紬ちゃんの青春日記

タカユキ

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恋愛観のゆくえ

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「泉、話しがある。」
明君が、真剣な表情で泉ちゃんに言った。

放課後の夕方3月になる頃だ。

私は何故泉ちゃんなんだろ? もしかして私にホワイトデーで、告白する為か?

なんだよ~全く明ったら。ってかそんなに親しかったんだ、2人は。

泉ちゃんが不安気な表情で私を見た。
泉ちゃん好きすぎでしょ? 私のこと。

そんなあのさ、いちいち見なくていいから。
心で言った。

でも内容聞きたいな~泉ちゃんなら教えてくれるだろう。内緒だよとは、言わなそう。

「うん? ここじゃ駄目なのかな? 私紬ちゃんと帰りたいからさ。」

「ああ、ここだと話せない。僕の気持ちを伝えたいんだ。体育館裏で。」

あれ? あれれ? ちょっと待ちなよ。気持ちを伝えたい? ですって?

頭に押し寄せる疑問が頭を痛くする。
するってーと何かい、体育館裏で…考えたくないけど、泉ちゃんに告白?

いやいや待てよ、泉ちゃんは私が好きなんだから、どうであれ、明君と付き合う事はない。

だよね? 合ってるよね? だから他の子好きだった…よりはマシなんじゃね?


「ごめん、紬ちゃん先帰ってて、明日また学校でね。」

「あー、うん、分かった…先帰る。」
2人の会話が気になったけど、それは野暮だと思い私は帰路についた。


「どうした姉ちゃん? 浮かない顔して、彼氏にでも振られたか?」
リビングの机に俯いていたら、弟が揶揄うように聞いた。
心配なんてする弟じゃねーもんな。

「そう言うあんたは? 彼女出来た?」
彼氏ですらねーわ。好きな人別にいたとは言えぬ。

「僕はねぇ~彼女3人いるよ。モッテもてー。」

「腹立つぅー。女の子の敵め! いけないんだぞ、1人に絞れ。」

「嫌だよーだ。みんな好きだから、1人は無理。ちゃーんと3人に別の子とも付き合うけどいいって、聞いたし、問題なーいもん。」

クソガキ。我が弟ながら、すでに子供ながら、プレイボーイかよ。

「口も達者だねー。でも二兎を追う者は一兎をも得ずって、ゆうじゃん。3人みんなと薄く付き合うよりさ、真剣に1人を好きになった方が、濃い関係築けるよ。」


「ぷぷ、姉ちゃんあったまわるー。それで振られたら、姉ちゃんこんなに落ち込んでるんじゃん。結婚する訳じゃないんだから、3人と遊べば良いんだよ。結構姉ちゃんって重いんだねー。」
嘲るようにクソガキ弟が反論した。
マジでムカついてきた! 私に意見するなんて10年早えわ。

「ふーん言うねぇ。じゃあ、あんたの3人付き合ってる子もあんた以外の男の子と付き合って良いってわけ? それなら姉ちゃんは、何も文句言わん。」

実際のところ別に弟が良いなら、文句なし。駄目ならふざけた事言ってるし、一理もなくなる。

「…姉ちゃんそれは駄目でしょ。んー?」

「ふふ、姉ちゃん僕に勝ったと思った? 僕が駄目な癖に、女子にはって? 最初に僕言ったよねー? 女子にはちゃんと説明して許可貰ってるって。僕は許可しない。けど女子は許可した。その違い忘れてもらっちゃー困るね」

ちっちっちっと、目を瞑り、弟が人差し指を振り詰めが甘いと言う。

「こんの…」
私はかなり腹が立ってきた。

「僕は姉ちゃんより賢いんだよ? だからモテるの。姉ちゃんも、1人に絞るより、色々付き合ってみたら? まぁこの技、モテない奴には無理だけど、ぷぷ。」

くー。めっちゃ賢いなこのクソ弟。でも~私の方が賢いもーん。論破してやる。


「あんたのそれって恋愛じゃないから。ただの主従関係。逆にあんたは嫌だって言うのが証拠。許可してでも、あんたと付き合いたいだけで、不満は積もっていって、結局覚めるからね。女の子舐めんなつー話よ。」

しゃー! 完璧に論破してやったわ~。気持ちええ。

「…勉強しよっと。」
弟が逃げる様に呟いた。

「ふん!」
少し弟のおかげかな。気持ちが楽になったかも。2人がどうなったかを気にしなくて済んだから。
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