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2人の出会い
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泉の視点
「こんな所に呼び出して、なんの様?」
「ごめんなさい、明君にキスを迫られて、私拒否しちゃって明君と気まずくなって。」
「そーなん? 恋の相談ってやつ? そんなの他のやつにしなよ。じゃあ。」
「いや! 紬ちゃんじゃなきゃしたくない。行かないで~私を捨てないで。」
私は、紬ちゃんの服を掴んで懇願した。
「なんだよ~笑わせないでよ。そう言うのは彼氏にやりな。」
「分かってるけど、紬ちゃんが付き合ってくれないから…だから、私の相談乗る義務があると思うんです。」
「何その理屈…全然ないからそんな義務。話聞いてたら、大体何言うか予想ついてるし。」
「はぁ~私の事分かってくれるのは、紬ちゃんだけですよ。彼氏全然駄目。」
「そんなのあんたのせいでしょーが。明君は、確かに無愛想な所あるけど、ちゃんとフォローとかしてくれるよ。」
「…私の前で彼氏褒めないで下さい。」
紬ちゃんとの会話が一段落した瞬間、グラウンドのベンチに座った私たちは、周りの静けさに気づいた。
夕暮れが迫るグラウンドは、日が落ちていくにつれ、色とりどりの夕焼けに染まっていた。生徒達の笑声が遠くに聞こえ、風が木々を揺らしている。
私たちの会話も、その一日の終わりを告げるかのように、ひとつの区切りを迎えていた。
「めっちゃ目が怖いんだが?」
紬ちゃんに言われ、我に戻った。彼氏ではなく、私を褒めて欲しかった…やきもちから、私は、怖い顔をしていたのかな。
「ふふ、そうですよね、私がどうしようもないから、私が全部悪いんですよね。分かってます。」
「いや~そこまでってか、そう言う事じゃなくて。」
「じゃあどう言う事ですか?」
私は、紬ちゃんにその言葉の真意を言う様迫った。
「ちょっと、警察に尋問されてるみたいじゃん。
明君にもっと…心を込めて接するとかさ。」
「心を込めて? そんなの…無理に決まってるじゃないですか?」
「だって紬ちゃんの事好きなんですよ? 好きでもない人と付き合って、それでもだんだん好きになるかもと、考えて付き合ってるんですから。」
そう…紬ちゃんを諦める為に…今のところ私の紬ちゃんに対する恋心は、薄くならない。
むしろ明君と付き合う前より紬ちゃんが好きになっていく。
「だから…明君が可哀想になるんだよね。その事知らないで、付き合ってるんでしょ? 私を好きな気持ちは尊重するけど、明君の事泉ちゃんも尊重して欲しいな。」
優しい…紬ちゃんは、本当に尊敬出来る。私が男であったなら、紬ちゃんに絶対毎日、アプローチする。
情景が変わり、ふと紬ちゃんと、最初の出会いを思い出した。
1人トイレで泣いていた私は、洗面台で嗚咽した。
「どうしたん? めっちゃ泣いてるけど? 良かったら、何があったか聞くよ?」
知らない女子が心配そうに尋ねた。
「部長さんに、怒られてしまって。」
私は起きた事を彼女に伝えた。
「…だから…お願いしま…ね。」
先輩である女子が喋ったけど、声小さっ。何言ってるか、聞き取れないよぉ。
前の指示の事だよね? どうしよう。
「はい、分かりました。」私は、聞き返せず、よく分かってないけど、返事をしてしまった。
それから私は、委員長に呼び出された。
「なにやっての! あんた、指示通りにやってくれなきゃ困るよ。ちゃんと聞いてたんでしょ?
はぁ~ほんとあんたは、適当にやるんだから。」
委員長の怒鳴り声が響く。私は、心が折れてしまった。
「なるほど! 声が小さいから、そのまま分からず行動しちゃったんだね。」
私の話に耳を傾けていた彼女が、私に優しく語りかける。
「ならその子が声が小さいせいだね。次回から別の人にも確認したりすれば良いよ。」
「腹から声出して欲しいよね。でもその子も好きで声小さい訳じゃないから、責めるわけにもいかないね。」
「なんで、その子のせいだと思って次は、その子にこう言う事あったよって、優しく思ってても、責めない様に、紙に書いて貰うなりすると良いんじゃないかな?」
彼女の意見は、泣きそうになるぐらい、私の心に響いた。私は…彼女に恋をしてしまったかも。
「そうですね…紙に書いて貰えば良かったです。あんまり人に強く言えない性格で、嫌になります。」
「なるほど、優しいんだね、あんた。ええっと、そうだ、私紬。あなたは? あんたって初対面で言うって私やばいね。」
「泉って言います。いえ、本当に相談乗ってくれてありがとうございます。私救われました。」
「ちょっと、大袈裟。大した事してないよ。」
いいえ、紬ちゃん…私あなたの思慮深い考えに尊敬を抱きました。女子なのに…あなたのことが大好きになりました。
「紬ちゃん大袈裟なんて、そんなことないです。もし良かったら、友達になってくれませんか?」
私は懇願する様に言った。お願い断らないでと念じながら。
「OK! これからよろしく! 何かあったら私に相談しな。」
これが私と紬ちゃんの出会いだ。
「こんな所に呼び出して、なんの様?」
「ごめんなさい、明君にキスを迫られて、私拒否しちゃって明君と気まずくなって。」
「そーなん? 恋の相談ってやつ? そんなの他のやつにしなよ。じゃあ。」
「いや! 紬ちゃんじゃなきゃしたくない。行かないで~私を捨てないで。」
私は、紬ちゃんの服を掴んで懇願した。
「なんだよ~笑わせないでよ。そう言うのは彼氏にやりな。」
「分かってるけど、紬ちゃんが付き合ってくれないから…だから、私の相談乗る義務があると思うんです。」
「何その理屈…全然ないからそんな義務。話聞いてたら、大体何言うか予想ついてるし。」
「はぁ~私の事分かってくれるのは、紬ちゃんだけですよ。彼氏全然駄目。」
「そんなのあんたのせいでしょーが。明君は、確かに無愛想な所あるけど、ちゃんとフォローとかしてくれるよ。」
「…私の前で彼氏褒めないで下さい。」
紬ちゃんとの会話が一段落した瞬間、グラウンドのベンチに座った私たちは、周りの静けさに気づいた。
夕暮れが迫るグラウンドは、日が落ちていくにつれ、色とりどりの夕焼けに染まっていた。生徒達の笑声が遠くに聞こえ、風が木々を揺らしている。
私たちの会話も、その一日の終わりを告げるかのように、ひとつの区切りを迎えていた。
「めっちゃ目が怖いんだが?」
紬ちゃんに言われ、我に戻った。彼氏ではなく、私を褒めて欲しかった…やきもちから、私は、怖い顔をしていたのかな。
「ふふ、そうですよね、私がどうしようもないから、私が全部悪いんですよね。分かってます。」
「いや~そこまでってか、そう言う事じゃなくて。」
「じゃあどう言う事ですか?」
私は、紬ちゃんにその言葉の真意を言う様迫った。
「ちょっと、警察に尋問されてるみたいじゃん。
明君にもっと…心を込めて接するとかさ。」
「心を込めて? そんなの…無理に決まってるじゃないですか?」
「だって紬ちゃんの事好きなんですよ? 好きでもない人と付き合って、それでもだんだん好きになるかもと、考えて付き合ってるんですから。」
そう…紬ちゃんを諦める為に…今のところ私の紬ちゃんに対する恋心は、薄くならない。
むしろ明君と付き合う前より紬ちゃんが好きになっていく。
「だから…明君が可哀想になるんだよね。その事知らないで、付き合ってるんでしょ? 私を好きな気持ちは尊重するけど、明君の事泉ちゃんも尊重して欲しいな。」
優しい…紬ちゃんは、本当に尊敬出来る。私が男であったなら、紬ちゃんに絶対毎日、アプローチする。
情景が変わり、ふと紬ちゃんと、最初の出会いを思い出した。
1人トイレで泣いていた私は、洗面台で嗚咽した。
「どうしたん? めっちゃ泣いてるけど? 良かったら、何があったか聞くよ?」
知らない女子が心配そうに尋ねた。
「部長さんに、怒られてしまって。」
私は起きた事を彼女に伝えた。
「…だから…お願いしま…ね。」
先輩である女子が喋ったけど、声小さっ。何言ってるか、聞き取れないよぉ。
前の指示の事だよね? どうしよう。
「はい、分かりました。」私は、聞き返せず、よく分かってないけど、返事をしてしまった。
それから私は、委員長に呼び出された。
「なにやっての! あんた、指示通りにやってくれなきゃ困るよ。ちゃんと聞いてたんでしょ?
はぁ~ほんとあんたは、適当にやるんだから。」
委員長の怒鳴り声が響く。私は、心が折れてしまった。
「なるほど! 声が小さいから、そのまま分からず行動しちゃったんだね。」
私の話に耳を傾けていた彼女が、私に優しく語りかける。
「ならその子が声が小さいせいだね。次回から別の人にも確認したりすれば良いよ。」
「腹から声出して欲しいよね。でもその子も好きで声小さい訳じゃないから、責めるわけにもいかないね。」
「なんで、その子のせいだと思って次は、その子にこう言う事あったよって、優しく思ってても、責めない様に、紙に書いて貰うなりすると良いんじゃないかな?」
彼女の意見は、泣きそうになるぐらい、私の心に響いた。私は…彼女に恋をしてしまったかも。
「そうですね…紙に書いて貰えば良かったです。あんまり人に強く言えない性格で、嫌になります。」
「なるほど、優しいんだね、あんた。ええっと、そうだ、私紬。あなたは? あんたって初対面で言うって私やばいね。」
「泉って言います。いえ、本当に相談乗ってくれてありがとうございます。私救われました。」
「ちょっと、大袈裟。大した事してないよ。」
いいえ、紬ちゃん…私あなたの思慮深い考えに尊敬を抱きました。女子なのに…あなたのことが大好きになりました。
「紬ちゃん大袈裟なんて、そんなことないです。もし良かったら、友達になってくれませんか?」
私は懇願する様に言った。お願い断らないでと念じながら。
「OK! これからよろしく! 何かあったら私に相談しな。」
これが私と紬ちゃんの出会いだ。
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