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第78話
「ここの家族も襲われたらしいわよ」
しおりを挟むロネはなるべく明るいところを目指しながら、街を歩いていた。
なんとか・・・おさえこめ、た・・・・。
もう・・・出さないように・・・しなきゃ・・・
わた、し・・・ひと、ころした・・・何人も・・・なんにんも・・・・っ
お母さんにあいたい・・・
でも、もう、会えない・・・・
お母さんのわたしを見る目・・・
おびえ、てた・・・
顔・・・合わせられなく・・・・な、ちゃ、た・・・・。
ボケーっと地面を見ながら歩いていると、ふと「騎士学校の生徒ですが」という声が聞こえた。
ロネは顔をあげそちらを見れば生徒達が市民達に声をかけていってる様子が伺える。
騎士、学校・・・。
ロネ「・・・」
ロネはフードを深く被り直し、止めていた足を再び動かそうとした時頭上から声がかかった。
リチア「こんにちは?」
顔を上げればそこにはリチアとケイリィがいて、
2人を見た途端ロネは後ずさる。
ケイリィ「あれ?キミ、どこかで・・・」
ロネは2人から逃げるために路地裏へと入りこんでいってしまった。
リチア「あ、ち、ちょっと・・・!」
ケイリィ「追いかけよう!」
リチア「はい!」
リチアとケイリィが路地裏に入っていくのをクラスの男女が見ていた...。
ーーーー
シャムア宅前にて、
「ここの家族も襲われたらしいわよ。何者かに」
「うそ!?」
「物騒の世の中よね~。あー怖い怖い。外歩くのにも怯えて暮らさなきゃならないなんて」
その会話をシャムアの家の裏にて聞いていたデットとロネの母。
デット「・・・お母さん、本当に大丈夫?って、僕がお母さんって呼ぶのなんか変だよね・・・実の母じゃないのに」
「なにを今更気にしているの?デットはもう私たちファリス家の家族なのよ」
デット「!」
家族・・・そう・・・だよね・・・。
デット「でも、ロネと会う決心はついたの?」
「ええ。私はロネの親であり、私は一度でも向けてはならない瞳を向けてしまった・・・自分の子供に対してね。
そんなの、親として失格だから。
ロネの身になにが起こってるか分からないけど、やっぱり放っておけない。会わなくちゃ。会って、謝らないと・・・。
デット、私と来てくれる?」
デット「・・・当たり前だよ。血は繋がっていなくても、ロネは僕の妹だから・・・。でも、ロネに不用意に近づくのは危険だよ」
「・・・あの変な生き物・・・ロネの中から出てきたように見えたわ・・・あれは、なに?」
デット「・・・僕にもわからない。
でも、電気消した途端、ロネは怯え出した」
「!明かり、消した・・・から・・・?
そういえば、夜にでもシャムアの家にお邪魔してみようかって言った時、ロネはすごく怯えて、朝がいいって言ってたわよね・・・
ロネはずっと部屋の中明るくないと嫌だって、明るくしていつも寝ていたし。夜になると、外にも出たがらない。朝しか、家から出ない・・・これって・・・」
デット「・・・ロネ自身も気付いてたんじゃない、かな。
暗くしたら、出てくるから。あの黒いナニカが・・・。
皆に危害が及ぶことを、ロネはそれを怖がって・・・・」
「・・・っ
デット、ロネの居る場所分かる!?」
デット「・・・気配で、なんとなく。」
「急ぎましょう!」
はやく、ロネの元に行かなくちゃ・・・。
ロネ・・・
今行くからね・・・。
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