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第84話
「心から愛していると思いますよ」
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リチア「それって・・・!」
ケイリィ「うん、きっと間違いないよ!俺たちが探してる女の子のことだよきっと!」
リチア「あの、その子は今どちらに?」
「わからないの・・・あの子の黒いなにかに、襲われそうになって・・・そこから記憶なくて・・・きっと気絶しちゃったのかもしれないわ・・・でも、きっとまだ遠くには行ってないと思うの。お願い・・・なんとかして、あの子を探して・・・!
あの子、ロネは辛いことばかり起きてて、たまにはゆっくり休ませてあげたいの。
だから、お願い。
その制服は、騎士学校のものなんでしょう??騎士学校がいつも事件を解決してくれる、私たち民を救ってくれるヒーローなんでしょう!?どうか・・・あの子を、救って・・・助けてあげて・・・」
そう言う母親の手を、リチアは優しくとり微笑む。
リチア「・・・・はい。必ず、必ず助けます」
ケイリィも微笑んで、頷く。
と、そんな時だった。
悲鳴が響き渡る。
ケイリィ「悲鳴!?」
リチア「ケイ!行きましょう!」
ケイリィ「うん!」
二人は走る。悲鳴のした方へ。
路地の中で、座り込むロネと黒いナニカに襲われている一人の女市民を見つける。
ロネからは黒いオーラが漂い、黒いナニカは市民を襲おうとしている。市民は一歩一歩後ろに後退り、逃げようと後ろを振り返り走ろうとする。
その瞬間を見て、黒いナニカは背後から市民を食おうと襲い掛かった。
「・・・ひっ・・・!!」
その時、
ケイリィとリチアが背後からその黒いナニカを斬り伏せた。
黒いナニカはどろどろに溶けて消える。
「・・・!あ・・・あ、ぁ・・・」
市民はびっくりして腰を抜かす。
リチア「大丈夫ですか!?どこか、怪我は・・・?」
リチアはその女性に駆け寄り、目線を合わせるためしゃがみ込む。
「・・・騎士・・学校の・・・!
ご、ごめんなさい。忠告は聞いていたのに・・・窓から外を見て、そこにいる・・女の子が外を走ってるのが見えたから・・・追いかけなくちゃ、てなって・・・追いかけたら・・・・突然、その子から・・・ば、化け物、が・・・」
リチア「・・・そう、ですか。でも、お怪我がなくて良かったです。とりあえず、ここから離れていてください」
リチアは立ち上がり、その女性に微笑む。
「・・・!」
女性は立ち上がると、その場を駆け出す。
リチアとケイリィはロネに向き直ると膝を抱えて座り込んでる黒いオーラに身を包んだロネに近寄る。
ロネ「・・・な・・・い・・で・・・・
来ないで・・・・!!」
ロネは大声を上げると、黒いナニカがその場に無数現れそれらはケイリィとリチアに向かっていく。
リチアはケイリィの前に出る。
リチア「・・・これが一体何者なのかはわかりませんけど、あなたは苦しんでます。だから・・・今解き放ってあげますね・・・」
リチアに向かっていく黒いナニカ。
リチアが鞘から剣を抜こうとした瞬間、そこから眩い光が剣から放たれる。
その光があまりにも激しく眩しくて、黒いナニカ達は溶けて消えて行く。
ロネ「・・・!」
ロネとケイリィはその眩しさに目を細める。
リチアは構わず、ロネに近寄るとロネの前にしゃがみ込み、そっと抱きしめたことで心が落ち着いたのかロネから放たれていた黒いオーラはリチアの光の強さに打ち消されていった。
リチア「ロネちゃん・・・・でしたっけ?お母様からお話聞きました。ロネちゃんのこと・・・心配で探してます。だから、一緒に帰りましょう?貴方のお母様の元へ」
ロネ「なん、で・・・どう、して・・・・
お母さんはわたしのこと・・・き、と、嫌いに・・・なる・・・それに・・・一度・・・消え、ても・・・・
消えないの・・・・黒いものは・・・・
わたしの、中から・・・消えること、ない・・・
暗いとこに出たら・・・また、出て、人を・・・・
食うの。お腹をすかせてると・・・・なおさら・・・・・
だから・・・お母さんには、会わないほうが・・・いいの」そこで一瞬、母の怯えた顔を思い出すロネ。
リチア「・・・・お母様の心配をしてるんですか?
優しいですね。
大丈夫です。お母様は何よりもロネちゃんのことを心配しているだろうし、心から愛していると思いますよ」
ロネ「え・・・?」
リチア「だって、そうじゃなくちゃロネちゃんを救って、助けてあげてだなんて私達に頼まないですから」
そう言ってリチアとケイリィはロネに微笑む。
ロネ「お母さん、が・・・そんな、ことを・・・?」
リチア「はい。会ってみたら分かりますよ」
ロネ「・・・・・
帰・・・る・・・・。帰・・り、たい・・・っ」
ロネの瞳からは涙が伝う。
そんなロネの手を優しく握って立ち上がるリチア。
リチア「はい!それじゃあ行きましょう!
灯りがあれば出てこないんですか?」
ロネ「・・・あかり・・・多少、あれば・・・」
リチア「そうなんですね。それじゃ安全なところまで一緒に送り届けます!私が着いていれば大丈夫ですからね」
リチアの力で未だ眩く光っている剣をギュッと握りしめ、
リチア「とりあえずは、お母様の元へ戻りましょうか」
と、リチアの剣を照明の代わりにしつつもリチアとケイリィは両方からロネの手を繋いで歩き出した。
その様子を高いところから見ていたデットはニヤリと笑っていた。
ケイリィ「うん、きっと間違いないよ!俺たちが探してる女の子のことだよきっと!」
リチア「あの、その子は今どちらに?」
「わからないの・・・あの子の黒いなにかに、襲われそうになって・・・そこから記憶なくて・・・きっと気絶しちゃったのかもしれないわ・・・でも、きっとまだ遠くには行ってないと思うの。お願い・・・なんとかして、あの子を探して・・・!
あの子、ロネは辛いことばかり起きてて、たまにはゆっくり休ませてあげたいの。
だから、お願い。
その制服は、騎士学校のものなんでしょう??騎士学校がいつも事件を解決してくれる、私たち民を救ってくれるヒーローなんでしょう!?どうか・・・あの子を、救って・・・助けてあげて・・・」
そう言う母親の手を、リチアは優しくとり微笑む。
リチア「・・・・はい。必ず、必ず助けます」
ケイリィも微笑んで、頷く。
と、そんな時だった。
悲鳴が響き渡る。
ケイリィ「悲鳴!?」
リチア「ケイ!行きましょう!」
ケイリィ「うん!」
二人は走る。悲鳴のした方へ。
路地の中で、座り込むロネと黒いナニカに襲われている一人の女市民を見つける。
ロネからは黒いオーラが漂い、黒いナニカは市民を襲おうとしている。市民は一歩一歩後ろに後退り、逃げようと後ろを振り返り走ろうとする。
その瞬間を見て、黒いナニカは背後から市民を食おうと襲い掛かった。
「・・・ひっ・・・!!」
その時、
ケイリィとリチアが背後からその黒いナニカを斬り伏せた。
黒いナニカはどろどろに溶けて消える。
「・・・!あ・・・あ、ぁ・・・」
市民はびっくりして腰を抜かす。
リチア「大丈夫ですか!?どこか、怪我は・・・?」
リチアはその女性に駆け寄り、目線を合わせるためしゃがみ込む。
「・・・騎士・・学校の・・・!
ご、ごめんなさい。忠告は聞いていたのに・・・窓から外を見て、そこにいる・・女の子が外を走ってるのが見えたから・・・追いかけなくちゃ、てなって・・・追いかけたら・・・・突然、その子から・・・ば、化け物、が・・・」
リチア「・・・そう、ですか。でも、お怪我がなくて良かったです。とりあえず、ここから離れていてください」
リチアは立ち上がり、その女性に微笑む。
「・・・!」
女性は立ち上がると、その場を駆け出す。
リチアとケイリィはロネに向き直ると膝を抱えて座り込んでる黒いオーラに身を包んだロネに近寄る。
ロネ「・・・な・・・い・・で・・・・
来ないで・・・・!!」
ロネは大声を上げると、黒いナニカがその場に無数現れそれらはケイリィとリチアに向かっていく。
リチアはケイリィの前に出る。
リチア「・・・これが一体何者なのかはわかりませんけど、あなたは苦しんでます。だから・・・今解き放ってあげますね・・・」
リチアに向かっていく黒いナニカ。
リチアが鞘から剣を抜こうとした瞬間、そこから眩い光が剣から放たれる。
その光があまりにも激しく眩しくて、黒いナニカ達は溶けて消えて行く。
ロネ「・・・!」
ロネとケイリィはその眩しさに目を細める。
リチアは構わず、ロネに近寄るとロネの前にしゃがみ込み、そっと抱きしめたことで心が落ち着いたのかロネから放たれていた黒いオーラはリチアの光の強さに打ち消されていった。
リチア「ロネちゃん・・・・でしたっけ?お母様からお話聞きました。ロネちゃんのこと・・・心配で探してます。だから、一緒に帰りましょう?貴方のお母様の元へ」
ロネ「なん、で・・・どう、して・・・・
お母さんはわたしのこと・・・き、と、嫌いに・・・なる・・・それに・・・一度・・・消え、ても・・・・
消えないの・・・・黒いものは・・・・
わたしの、中から・・・消えること、ない・・・
暗いとこに出たら・・・また、出て、人を・・・・
食うの。お腹をすかせてると・・・・なおさら・・・・・
だから・・・お母さんには、会わないほうが・・・いいの」そこで一瞬、母の怯えた顔を思い出すロネ。
リチア「・・・・お母様の心配をしてるんですか?
優しいですね。
大丈夫です。お母様は何よりもロネちゃんのことを心配しているだろうし、心から愛していると思いますよ」
ロネ「え・・・?」
リチア「だって、そうじゃなくちゃロネちゃんを救って、助けてあげてだなんて私達に頼まないですから」
そう言ってリチアとケイリィはロネに微笑む。
ロネ「お母さん、が・・・そんな、ことを・・・?」
リチア「はい。会ってみたら分かりますよ」
ロネ「・・・・・
帰・・・る・・・・。帰・・り、たい・・・っ」
ロネの瞳からは涙が伝う。
そんなロネの手を優しく握って立ち上がるリチア。
リチア「はい!それじゃあ行きましょう!
灯りがあれば出てこないんですか?」
ロネ「・・・あかり・・・多少、あれば・・・」
リチア「そうなんですね。それじゃ安全なところまで一緒に送り届けます!私が着いていれば大丈夫ですからね」
リチアの力で未だ眩く光っている剣をギュッと握りしめ、
リチア「とりあえずは、お母様の元へ戻りましょうか」
と、リチアの剣を照明の代わりにしつつもリチアとケイリィは両方からロネの手を繋いで歩き出した。
その様子を高いところから見ていたデットはニヤリと笑っていた。
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