんな所に…あっ!」

そうだ、私…お客さんきて、プリンを外に出して、戻ってきて、プリンぬるそうだから、一回冷凍庫に入れてたんだった。

「犯人私じゃん!」

私は恥ずかしさのあまり、体が震えて顔が硬直した。

「ミウごめん、私でした…冷凍庫に入れたの。」

ミウが私の顔を望みこむように無言で私を見つめた。

しばらくして、意地悪な笑みを浮かべて彼女が喋りだした。

「プププ、私を疑ってましたね? ちゃんと、みんなを呼んで、そこできちんと謝って下さい。」

「分かりました…お騒がせしました。」ミウに何も言えず、素直に応じた。

「あはは、カノンも結構天然なところあるんだなぁ。」
アキラが高笑いした。

「あるわよね。カノン、あなた疲れてるのよ。」

レイナがフォローするように言う。

「ミウごめんなさい、疑って。」
私は頭を下げて謝る。

「プリン妖怪ヒトノセイダーに危うく犯人にされそうでした。でも犯人は自首しました。」
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