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第70話
誰よりも、ずっと優しい・・・
しおりを挟むリチア「・・・どうして・・上がったんですか・・・?先輩達はダメだって、危険だから上がるなって言ったのに・・・っ」
「私たちだって止めたよ!でも聞いてもらえなかったんだよ!」
リチア「もう、余計なこと、しないで・・・」
「余計なことって・・・?私たちが悪いって言うの?リチアちゃんだってあの時ちゃんと止めれば良かったのにはっきり止めなかったじゃん。やっぱり、いい子ぶってるだけなんだ」
"「良い子ぶっちゃってさ」"
「リチアちゃん、時々顔色変わるよね。なんか、別人みたいに。」
"「皆知ってんだぞ。お前が本当は冷たい人間だってな。」"
ちがう、、、私は、、、。
リチアは頭を抱える。
"「あれがお前の本性なんだろ」
「人間にはない力を持ってるんだから、実は化け物だよね。リチアちゃんも、先輩達も」
「怖いな」
「でも先輩達は力あってこそかっこいいし何か憧れるんだよねー」
「あぁまぁな。
それがきっかけで騎士学校に応募したみたいなとこあるし」
「ラン先輩に贔屓されてるからってさ、いい子ぶってんじゃねーよ」
リチア「っ」
ちがう・・・ちがう・・・っ、私は・・・
化け・・・物・・・
私・・・・
私は・・・
私って・・・化け物、なのかな・・・。
あぁ・・・そっ・・か・・・
私は・・・
私は、もう人間には戻れない・・・。
一生、この先、ずっと・・・化け物のまま・・・。
リチアは一粒の涙をこぼすと、その場にいるのが嫌になりその場から駆け出した。
ケイリィ「あっ、リチア!」
リチアはケイリィの声も聞かずに走り去っていく。
そして、ケイリィは生徒達に向き直ると口を開く。
ケイリィ「リチアを化け物なんて呼ぶなよ!
たとえ人間には使えないような力が使えたとしても、リチアは俺たちのこと守ってくれてたじゃないか!
なんでそれを・・・化け物呼ばわりするなんて、最低だ・・・っ」
そう言ってリチアを追ってケイリィも走っていく。
普段はあまり怒らないリチア。
だけど、俺が刺された事で、俺の代わりに怒ってくれたんだから・・・・
誰よりも、ずっと優しい・・・。
残された生徒は何とも言えない気持ちでそこに佇んでいた...。
ー
カトレア「そう・・・まことに残念だわ、それは・・・。
秘密を知った者は消していくしかあるまい。殺すのは可哀想だが、人形化にしたところでもうあの職人には頼めないのであればせめてトリカゴの中で生かしておくわ」
2階の存在を知ってしまった生徒達は今や
鳥籠の中で口をパクパクとさせていた。
それを見てカトレアはそう独り言を呟いていた...。
。
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